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2011年1月 4日 (火)

日本海の冬の風物詩・波の花、能登半島の岩場で見られる白い泡の波、主成分の植物性プランクトンの粘液と塩害、とは(2011.1.4)

   能登半島(石川)の外浦海岸(曾々木、輪島)では、日本付近の等圧線がほぼ南北にのびて縦縞模様(西高東低の冬型の気圧配置)となると、シベリアからの強い季節風が吹き、大波が岩にぶつかり、海中のプランクトンの粘液が、しけの波にもまれ、白い泡(あわ)状になり、それが風にあおられ空中に舞い上がる波の花(なみのはな、波の華とも)が現(あらわ)れるようになります。

 波の花(泡状になった波)は、日本海側の島根(御津岩礁、鹿島)以北、石川(曾々木、輪島)、新潟(荒浜、柏崎)、秋田(大須郷、象潟)のほか、北海道(大町、留萌)で、冬に海が季節風で大荒れになった時、海水がぶち当たった岩場近くの海岸でよく見られます。

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波の花曽々木海岸能登半島、2010年11月12日(金)、林清一氏撮影、北陸中日新聞、google画像、曾々木、町野町、輪島市、石川) 背後に奇岩の窓岩があり、板状の岩の真ん中に直径2mほどの穴が開いています。この近くでは、海岸から吹きつける強風で、垂水の滝(たるみのたき)が上空に向けて吹き上がる、逆さ滝(さかさだき)の現象も見られます。

(解説) 波の花は、波の高さは4メートル以上、気温が4℃以下の低温で、風速が7m/秒を超えるほど強くないとできないという。 また、波の花は、特に海水に植物性プランクトン(ケイ藻類など)や海藻くずなどが多く混じり合っている入り江のようなところ、また引き潮がよどんでいる岩場にできやすいという。厳寒の荒波にもまれて海中に浮遊する植物性プランクトン粘液は、海水の粘りを高め、海水の表面をおおって表面張力を減らし、泡ができやすく、また丈夫な薄膜をつくり、泡を消しにくくします。そのシャボン玉のような白い泡には、塩分が含まれています。

 粘液物質は、一般に、生物体の体表や体内に生成し、ムチン粘質)と総称され、ぬるぬるしていて、糖タンパク質のほか、ペクチン酸など、高分子化合物を含み、体部を保護、潤滑、清掃などの働きをしているという。これらの物質は、分子中に親水基と疎水基(親油基)を含み、起泡剤(きほうざい)と同じ作用をします。また、塩分は、海水の主成分、塩化ナトリウム(食塩)のほか、塩化マグネシウムなど(水の活量を小さくし、泡をできやすくする?)含んでいると思います。

 波の花は、観光客にとってはもの珍しく、海の岩場で乱舞する風景を楽しませてくれます。が、その土地の人にとっては、迷惑なものの一つとなっているという。というのは、波の花は、風にあおられて1kmも飛び散ることもあり、塩分が含まれているので、送電線や通信線に付着して金属をさびさせたり、樹木や農作物にも付着し、それらを枯らしてしまう塩害があるという。そのため、海岸で生活する人々は、風除けなど、厳しい季節風ばかりでなく、波の花の害からも身を守っています。

(参考文献)下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出: 広辞苑、岩波書店(1991); 石川化学教育研究会編: 科学風土記ー加賀・能登のサイエンス-、p.143~144、日吉芳朗、波の華、裳華房(1997).

(参考資料) 能登半島で冬に観察できる波の花(科学的な成因と調査について、質問と回答、岐阜図書館、岐阜):http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000054183

波の花能登半島、google動画): http://www.google.co.jp/search?q=%E6%B3%A2%E3%81%AE%E8%8A%B1+%E3%80%80%E8%83%BD%E7%99%BB%E5%8D%8A%E5%B3%B6&hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&prmd=iv&source=univ&tbs=vid:1&tbo=u&ei=uLAETa-dNsbirAeVo6iRDw&sa=X&oi=video_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CCkQqwQwAA

(追加説明) 石川県輪島市町野町の曽々木海岸で、2016年11月1日(火)、能登の冬の風物詩「波の花」が宙を舞いました。金沢気象台によると、輪島上空は寒気をを伴った気圧の谷が通過した影響で、午前10時4分、最大瞬間風速23.0mを観測、奥能登の外浦の海が荒れました。昨年は11月中旬に現れたが、今年は少し早く、冬が少しずつ近づいてきているようです。

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強い風が吹き岩場に舞う波の花、石川県輪島市町野町曽々木(北陸中日新聞)2016.11.1

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