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2011年7月 2日 (土)

雑節(ざつせつ)、半夏生(はんげしょう、2011年7月2日、半夏が生える頃)、半夏(はんげ、ドクダミ科、ハンゲショウ)、大祓(おおはらえ、6月30日、夏越の大祓、茅の輪祭)、とは

   雑節(ざつせつ)とは、1年間の季節の移り変わりをつかむために、補助的な意味の特別な暦日として、24節気、5節句のほかに、節分、初午(はつうま、稲荷社の祭り)、土用、盂蘭盆会(うらぼんえ)、彼岸、社日(しゃにち、土の神の祭り)、八十八夜、入梅、半夏生(はんげしょう)、三伏(さんぷく、全てによくない日)、中元、二百十日、二百二十日、酉の日(とりのひ、おおとり明神の祭り)、大祓(おおはらえ)などを設けたものです。 

 これは、主として生産生活や自然生活に照らし合わせてつくられており、特に農事と深い関係を持っています。そして、古くから庶民の生活に溶け込んで、年中行事、民俗行事となっているものも多いようです。

○ 半夏生(はんげしょう、72侯の一つ、雑節の中にも数えられる)

 半夏生は、夏至(げし)から11日目に当る日、太陽暦では7月2日頃で、この日までに田植は終わり、梅雨はこの時から明けるとされています。このとき、天から毒気が降りるとか、地が陰毒を含んで毒草を生じるなどの言い伝えがあり、野菜を食べること、竹林に入ること、種をまくことを忌(い)む風習がありました。

 この頃に、半夏(はんげ、ハンゲショウ、ドクダミ科)という多年性植物(毒草)が湿地に生え、小さな花を咲かせます。その花の近くの葉が白く変化する(化粧する!)ので、ハンゲショウ(半夏生、半化粧とも)と呼ばれています。この白く色変わりした葉は、花が終わった頃に、再び緑色になります

○ ハンゲショウ(半夏生、半化粧、カタシログサ(片白草)とも)

Hangesyo1_2

ハンゲショウ(半夏生、金沢城公園、金沢、石川、google画像) ハンゲショウ(兼六園花便り、2011年7月2日、城森順子さん撮影、いいねっと金沢、金沢):http://www4.city.kanazawa.lg.jp/11003/kenhana/H23/hana805.html

(解説) ハンゲショウは、ドクダミ科ハンゲショウ属の多年草で、本州、四国、九州、沖縄に分布、水辺や湿地など湿った場所に生えます。高さは約60cm~1m、葉は互生(ごせい)し、卵形に近いハート形をしています。夏、茎の上部に白色の葉を生じ、その脇から、長さ10~15cmのひも状の花穂(かすい)を垂(た)らしています。

 この花は小さく、余りにも地味なので、昆虫を誘うことができない。そこで、花に近い葉の半分ほどを白変(半化粧!)させて昆虫たちを引き寄せようとしました。昆虫に目立たない花の花粉の受け渡しをさせるために、花の近くの葉が白色になるという。というのは、白く色変わりした葉は、花が終わった頃に、再び緑色になるからです

 また、漢方薬半夏(はんげ)は、カラスビシャク(サトイモ科、ハンゲ属)の多年草で、その根茎の外皮を除いて水洗し乾燥したもので、無臭で強いえぐみ(あくが強くて、舌に不快を感じる味)があります。鎮吐(ちんと)作用があり、胃内停水(いないていすい、胃の中に過剰の体液が貯留した状態)、悪阻(おそ、つわり)、急性胃炎、神経性嘔吐(おうと)に用いるという。 カラスビシャク(烏柄杓、山野草・高山植物、Atsushi Yamamoto): http://www.hana300.com/karabi.html

 大祓(おおはらえ、夏越の大祓、茅の輪祭)

 古来、6月と12月の晦日(つごもり、30日と31日)に、宮中で万民の罪と穢(けが)れを祓(はら)った神事で、現在も宮中はじめ全国各地の神社で行われています。

H201107011031_2

夏越の大祓(なごしのおおはらえ、身をはらい清め、無病息災を祈り、茅(ち)の輪をくぐる参拝客、兼六園近くの石浦神社、金沢、google画像) 茅の輪くぐり(ちのわくぐり、石浦神社、金沢、北国新聞): http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20110701103.htm

(解説) 大祓(おおはらえ)は、6月と12月末日に行われる祓(はらい)の行事です。人々の犯した罪や穢(けが)れを、除き去るために行われる祓(はらい)で、6月の祓(はらい)を夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)、12月のそれを年越(としこし)の大祓(おおはらえ)という。6月の大祓の詞(おおはらえのことば)は、「水無月(みなづき)の夏越の祓(なごしのはらえ)する人は千歳(ちとせ)の齢(よわい)(の)ぶというなり」(平安時代、延喜式、えんぎしき、第八巻より)

 夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)では、氏子が神社の社前で茅(ち)の輪をくぐって穢(けが)れを払い、無病息災を祈る、茅の輪(ちのわ、チガヤで作られた大きな輪)くぐりの行事が行われます。

 私の郷里(引野、上板、德島)では、戦後、6番さん(安楽寺)の近くの熊野神社では、茅の輪くぐり(ちのわくぐり)を輪抜け(わぬけ)と呼び、そのお祭りでは露天商とお参りの人々で賑(にぎ)わっていたことを覚えています。

(参考文献) 下中邦彦: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記、p.379、半夏生、p.797、大祓、p.861、雑節、 三宝出版(1994); 高橋勝雄(写真、解説): 野草の名前、夏、p.257、ハンゲショウ、山と渓谷社(2003).

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