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2011年7月18日 (月)

犀川(金沢)のアユ(鮎)つり、加賀竿(かがさお)と加賀毛針(かがけばり)によるアユ(鮎)つり、とは(2011.7.18)

   犀川(さいがわ、金沢)のアユ(鮎)解禁日は、毎年6月16日となっています。江戸時代、100万石の加賀前田藩主は、外様大名のため、表だって武芸を磨(みが)けば幕府から謀反(むほん)の疑いを持たれるので、武士の足腰を鍛える訓練として、竹の加賀竿(かがさお)と擬似餌(ぎじえ、疑似餌とも)の加賀毛針(かがけばり)によるアユ釣(鮎つり)を奨励したと言われています。 

 アユ(鮎)は、代表的な川釣魚で、一般に友釣(ともづり、アユかけばりをつけた糸に生きたアユをおとりとしてつないで水中に放し、攻撃に来た他のアユを針にかけて釣る)、どぶ釣(川のどぶで擬餌針で釣る)、ころがし(転がし、おもりをつけた糸に多くの釣針を仕掛け、瀬をころがすように移動させて、回転する針でアユをひっかける)、鵜飼(うかい、夏、かがり火をたいてアユなどを寄せ、飼い馴らした鵜を使ってアユをとる)、(やな、木を打ち並べて水を堰(せ)き一ヶ所に流すようにし、そこに流れてくるアユを梁簀(やなす)に落とし入れてとる)などの捕(と)り方があります。

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犀川のアユ釣(鮎つり、江戸時代、毛針箱から毛針を選ぶ武士、金沢城下図屏風、google画像)

(解説) 加賀藩では、加賀竿(かがさお)と加賀毛針(かがけばり)によるアユ釣(鮎つり)を武士の心身鍛練として奨励していたという。武士の釣人の格好は、帯刀はもちろん菅笠をかむり陣羽織に似た殺生羽織でした。大きな石が転がった川辺を歩くことは足腰を鍛え、竹の竿(さお)さばきは、剣術の間合いにも通じ、隠れた武芸の鍛練となったともいわれます。 加賀竿(かがさお、伝統工芸、石川新情報書府、金沢):http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/jouka/japanese/1600/index.html. 

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加賀毛針(かがけばり、目細八郎兵衛商店、安江町、金沢、google画像)

(解説) 加賀毛針(かがけばり)は、長さ1cmほどの釣針に、赤や黄など色とりどりの羽根を巻き付け、その針を覆(おお)うように6本の蓑毛(みのげ)をつけます。最後に針の根元に、漆(しつ)に鉄粉をまぶして丸め、金箔(きんぱく)をかぶせた「玉」をつけると、完成します。  加賀毛針(目細八郎兵江衛商店、金沢):http://www.meboso.co.jp/contz/pages/kebari.shtml

 毛針(けばり、毛鉤とも)は擬餌針(ぎじばり)の一つで、羽毛などを巻きつけた釣針(つりばり)です。蚊針(かばり)とも呼ばれ、羽毛などで蚊(か)の形に作った擬餌針(ぎじばり)です。アユ、イワナ、ヤマメ、ハヤなどを釣るのに用います。蚊頭(かがしら)、蠅頭(はえがしら)ともいう。

 江戸時代、加賀藩では武士だけがアユ釣(鮎つり)できる特権を持っていました。明治時代、庶民にもアユ釣(鮎つり)が開放され、専業の毛針屋も現れました。1890年(明治23年)、加賀だけで使われていた毛針が、全国の名産品を東京に集めた内国勤業博覧会に出品され、その美しさから高い評価を受け、愛好者が関東や東北に広がりました。 加賀毛針(伝統工芸、石川新情報書府、金沢): http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/jouka/japanese/1700/index.html

 加賀毛針の老舗(しにせ)、目細八郎兵衛商店は、創業が1575年(天正3年)と古く、もともとは、優れた縫(ぬ)い針の製造で名を上げ、加賀藩主から「めぼそ」の名をもらったという。20代目当主の目細勇治社長(42)は、「美しさと、よく釣れること。両方を兼ね備えてこそ、加賀毛針なんです」と語っています。例えば、毛針の種類は600種以上、キジ、ヤマドリ、クジャクなど様々な鳥の羽根を伝統的に使い、川の水が濁ると、赤っぽい色の毛針、稚魚が小さい解禁当初のときは赤(水生昆虫?)、大きくなってくると黄(珪藻?)や黒(他のアユ?)がよく釣れるという。

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犀川のアユ釣(鮎つり、桜田、金沢、2011年6月22日撮影) 

 近年、犀川の毛針釣に適した場所は、8ヶ所ほどと言われ、アユの遊漁者数は約1500人、解禁日の巡回報告では釣人数は約430人で、友釣も人気があります。毛針釣は、餌(えさ)を深く食い込ませるのでなくパッと飛びついてきた瞬間に針に引っかけて釣るのですが、かかったアユに逃げられることも少なくないという。

(参考文献) 下中邦彦: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出: 広辞苑、岩波書店(1991); 中澤隆二: 平成18年度石川の博士養成講座(生涯学習)、専修コース(自然)、犀川と鮎、p.64~66(2006); 朝日新聞: 百年企業@北陸、加賀毛針を作り続ける目細八郎兵衛商店(金沢市)、精巧のの技 美と実用共存、2011年(平成23年)1月27日(木)、朝刊より.

(参考資料) 犀川のアユ(鮎)(犀川、金沢、google動画検索): http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&q=%e7%8a%80%e5%b7%9d%e3%81%ae%e9%ae%8e#hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&q=%E7%8A%80%E5%B7%9D%E3%81%AE%E9%AE%8E&um=1&ie=UTF-8&tbo=u&tbm=vid&source=og&sa=N&tab=wv&bav=on.2,or.r_gc.r_pw.&fp=7069075daf83de7c&biw=1024&bih=552

伝統工芸36種加賀竿、加賀毛針含む、石川県立伝統工芸館、金沢、石川): http://www.ishikawa-densankan.jp/craft/index.html

(追加説明) ○ アユ(アユ科の硬骨魚、鮎、香魚、年魚、あいとも)は、体長約30cm、日本(北海道南部)から台湾、中国大陸、朝鮮に分布、背部はオリーブ色、9月から12月に中、下流の川底に産卵する。産卵後の親は死に、ふ化した稚魚は海に下り、プランクトンを食べて越冬します。翌春、3月から5月に川を上ります。その後、珪藻(けいそう)を食べ、肉に香気があります。寿命は普通一年なので年魚の字を当てるが、越年鮎も知られています。

 アユ稚魚は、海で主としてプランクトンを食べて大きくなり、初春(2月初旬から中旬)体長4cmぐらい(シラスアユとも)になると河口に群がり水生昆虫を捕食しながら川を遡上(そじょう)しはじめます。稚魚(12cm、コアユとも)は成長するにつれて、飼料は動物質(水生昆虫!)から植物質(珪藻、藍藻!)のものに変わり、特に川底の石に付着した珪藻、藍藻類を食べながら、さらに上流に遡上(そじょう)しながら成長します。

 また、天然アユ放流アユは稚魚のときは共に群れて行動します。が、成長するにつれ単独行動が強くなり、一般に放流アユの方が天然アユよりも闘争性が早く現れます。アユは、水のきれいな珪藻類の付着した礫石の多いところを中心に約50cm程度の生活圏(縄張り!)を守りながら適当な場所に移っていきます。ということで、アユの好む川の珪藻の付着した底石とアユの通り道を探し求めることがアユ釣の最も大切なことです。

○ 釣竿(つりざお)は、魚釣に用いる竹などの竿(さお)で、延竿(のべざお、1本の適当な長さの釣竿)と継竿(つぎざお、数本を継ぎ合わせて用いる釣竿)とがあります。 竿は竹製のほか、スチール製、最近ではグラスファイバー製が多いようです。

 釣糸(つりいと)は、釣針をつけ、魚を釣るのに用いる糸で、テグス(天蚕糸、楓蚕、樟蚕の幼虫の体内から絹糸せんを取り出し、酸と食塩水とに浸し、引き伸ばして精製した白色透明の糸)、人造デグス(ナイロン)、絹渋糸(きぬしぶいと)、麻(あさ)糸などを用います。

○ 釣針(つりばり)は、魚をつるためのはりで、普通は「し」の字形をしています。古くは動物の角や骨で作られました。現在のものは多くは鋼製で、黄銅製もあり、丸型、角型、そで型が基本で、一般に、先端近くに、かかった魚が抜けないようにしたもどしの部分があります。擬餌針(ぎじばり)は、生餌に似せて鳥の羽毛(毛針)、魚皮、ゴム、プラスチック等をつけたものです。

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