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2010年11月 6日 (土)

松葉ガニにまつわる歴史伝承、ズワイガニ(雄の松葉ガニと雌の香箱ガニ)の解禁、江戸時代、因幡鳥取藩主(鳥取)から美作津山藩主(岡山)へのお歳暮、松葉ガニ、とは(2010.11.6)

  日本海の冬の味覚の代表、松葉ガニ(ズワイガニの雄)の解禁日は、立冬(りっとう、11月7日)の前日、6日となっています。普通、水深200~400mに生息し、底引き網(沖合底びき網漁)で漁獲されます。冬の数ある漁獲物の中で花形と言っても良いものです。深海にすむため、本格的な漁は大正時代(1912~1926)頃から始まったという。

松葉ガニ(ズワイガニの雄、市場魚介類の図鑑、株式会社アーズ、google画像) ズワイガニ(雄、市場魚介類図鑑、株式会社アーズ):http://www.zukan-bouz.com/kani/kumoganika/zuwaigani.html. 

(解説) ズワイガニの雄(おす)は、山陰地方(島根県、鳥取県、兵庫県の香住、柴山)では松葉ガニ、福井県では越前ガニ、そして石川県では加能ガニと呼んでいます。これに対して、ズワイガニの雌(めす)は、石川県ではコウバコガニ(香箱ガニ、甲箱ガニとも)、福井県ではセイコガニと呼んで区別しています。このコウバコガニの甲羅の中の赤い塊(未成熟卵)を内子、腹に抱く成熟卵を外子という。

 ズワイガニは、甲殻類クモガニ科、雄は甲長12cm、甲幅13cm、脚を拡げると70cmにもなり、脚は長くて丈夫です。一方、雌は雄の1/3以下の大きさです。甲形は丸みのある三角形、甲はあまり堅くなく、表面に疣(ぼい)状突起があり、体色は薄い茶褐色です。寒海の食用ガニで、北米、アラスカ、アリューシャン(アレウトとも)諸島から日本海に分布し、一般に、70~300mの海底にすんでいます。カニ刺網、機船底引網で漁獲され、富山、石川、福井、兵庫、鳥取、島根などが主産地です。ズワイガニの刺身、茹(ゆ)ガニ、鍋物、コウバコの卵の煮付けも美味なもので、旬(しゅん)は冬期です。

 ズワイガニ美味、この旨味(うまみ)の本体は、核酸関連物質である5`ーイノシン酸、アミノ酸のグリシン、アラニン、アルギニン、グルタミン酸などです。これらの成分が適当な割合で混ざり合うことにより、ズワイガニの旨味を引き立てているという。なお、5`ーイノシン酸は、鰹節(かつおぶし)の旨味成分としても知られています。

 ズワイガニ甲羅は、「甲羅蒸し」の容器として利用されています。カニの甲羅は、クチクラと呼ばれるもので、堅くて消化できません。しかし、これをアルカリ処理するとキチンが得られレ、さらに脱アセチル化によりキトサンが得られます。キトサンは、グルコサミンの重合体であり、バイオポリマーとして、外科手術の際の縫い糸などにも利用されています。 

○ 松葉ガニのお歳暮。(因幡鳥取(第6代)藩主、池田治道(鳥取)から美作津山(第5代)藩主、松平康哉(岡山)へ、江戸中期、1782年(天明2年)12月5日、朝日新聞、2010年(平成22年)1月21日(木)、朝刊より)

(解説) 江戸時代の中頃、松葉ガニが高級な「お歳暮」として贈られていたことが、鳥取県博物館(鳥取市)の調査で分かりました。1782年(天明2年)、鳥取藩の記録係にあたる「御右筆(ごゆうひつ)」の山田左平太が、仕事用に書き留めていたメモの贈答品記録に、「12月5日、 津山 越後守様 鱈(たら)弐本 松葉蟹(かに)五枚ーーー」、と書かれていました。因幡鳥取(第6代)藩主、池田治道(いけだはるみち、1768~1798、鳥取)が松葉ガニやタラといった地元食材を年末の贈り物として、美作津山(第5代)藩主、松平康哉(まつだいらやすちか、1752~1794、岡山)に贈ったときの記録です。当時の大名は、地元産品を贈りあって交流を深めていたという

 私は、金沢の中心街、武蔵の近江町市場(青草町、金沢市)、金沢港のいきいき魚市(無量寺町、金沢市)で、11月6日の解禁日の頃、しばしば松葉ガニの旬(しゅん)のものを買い求めました。白浜(和歌山)の親戚(河畑家)から和歌山産のミカン、南高梅などが贈られてきますので、金沢産の和菓子、旬の松葉ガニなど贈らせていただきました。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 石川化学教育研究会編: 科学風土記ー加賀・能登のサイエンス-、p.66~67、板垣英治、ズワイガニとコウバコガニ、裳華房(1997).

(参考資料) ズワイガニ(北陸の魚介類、自然人 net、金沢): http://hokuriku.biz/fishes/%E3%82%BA%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%8B.html

近江町市場(ホームページ、青草町、金沢市):  http://ohmicho-ichiba.com/金沢港いきいき魚市(ホームページ、無量寺町、金沢市): http://www.ikiiki.or.jp/

香住観光協会(ホームページ、香住、香美町、兵庫): http://kasumi-kanko.com/

 私は、香住の親戚(川端家)の旅荘、佐小(下浜、香住)を何度か訪れ、カニすき料理など堪能させていただいたことがあります。

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