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2011年6月 6日 (月)

草木名と諺、風習、マツ(松)、タケ(竹)、ウメ(梅)、カシワ(柏)、キリ(桐)、ヤナギ(柳)、クスノキ(楠)、サクラ(桜)、ツツジ(躑躅)、クリ(栗)、カキ(柿)、とは(2011.6.6)

   草木名は、古代の人々の信仰生活様式と深く結びついているものが少なくないという。 そこで、身近な草木由来(ゆらい)、(ことわざ)と風習(ふうしゅう)などついて、改めて調べて見ました。

○ 松竹梅

 松竹梅(しょうちくばい、)は、三つとも寒に堪(た)えるので、中国では歳寒の三友(さいかんのさんゆう、冬の寒い季節に友とすべき三つのもの)と呼んで、画の題材とされました。わが国では、めでたいものとして慶事(けいじ)に用いられます。

 マツ)は、真(マ)と霊(チ)の木、の約転(やくてん、語中の連続する2音節において、母音や音節の脱落や母音変化によって別音となること、「ござらせる」が「ござっしゃる」となる)で、古くはマトともマツとも言いました。

 一説に、神がその木に天降ることをマツ(待つ)意味です(門松!)。また一説に、葉が二股(ふたまた)に分かれるところからマタ(股)の転化(てんか)とも言われています。 松の事は松に習え、竹の事は竹に習えは、三冊子(さんぞうし、俳諧論書、3冊、服部土芳(1657~1730)著、1702年成立、1776年刊)に見える松尾芭蕉(1644~1694)の言葉。私意を離れ対象と一体化することに風雅(俳句、俳文、おどけ、たわむれ、滑稽など)のまことがあるという教えです。

 タケ(竹)は、長(タ)け生(は)える意味です。竹八月に木六月は、は陰暦八月(葉月、はづき、八月)に、は陰暦六月(水無月、みなづき、六月)に伐採するのが最もよいという意味です。竹を割ったようとは、竹がまっすぐにすぱっと割れるところから、さっぱりとした性質のたとえです。邪悪な心や曲ったところのない気性をいう。江戸時代、門松が登場、竹の生命が非常に長いことから、これに永久普遍の長寿を託したという。

 ウメ(梅)は、薬用の烏梅(ウバイ)の転じたものです。一説にはウは接頭語で、メは梅の韓音マイが転じたものとも言われています。梅の花をかたどった紋所梅鉢、裏梅など種々あり、梅鉢(うめばち)は加賀100万石前田藩の紋所の名です。

 梅と桜とは、美しい物、また、よい物の並んでいるたとえです。梅に鶯は、とりあわせのよいことのたとえです。梅は食うとも核(さね)食うな、中に天神寝てござるとは、生梅の核(さね、種の中心部、仁、じん)に毒(アミグダリン、青酸配糖体)のあることを戒めた句です。

○ 端午の節句

 カシワ(柏)は、炊事に使う木の意味で、炊(カシ)箸(ハ)からきたとも、また堅(カシ)葉(ハ)木の略とも言われています。多くのカシワの葉を使う、食物や酒を盛った木の葉、また食器の意味です。柏餅(かしわもち)は、円形扁平状(えんけいへんぺいじょう)のしんこ餅を二つに折り、中に餡(あん)を入れて、カシワの葉で包んだもので、端午の節句(たんごのせっく、五月五日の節句)の供物(くもつ、ぐもつとも、そなえもの)とします。

○ 皇室の紋章

 キク(菊)は、重陽(ちょうよう、奇数の陽数、九が二つ重なる、クク、に由来します。 紋所と模様の名で、皇室の紋章(一六の重弁)、宮家共通の裏菊、ほかに菊水、乱菊などがあります。

 キリ(桐)は、伐(カ)るの名詞形です。これは、キリが伐(き)りこめば伐(き)りこむほど育つことを意味します。桐の薹(と)は、桐の花や葉にかたどった紋所の名で、とともに皇室の紋章ともされ、神紋にも用います。五三の桐、五七の桐、唐桐など種々、その変形も多いです。 皇室の紋章(こうしつのもんしょう、菊紋、桐紋、名字と家紋、google画像): http://www.harimaya.com/kamon/column/kiku.html. 

○ 柳に風、柳に雪折れ無し、柳は緑花は紅

 ヤナギ(柳)は、矢の木の転化(てんか)で、古代人はこの木のまっすぐな枝をそのまま矢に使ったからだとされています。また、楊之木(カワヤナギ)の意味とも言われています。柳に風と受け流す(柳に風、柳に受けるともとは、少しも逆(さか)らわずに巧みに受け流すことです。柳に雪折れ無しとは、柔軟なものは堅剛なものよりもかえってよく事に堪えることのたとえです。柳は緑(みどり)花は紅(くれない)とは、自然のままで少しも人工の加わらないさまです。また、物事に自然の理が備わっていることのたとえです。禅宗では、悟りの心境をいい表す句です。

○ 楠学問

 クスノキ(楠)は、薬(クス)の木、または、奇(クス)しき木、に由来します。クスは臭しと同源とも言われています。楠は南国から渡来した木の意味です。楠学問(くすのきがくもん)とは、クスノキが生長は遅いが大木になるように、ゆっくりではあるが学問を大成させた人のことです。一方、梅の木学問(うめのきがくもん)とは、梅の木が生長は速いが大木にならないように、進み方は速いが学問を大成させないままで終わる人のことです。

○ 日本の国花

 サクラ(桜)は開(サク)に接尾語、ラがついたものです。咲麗(サキウラ)の略とも言われています。古来、花王と称せられ、わが国花として、古くは花といえばサクラを指しました。芝居で、役者に声を掛けるよう頼まれた無料の見物人のことです。転じて、露天商などで、業者と通牒(つうちょう)し、客のふりをして他の客の購買心をそそる、まわし者の意味があります。

 ツツジ(躑躅)は、花が全開せずに筒(ツツ)の状(ジ、じょうたい)の意味です。世界のほぼ全域にわたり50属約1500種あり、春から夏にかけ、赤・白・紫・橙色などの大形の合弁花(ごうべんか、花弁の一部分または全部が合着(ごうちゃく、くっついて一つになること)している花冠、多くは管状、漏斗状、鐘状、ツツジ、キキョウ、アサガオ、キクなど)を単独形、または散形花序(かじょ、主軸の先端から多数の花柄が散出して、傘骨状に拡がって咲く花、ニンジン、ウド、サクラソウなど)に開きます。

 桃栗三年柿八年 

 モモ(桃)は、一つの木にたくさんの実がなる(もも)、赤い実の燃え実がなまってモモ、真実(まみ)が転化(てんか)などの諸説があります。原産は中国、古くからわが国各地で栽培、邪気(じゃき、病気などを起こす悪い気、もののけ)を払う力があるとされました。仁、葉は薬用となります。紋所の名で、桃にかたどったものもあります。桃栗三年柿八年(ももくりさんねん かきはちねん)は、芽生えの時から、桃と栗とは三年、柿は八年たてば実を結ぶの意味です。

 クリ(栗)は、クリの実がクルクルころがることからきた言われています。また木の皮が黒灰色のため、黯(クリ)の意味とも言われています。万葉集(まんようしゅう、山上憶良(660~733?)歌、巻第五)、(うり)はめば 子ども思ほゆ (くり)はめば まして偲(しぬ、しのぶ)はゆ ーーー。

 カキ(柿)は、真っ赤(まっか)な実がなることから赫実木(カムキ)といい、この中一字、ム、が脱落したものです。赤木(アカキ)の上一字、ア、また柿色(カキイロ)を略したものとも言われています。柿衣(かきそ)は、渋染めの柿色の布子(ぬのこ)、木綿の綿入れ、古くは麻布の袷(あわせ)または綿入れで、江戸時代、酒屋の奉公人の仕事着に使われました。

(参考文献) 新村出: 広辞苑、岩波書店(1991); 樋口清之(監修); 生活歳時記、p.241、語源の話、植物篇、三宝社(1994).

(参考資料) 草木名のはなし(和泉晃一): http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/sub8.html

日本家紋研究会(関西支部): http://kamon.main.jp/index.htm

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