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2010年8月26日 (木)

五山の送り火(京都)にまつわる歴史伝承、大文字(右大文字)、妙法、船形、左大文字、鳥居形、とは(2010.8.16)

   京都の五山の送り火とは、8月16日、午後8時、京都市東山(左京区)の銀閣寺の裏山近く、如意ヶ嶽(通称、大文字山)の点火で始まる盆の行事で、別名、大文字焼とも言われています。山の中腹部に、「大」の字の形に火床を75ヶ所設け、この火床は松の割木を組んであります。空海弘法大師、774~835)が始められたと言われ、現在も山上の弘法大師堂で読経をあげてから、午後8時頃、いっせいに点火されます。

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大文字の送り火如意ヶ岳(通称大文字山)、2008年8月16日(土)、共同通信社、東山、京都、 google画像)

(解説) 銀閣寺の裏山近く、如意ヶ岳(通称大文字山)の「大」の字の横の一画は80m、左の一画が、160m、右の一画が120mという壮大なもので、多くの見物人が賀茂(鴨)の河原に集まり見物します。

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五山送り火の方角と位置右大文字、妙法、船形、左大文字、鳥居形京都、google画像)

(解説) 京都の市中を取り囲み、東方(銀閣寺近く、如意ヶ嶽の大、右大文字、午後8時、最初の点火)から北方(松ヶ崎西山・万灯籠山の妙、松ヶ崎東山・大黒天山の法、西賀茂妙見山の船形)、西方(金閣寺近く、大北山の大、左大文字、曼荼羅山・上嵯峨水尾山の鳥居形)へと順次点火され、市内を見下ろす5つの山に赤々と浮かぶ送り火は、盆の精霊を彼岸(冥府)に送るために火を焚(た)くことから、五山の送り火とも呼ばれています。(京都五山送り火連合会: http://www.gozan-okuribi.com/#mokuji.) 

 「妙法」の字については、「妙」は鎌倉時代初期日像(にちぞう、1269~1342)上人が妙の字を書き、点火したのが始まりとされ、また、「法」は江戸時代初期に始まったとされています。「妙」は最長約100m、「法」は最長約70mです。「船形」の字については、円仁慈覚大師、794~864)が唐から、暴風雨をついて無事帰国できたことに因み、その船をかたどって送り火を始めたと言う。その幅は200m、縦は130mです。左大文字の「大」については、京都御所より見て左にあるため、この名があります。「大」の字の筆順通りに、点火されます。その一画は48m、二画は68m、三画は59mです。「鳥居形」の字については、弘法大師が石仏1000体を刻み、その開眼供養の時の点火が起源と言う。他の送り火のように、あらかじめ薪を井桁に組まず、会員が松明(たいまつ)をかついで走るため、「火が走る」ように見える勇壮な送り火です、その幅は72m、縦76mです。 

 その起源については、まだはっきり分かっていません。平安初期、大文字山麓(だいもんじさんろく)の寺の大火で阿弥陀仏(あみだぶつ)が飛翔(ひしょう)した空に光明を放ったことから、弘法大師(空海)がそれを模倣し火を用いる儀式として行ったという弘法大師説があります。

 また、室町時代、京都やその近郷で、盆の行事として万灯会(まんとうえ)が行われていましたが、この行事が戦国期の頃から徐々に大型化し、時には2間もの灯籠が作られるようになってきて、これを大規模化したのが五山の送り火だと言われています。文献的には、江戸時代、1603年(慶長8年)、すでに山々に点火される送り火の行事が、当時の公家の日記に見られることから、16世紀の後半には、京都の年中行事として始まっていたことが分かります。

 送り火の「大」の字について、江戸時代、寛永の三筆の一人、近衛信尹の筆になるとする説が、江戸時代からありますが、これについても現在のところ、確証が得られていません。大は人間をあらわし、人間にひそむ75法という煩悩を焼きつくすと言う。 

 五山の送り火は、現在では、去りゆく京都の夏の夜を幽玄(ゆうげん)に彩(いろど)る風物詩となっており、葵祭(あおいまつり、公家の祭り、5月15日)、祇園祭(ぎおんまつり、町衆の祭り、7月17日、24日)、時代祭(じだいまつり、市民の祭り、10月22日)と共に、京都の代表的な観光行事として宣伝されています。

 私は、1968年(昭和43年)8月16日、京都大学理学部化学教室(吉田、左京区)の屋上で、親友(下出敏幸、村上勇一郎 両君)と3人で眺めたことがあります。銀閣寺裏の暗い夜空に大きく燃え上がった大文字山の迫力ある「大」の字の送り火が、今も強く印象に残っています。 

(参考文献) 山本四郎: 京都府の歴史散歩(上)、山川出版社(1990); 樋口清之(監修): 生活歳時記、三宝出版(1994); 歴史探訪研究会編: 歴史地図本、知って訪ねる、京都、大和書房(2008).

(参考資料) 五山の送り火(京都市観光協会、京都): http://www.kyokanko.or.jp/3dai/daimonji.html; 五山の送り火(2010年の送り火、京都新聞社、京都): http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/gozan/

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