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2011年8月24日 (水)

回文(かいぶん、言葉遊び)、上から読んでも下から読んでも同音(和歌、俳句、和文、英文)、七福神宝船(初夢)と回文歌(ながきよの とをのねぶりの)、とは(2011.8.24)

   言葉遊びの一つ、回文(かいぶん)とは、上から読んでも下から読んでも同じ文章です。 日本には、昔から、「竹藪焼けた(たけやぶやけた)、竹屋が焼けた(たけやがやけた)」、「磨かぬ鏡(みがかぬかがみ)」、「私負けましたわ(わたしまけましたわ)」、「ダンスがすんだ(だんすがすんだ)」など、私が小学生の頃にもよく口ずさんだ回文があります。

 回文対は、上の句から読んでも下の句から読んでも同意の構成になる対句です。和歌、連歌、俳諧では、上から読んでも下から読んでも同音のものは、回文歌、回文連歌、回文俳諧と呼ばれています。 回文詩は、上から読んでも下から読んでも一詩をなすものです。 日本のことば遊び回文、日国フォーラム、日本国語大辞典): http://www.nikkoku.net/ezine/asobi/asb01_01.html

○ 回文歌、回文俳諧、回文

 最も有名な和歌は、室町時代、「長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな(ながきよの とをのねぶりの みな めざめ なみ のりぶねのおと のよきかな)」といったものです。この他にも、「草々の 名は知らぬらし 花守も 名は知らぬらし 花の咲く咲く(くさくさの なは しなぬらし はな もりも なは しなぬらし はな のさくさく)」、「桜木の 訪ひし 香りは 花の園 縄張り侵し 人の気楽さ(さくらきの とひし かおりは はな のその なは はりおかし ひと のきらくさ)」などが知られています。

 俳句では、「岸に咲く 色気も軽い 草にしき(きしにさく いろけもけろい くさにしき)」、「啄木鳥の 飛ぶや小薮と 軒つづき(きづつきの とぶやこやぶと のきつづき)」、「消ゆる子の 片目に見たか のこる雪(きゆるこの かたみにみたか のこるゆき)」、などが代表的なものです。

 最も長い回文は、江戸時代、1661年(寛文元年)、水車集(紙屋川水車集、第一、詞書)にある、「はれけき先の つま香を求めむ 色白い梅とも 岡松の木 咲きけれは(はれけきさきの つまかをもとめむ いろしろい むめとも をかまつ のき さきけれは) 」というもので、41文字もあります。 

 吉原の妓楼(ぎろう)大文字屋の主、村田市兵衛(1754~1828)は、狂名を加保茶元成(かぼちゃもとなり)といったが、ある人が放屁をした時、かたえの人が腹をかかえて笑い、これを回文の歌に詠めと注文すると、へ々々々々々々々々々々々々々々々々 へ々々々々々々々々々々々々々々々々、と詠んだという。(徳和歌後万歳集(とくわかごまんざいしゅう)より) 回文(鈴木棠三編、1412文、総合情報サービス): http://nobi.or.jp/i/kotoba/kaibun/index.html

○ 七福神宝船と回文歌

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七福神宝船絵(初夢用、江戸東京博物館蔵、東京、google画像) 江戸東京博物館(ホームページ、東京):http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/project/index.html

(解説) 宝船(たからぶね)は、正月の初夢を見るために枕の下に敷いた縁起物です。御宝(おたから)でもあり、多くは、米俵、宝貨を積んだ帆掛船、宝船の絵に七福神を描き、回文歌(かいぶんうた)、「ながきよの とをのねぶりの みな めざめ なみ のりぶねのおと のよきかな(長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな)」などを書き添えました。この歌の出典は、室町時代、運歩色葉集(うんぽいろはしゅう、著者未詳)、1548年(天文17年)成立、という。  

 英文にも回文があり、その最も有名なのは、「ABLE WAS I ERE I SAW ELBA(訳は、エルバ島を見るまでは不可能ということを知らなかった)」 これは、ナポレオンの言葉をもじったものです。その他、「Madam, I'm Adam (マダム、私はマダムです)」は、よく知られている英文の回文です。

 私が中学生の頃、英語の授業で、英文、「To be to be ten made to be(トウ ビ トウ ビ テン メイド トウ ビ)」とはどういう意味か? との問題が出され、四苦八苦したことがあります。この文は、ローマ字読みすればよく、「トベ トベ テンマデ トベ(飛べ 飛べ 天まで 飛べ)」が名訳!との言葉遊びが正解であったことを思い出します。

 また、高校生の頃、世界で1番長い単語は何か?という問題が出され、正解は、「SMILES(スマイルズ)」!。 というのは、SとSの間か1マイル(1609.344メートル)もある、という言葉遊びでした。その後、長大単語を英語大辞典で調べたところ、 長大語は、floccinaucinihilipilification(フロクシノーシナイヒリピリフィケイション、訳、無意味だと見なすこと)で、この単語が世界で最も長いものと説明されていたことを覚えています。

(参考文献) 新村出編: 広辞苑、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記、p.57、七福神の由来、p.195、最も長い回文、三宝出版(1994).

(参考資料) 七福神の神使(神使の館): http://www9.plala.or.jp/sinsi/07sinsi/01sinsi.html

(追加説明) 七福神(しちふくじん)とは、恵比寿(えびす、日本)、大黒(だいこく、インド)、毘沙門(びしゃもん、インド)、弁天(べんてん、インド)、布袋(ほてい、中国)、福禄寿(ふくろくじゅ、中国)、寿老人(じゅろうじん、中国)の七人の神様です。みな福の神様となっています。これら七福神は、神道、仏教、道教、バラモン教とりまぜての出身の神様です。この七人の神様が七福神として信仰されるようになったのは室町時代で、15世紀中頃には、七福神の装いをした七福盗賊が忍び入ることさえ喜ばれたという。

 七福神に扮した者が正月や小正月に家々を訪ねて祝言を唱えるのは、言葉にも魂があり、めでたい言葉を述べて祝福すれば、そのとおりの幸福が得られるという言霊信仰(ことだましんこう)から生まれた芸能です。

 

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