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2010年12月 6日 (月)

冬を迎える風物詩、兼六園の雪吊り(ゆきづり)、武家屋敷の土塀の薦掛け(こもかけ)、とは(2010.12.6)

  北海道、東北をはじめ、日本海側の新潟、北陸、山陰地方では、降雪量が非常に多く、積雪、寒風害から庭木を守るため、雪吊りやその他の雪除け作業を行なっています。

 特に、北陸の雪水分を多く含み、大粒で軟らかく、重い雪(淡雪、牡丹雪)なので、樹木の葉の上に積もりやすく、枝折れの害を起こしやすい。が、気温の急激な低下による寒気の害や霜の害は極めて少ないという。そのため、冬の樹木の枝に雪を積もらせないよう、樹木の枝を支柱を使って縄で吊り上げます。その時、縄の吊り方や張り方に細心の注意を払っています。

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兼六園雪吊り唐崎、霞が池のそば、加賀(13代)藩主・前田斉泰(まえだなりやす、1811~1884)が近江八景の一つである琵琶湖畔(大津、滋賀)の唐崎の松から種子を取り寄せて育てたクロマツ(黒松)のリンゴ吊り、金沢、石川、google 画像)  雪吊りの風景は、1967年(昭和42年)1月25日売り出しの郵便切手の図柄にも採用されました。巨大な円錐状の幾何学模様が大空に浮かぶ兼六園の冬を代表する景観です。

(解説) 兼六園には名木や枯木が多く、これらの樹々を倒木や枝折れから守るため、できる限り自然の形で育つようにと雪吊りが考え出されました。雪吊りは、おもにマツ類(アカマツ、クロマツ)のほか、ツツジなどに施されます。江戸時代のはじめ、1663年(寛文3年)の加賀藩史料に、竹木の「雪折、風折、立枯、念を入相改。附、雪前無滞竹巻せ可申事」(改作方勤仕帳)とあります。

 兼六園では、毎年11月初旬から1ヶ月余かけ、雪吊りの作業を行います。その代表的なものは、「りんご吊り」と名づけられている手法です。樹木ごとに芯柱(しんばしら、アスナロ、真竹など)が立てられ、百数十本から多いもので260本に及ぶ縄が樹木を囲むように張られます。りんご吊りのほか、幹吊り(樹木の幹から縄を張る)、竹又吊り(三つ叉、四つ又吊りとも、竹を立てて縄を張る)、しぼり(低木の枝を全て上に集め、縄で下から巻き上げて結ぶ)などがあります。

 りんご吊りの名称は、1875年(明治8年)、西洋リンゴが日本に入り、20年ほどでたわわな実をつけ、その重さから枝折れを防ぐために木の中心柱を立て縄で枝を吊り上げたそうですが、この方法を雪国の植木職人が雪吊りに採用したものだという。ということで、りんご吊りは、明治の終わり頃にはじめられたと言われています。加賀(石川)の植木職人は「りんご吊り」を「芯立て」と呼んでいます。

 雪吊りは、兼六園だけでなく、観光地、公共的な敷地をはじめ、一般住宅の庭木にも行われており、人々の生活の一部となっています。そして、3月中旬から彼岸にかけて取り外しの作業が始まり、本格的な春を迎えることになります。

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薦掛け(こもかけ、金沢中心街の片町、香林坊近く、武家屋敷の土塀、長町、金沢、石川、google画像)

(解説) 薦掛け(こもかけ)は、雪や雨から土塀(どべい)がはがれ落ちることや、内部に含まれる水分の氷結によるひび割れを防ぐために、藁(ワラ)と縄(ナワ)できめ細かく編まれた薦(コモ)を土塀の屋根下に下げていく作業です。

 薦(こも)は高さ95㎝、幅がそれぞれの土塀に合わせて1~4mほどで、下部には揺れ動かないように、竹の棒を通しますが、薦にくくりつける際に、縄を「男結び」という技で結ぶという。江戸時代から続く冬の風物詩という。

 また、風除け(かざよけ)は、西の季節風の強い日本海沿岸地方に多く、家の北側に板や蘆(ヨシ)、荻(オギ)、芒(ススキ)、藁(ワラ)などで塀(へい)ほどの高い囲みをします。大規模なものもあれば、簡単で粗末なものもあります。風除の準備が終わると、やがて、北国は厳しい冬を迎えることになります。

 仲冬(ちゅうとう)は、大雪(たいせつ、12月7日か8日頃)から小寒(しょうかん)前日(1月4日)までをいいいます。その頃には、山の峰々は積雪に覆われ、平地も北風が吹きすさんで、冬将軍がいよいよ到来したのかと感じられるようになります。 

(参考文献) 樋口清之: 生活歳時記、三宝出版(1994); 株式会社橋本確文堂企画出版室編: 特別名勝兼六園ーその歴史と文化ー、p.236~244、雪吊り、橋本確文堂(1997).

(参考資料) 兼六園の雪吊り(金沢、google画像): http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&q=%E5%85%BC%E5%85%AD%E5%9C%92%E3%80%80%E9%9B%AA%E5%90%8A%E3%82%8A&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=Lnz7TNy-IILprAf05KGVCA&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=2&ved=0CCwQsAQwAQ&biw=1004&bih=581

武家屋敷の薦掛け(金沢、google画像): http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&q=%E6%AD%A6%E5%AE%B6%E5%B1%8B%E6%95%B7%E3%80%80%E9%87%91%E6%B2%A2%E3%80%80%E8%96%A6%E6%8E%9B%E3%81%91&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=wi&biw=1004&bih=581

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