« 松葉ガニにまつわる歴史伝承、ズワイガニ(雄の松葉ガニと雌の香箱ガニ)の解禁、江戸時代、因幡鳥取藩主(鳥取)から美作津山藩主(岡山)へのお歳暮、松葉ガニ、とは(2010.11.6) | トップページ | 紅葉の季節(2010年11月中旬)、金沢幹線道路(桜田、金沢)沿いのヤマボウシ(山法師)の風景(2010.11.13) »

2010年11月10日 (水)

初冬、2010年11月中旬のころ、わが家(桜田、金沢)の近く、野草(ヨシ、オギ、ススキなど)が群生あるいは散生する犀川べりの風景(2010.11.10)

  初冬(しょとう)は、立冬(りっとう、11月7日)から大雪(たいせつ)の前日(12月6日)までを言います。立冬は、これから冬に入る、はじめの節で、この頃は太陽の光も一段と弱く、日足も目立って短くなり、冬の気配が感じられるようになります。

 現在11月中旬で時雨の季節、犀川の土手の桜、ソメイヨシノ紅葉し、犀川べりに群生あるいは散生した野草、オギ、ススキなどは白い穂をなびかせ、また、それらの近くに群生したセイタカアワダチソウの黄色の花、マント群落のツル植物のクズの葉の緑など、色とりどりモザイク状に入り混じり、美しい晩秋の風景を演出しています。また、犀川中州にはヨシ(アシとも)の生育も見られます。

 時雨(しぐれ)とは、冬のはじめから中頃にかけて、降っていると思ったら、さっとあがり、これが断続し、時には降り続く雨のことです。向こう側は日がさしているのに、こちら側は降っていたり、なかなか情趣深い雨です。石川など北国に多く、また、京都にも多い雨ですが、昔から、朝、家を出る時、弁当忘れても傘忘れぬな!とよく言われています。

Images_7

Images1_16

犀川の上流の景色(河川敷、土手、遊歩道、上流のは若宮大橋、右岸の川べりには、枯れた褐色の葉と白い穂のオギの群生域、その近くの黄色域はセイタカアワダチソウの群生、また緑色域は、ツル植物、クズのマント群落となっています。左岸の背後の土手には、紅葉したの並木となっています、桜田、金沢、石川、2010年(平成22年)11月17日撮影)  

(解説) 一般に、ヨシ、オギ、ススキなどの野草は、全体の形がよく似た大型の多年草ですが、水分に対しての反応が異なり、シが最も水位の高い範囲に、オギはそれより上のやや湿った範囲に、ススキは乾いた範囲に群生していますので、これらの植生を通して土地の乾き具合を知ることができます。

 そして、広い河川敷の群落を高い所から眺めると、水ぎわから土手に向けて、ヨシ、オギ、ススキの順に、帯状にあるいはモザイク状に分布しているのが分かります。 オギは、穂がススキより遅く出て、長くて多く、大きく垂(た)れ、白銀色になびき、やや低地でばらばらに生育(1株ずつ離れ、株立ちしない!)しています。

 オギの大群落(オギは白い花の集団、花序(かじょ)が馬の尾に似る大形の草ですが、昔は木に思われ、尾木(おぎ)となり、のち荻(おぎ)になったという。

Images1_17

犀川の中流の景色右岸の川べりの緑色域は、ほとんど、クズのマント群落となっています。また褐色の葉と白い穂のオギの散生も見られます。左岸の向かいの土手の右側には、紅葉したの並木、河川敷には白い穂のオギの群生 が見られます。また、黄色域はセイタカアワダチソウの群生、緑色域は、クズのマント群落となっています。また、中州にはヨシアシとも)の生育も見られます、桜田、金沢、石川、2010年(平成22年)11月17日撮影)

Images2_13

犀川の下流の景色(下流のは示野中橋、右岸の川べりには、枯れた褐色の葉と白い穂のオギの群生、その近くの黄色域はセイタカアワダチソウの群生、また緑色域は、ツル植物、クズのマント群落となっています。左岸の土手には、紅葉したの並木が見られます。また褐色の葉と白い穂はオギの群生あるいは散生となっています、桜田、金沢、石川、2010年(平成22年)11月17日撮影)

 私は11月のはじめから中旬のころ、わが家(桜田、金沢)の近くを散策したとき、犀川の水辺(中州)、川岸の湿地にはヨシ(良し、葦、蘆、アシとも、イネ科ヨシ属)が、河川敷の湿った荒れ地から土手まではオギ(萩、イネ科ススキ属)の大群落が目立つようになっていました。

 また、土手の上の乾いた荒れ地では、ススキ(イネ科ススキ属、薄、芒、別名、尾花、茅)の散生が見られ、また、アメリカ産の帰化植物、セイタカアワダチソウ(背高泡立草、別名、背高秋の黄輪草)も、オギとススキの近くに群生しているのが目につきました。

 犀川べりと土手に見られるオギ、ススキ、セイタカアワダチソウ、クズなどの野草の植生は、自然を見るものさしとなり、自然界の植物遷移のありのままの姿であると思いました。

(参考文献) 樋口清之: 生活歳時記、三宝出版(1994); 日本自然保護協会編: 指標生物、自然をみるものさし、平凡社(1994); 高橋勝雄: 山渓名前図鑑、野草の名前、秋・冬、山と渓谷社(2003).

(追加説明) ○ オギ(萩)は、イネ科ススキ属の多年草で、日本各地に分布、沼や川のほとり、湿った荒地などに群生します。ススキの小穂には長い針のような毛、芒(のぎ)がありますが、オギには小穂が多数つき、芒(のぎ)がつきません。オギの小穂につく毛は小穂の3~4倍と長い。ススキの毛は小穂と同じくらいの長さです。したがって、オギの花の集団は白く光る毛で美しく見えます。ススキは大株立ちになりますが、オギは株立ちしせず、根茎が横に伸び、ばらばらに生え、高さ2mにもなります。ススキより穂が多く垂れています。古くから屋根葺き材として知られていた草です。

○ ススキ(尾花)は、イネ科ススキ属の多年草で、日本各地の乾いた草原、荒地、道端などに大株立ちして自生しています。ススキは茎の上部で多数の枝に分かれ、すき間なく小穂が密生しています。秋には、背丈が1~2mにも育ち、穂をつけ、中秋の名月に月見だんごと並んだ姿は秋を象徴しています。風になびく穂が、けものの尾に見えることから、あきの七草では、尾花と言われています。昔は、ススキを刈って屋根を葺き、かやぶきの屋根にしたので、ススキのことをカヤと呼ぶこともあります。

○ クズ(葛、葛葛、くずかずら、とも)は、マメ科クズ属の多年草で、日本各地に分布し、道端、草やぶ、川の土手など草や木がある日当たりのよいところなら、どこにでも生えます。葉の脇から伸びた花柄(かへい)に多数の花が房状につきます。花弁は濃赤紫色です。葉は3小葉で構成され、小葉の形は菱形か楕円形です。太い根からクズ粉が採れます。太いつるが10mほど伸びます

○ セイタカアワダチソウ(背高泡立草)は、キク科アキノキリンソウ属の多年草で、北米が原産地。明治時代に観賞用として導入。戦後、空き地や道路脇、土手などに急速に増殖しました。小さな黄色の花、頭花は、花びら状の舌状花(ぜつじょうか)と花の中心部の筒状花(とうじょうか)とで構成され、頭花の背後には、総包片(そうほうへん)があります。花の集合、花序(かじょ)は、針葉樹形で先が鋭く尖(とが)っています。長楕円形の葉は、茎に互生し、多数が密生しています。一般に、黄色い小さな花が泡立つように見えます

○ ヨシ、オギ、ススキなどの野草の河川岸辺、土手での生育は、土壌の地下水位の高低とつながりがあり、順に低くなっています。また、海に近い原野では、海水の影響もあり(?)、チガヤ(茅)草原がよく見られます。この種は、春から秋にかけて、白いふわっとした穂を一面になびかせています。その中の所々に、淡い黄褐色の穂のヤマアワの群落が混じるのを見ることがあります。そこでは、ヤマアワの生育地域の地下水位がチガヤの所より高いことが分かります。

 ススキは、土手の上の方の乾いた所で固まって生育(大株となり、株立ちする!)し、オギに比べて穂は少し短く、突っ立って(少し垂れて!)います。穂も白くなり、葉も枯れはてた冬のススキは、枯尾花(かれおばな)とも呼ばれています。ヨシは湿地に生え、ススキに似た淡紫色の多数の小穂の花が円錐状につきます。これらの野草は、昔から土の湿り気を知る指標植物として知られています。

 大正(1912~1926)の末期、「俺は河原の枯れすすき」という「船頭小唄」が流行しましたが、切々とした哀感のこもった名曲です。作詞・野口雨情、作曲・中山晋平。(生活歳時記、p.652、枯尾花(かれおばな)、より)

« 松葉ガニにまつわる歴史伝承、ズワイガニ(雄の松葉ガニと雌の香箱ガニ)の解禁、江戸時代、因幡鳥取藩主(鳥取)から美作津山藩主(岡山)へのお歳暮、松葉ガニ、とは(2010.11.6) | トップページ | 紅葉の季節(2010年11月中旬)、金沢幹線道路(桜田、金沢)沿いのヤマボウシ(山法師)の風景(2010.11.13) »

● かなざわ(四季折々、犀川、桜田、金沢市、石川県)」カテゴリの記事

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー

フォト

アクセス解析

無料ブログはココログ