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2010年5月29日 (土)

五百羅漢さん(阿波、德島)にまつわる歴史伝承、五百羅漢さん(小乗仏教)、羅漢槙(生垣)、とは(2010.5.29)

   五百羅漢(ごひゃくらかん)さんと言えば、四国八十八ヶ所霊場、地蔵寺(じぞうじ、5番札所、真言宗、羅漢寺とも)の奥の院羅漢堂の仏さんのことです。私が小学生の頃に遠足に行ったところで、どこかで見たような顔の仏さんがたくさん立ち並んでいたのを覚えています。

 黒谷(板野、德島)にある大日寺(だいにちじ、4番札所、真言宗)の南の地蔵寺のあるところの地名は、羅漢といいます。本堂の裏のもと寺があったところを、江戸時代の中頃に地ならしをして五百羅漢を安置して奥の院としました。

 羅漢堂では、正面に釈迦如来、右手にはお大師さん、左手に弥勒さんが祭られています。弥勒さんはお釈迦さんが亡くなって56億7000万年たってからこの世に救済に現れる仏さんであり、今は中間の時期なので、その間は羅漢さんに救ってもらおうという意味です。

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第5番地蔵寺 奥の院 五百羅漢堂内部(羅漢、板野、google画像)

(解説) 羅漢は阿羅漢(あらかん)の略で、煩悩をすべて断滅して最高の境地に達した人です。狭義には小乗仏教の理想の仏です。お釈迦さんの五百人のお弟子さんは、お釈迦さんから、お前は覚(さと)った、ということで、授記(じゅき)という覚りの許可状のようなものをもらって羅漢になりました。 ということで、釈迦崇拝が五百羅漢の崇拝になっています。

 ところが、一般民衆は五百の菩薩の格好をした顔がおもしろいので、亡くなった人の面影を羅漢さんの中に探すという信仰の方に変わって行きました。地蔵寺奥の院の五百羅漢さんでも、亡くなった人の供養にお参りするようです。

 ところで、生垣(いけがき)に使う槙(マキ)には、羅漢さんとどこか似た、ラカンマキ(羅漢槙)と呼ばれるマキ科の常緑小高木があります。

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ラカンマキ(羅漢槙、上 羅漢槙の実、 下 羅漢槙の葉、google画像)

(解説) ラカンマキ(羅漢槙)は中国原産と言われています。イヌマキの変種で、イヌマキより枝が多く、葉は密生して短く、幅狭く、高さは5m内外です。

 雌雄異株で、実の形が僧侶になる前の羅漢さんに似ているところから、羅漢槙の名が付きました。また、その葉の形が、衣を着た羅漢さんとよく似ていることにも由来しています。種子は楕円形、青緑色で、赤くなったところは、甘く、おいしいです。私は生家(引野、板野)の槙の実を食べたことがあります。槙は、建材、器具材、桶(おけ)などにも使われています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 五来重: 四国遍路の寺、下、p.49、地蔵寺、五百羅漢は釈迦信仰から、角川ソフィア文庫(2009).

(参考資料) 地蔵寺 五百羅漢(板野、德島):  http://www41.tok2.com/home/kanihei5/tokusima-jizoji.html

四国霊場、奥の院物語(四十八ヶ所を紹、川東和夫): http://www.fmkagawa.co.jp/staff/ohenro/okunoin0.htm

ラカンマキ(槙の実、植物図鑑、google画像): http://eco.goo.ne.jp/nature/plant/data/data264.html

ラカンマキ(羅漢槙、槙の実、生垣、google画像)http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/gymnospermae/podocarpaceae/rakanmaki/rakanmaki.htm

(追加説明) ○ 大乗仏教は、紀元前後頃からインドに起こった改革派の仏教です。従来の部派仏教が出家者中心、自利中心であったのを小乗仏教として批判し、それに対し、自分たちを菩薩と呼んで、在家者を重視し、利他中心の立場をとりました。中国、日本、チベットなどの北方仏教は、大乗仏教の流れを受けています。

○ 大乗仏教の創始者、龍樹(りゅうじゅ)は、釈迦仏教の伝統を引き、山林に引きこもって悟りを開こうとする釈迦の弟子たちを声聞(しょうもん)、縁覚(えんかく)とよび、その教えを小さな乗り物の仏教、小乗仏教といい、苦しめる大衆の中に飛び込んで大衆を救う人間、すなわち菩薩(ぼさつ)の教えを大きな乗り物の仏教、大乗仏教とよんだ。

 は、人生を全面的に肯定する有の立場でも、それを全面的に否定する無の立場でもなく、有も無も超えた空の立場に立てと説く。それは、死の影の濃い釈迦仏教に生の歓びを与える教えであったと私は思う。人生を肯定する大乗仏教から武力肯定の思想が生まれたのは当然であろう。日蓮は、立正安国論で、涅槃経の中の言葉を肯定的に引用し、不殺生戒を否定している。(梅原猛思うままに武力肯定した大乗仏教、戦争は人間の業か 7,2010年(平成22年)6月7日(月)、北陸中日新聞、夕刊、より)

 

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