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2012年2月 1日 (水)

マリモ(毬藻、緑藻類)の遺伝子(DNA)解析、世界のマリモは阿寒湖(釧路、北海道)を起源とする、とは(2012.2.1)

   最近、世界の北半球の約220ヵ所で生息が確認されているマリモ(毬藻)は、国の特別天然記念物の阿寒湖(北海道)のマリモを起源ととすることが、釧路市教育委員会マリモ研究室(北海道釧路市)の若菜勇学芸員(54才)らの遺伝子(DNA)解析の研究により確認されました。

阿寒湖のマリモ(公式ホームページ、マリモWeb、釧路、北海道):http://marimo-web.org/

 その原因として、渡り鳥のコハクチョウやカモ類がマリモを食べ糞に(ふん)に含まれるか、体について運ばれ、分布を広げたとみられ、阿寒湖と約8500km離れたアイスランドのミーバトン湖の球体のマリモが同じ遺伝子(DNA)を持つことが確認されました。 マリモは東アジアや欧州などの北半球の淡水湖沼に生息する緑藻類です。そこで、改めて世界のマリモについて調べてみました。

Marimo1

阿寒湖のマリモ(あかんこのまりも、特別記念物、国立科学博物館ホームページ、google画像)

(解説) マリモ(毬藻)は、シオグサ目シオグサ科の糸状緑藻で球体を作るもの数種の総称です。その一種のマリモは、淡水産の緑藻です。世界の寒冷地域の湖に広く分布していますが、日本では北海道の阿寒湖に生育し特別天然記念物に指定されています。また、マリモは環境省の絶滅危惧種に指定され、保全活動の重要性が指摘されています。

 一般に放射状に配列された糸状細胞の藻体が直径2~15cmの中空で緻密(ちみつ)な球を作って水中に沈み、河川の流入や風による水の動きなどによって転(ころ)がり動くことが知られています。また、湖底の石に生育するものは芝生(しばふ)状になります。現地では湖底の1~2mの深さのところにあり、日光があたると光合成の結果、細胞間に排出した酸素がたまるため水面近くに浮上することがあります。

○ マリモの遺伝子(DNA)解析

 若菜学芸員は、オランダなどの研究者らと共同で、10年ほど前から採集した、日本をはじめ、ドイツ、フィンランド、アイスランド、サハリンなどの湖沼34ヵ所のマリモ標本の遺伝子(DNA)の18S rRNA の塩基配列の比較の分析をしました。その結果、日本列島に最も古い遺伝子タイプが集中、海外はその進化型でした。古い遺伝子は10万年前から存在しているとみられました。

マリモの学名(藻類談話室、吉田忠夫): http://www.sourui-koza.com/z_danwa/marimo/index.html. 

18SrRNA系統解析(ウイキペデイア):http://ja.wikipedia.org/wiki/16S_rRNA%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E8%A7%A3%E6%9E%90

 13万~7万年前は、氷河期に挟まれた:「間氷期」で、気温が高く湖沼が凍結していませんでした。阿寒湖は最古の15万年前に形成されていることから、阿寒湖が起源だと断定しました。34ヵ所以外についても、湖沼の形成時期などから、阿寒湖起源は確かだという。また、祖先型のマリモが最も時間をかけて変異を重ねたものが琵琶湖(滋賀)にあることなどを理由に日本が起源と結論付けました。

 私は、1981年(昭和56年)8月、はjめての北海道の一人旅で、また1998年(平成10年)5月、家内(尊子)と二人の旅で、阿寒湖近くのホテルに宿泊したとき、ホテルの大きな水槽の底にごろごろしていた大小のマリモの姿が強く印象に残っています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店、1991); 話題の発掘: 世界のマリモ阿寒湖が古里、遺伝子で確認、渡り鳥に運ばれ分布拡大、北陸中日新聞、2011年(平成23年)12月6日(火)、朝刊; マリモ起源 日本と確認、釧路市教委調査、遺伝子の型が最古、北陸中日新聞、2012年(平成24年)1月8日(日)、朝刊.

(参考資料) マリモのくらし微小藻の世界、国立科学博物館ホームページ、東京): http://www.kahaku.go.jp/special/past/bisyoso/ipix/mo/1/1_10.html

小川原湖のマリモマリモの基礎知識、国土交通省、東北地方整備局、高瀬川河川事務所、青森):http://www.thr.mlit.go.jp/takase/marimo/marimo_know.htm

マリモの仲間(マリモ、その愛): http://marimo.xrea.jp/seminar/party.html. マリモの近縁に、山梨県南部の山中湖のフジマリモ、青森県下北半島の左京沼のマリモなどが確認されています。 

 

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コメント

質問です。
今学校でマリモについて調べているのですが
いくつかのウェブサイトに、丸くて綺麗なマリモが生息しているのは
阿寒湖とスウェーデンの2か所だけと書いてありましたが
それを裏ずけるものがよく分かりません。
何か分かる事があったら教えて下さい。
宜しくお願いします。

長野未来

回答 
ご質問の件、日本と世界のマリモについては、欧米のマリモ湖沼の中の代表的なものとして、1999~2004年に、アイスランド、スウェーデン、エストニア、オーストリア、アメリカなどのマリモが調査され、以下のウェブサイトで詳しく紹介されています。ぜひご覧下さい。。
〇マリモWeb:http://www.marimo-web.org/japan_world.html
それによると、マリモが大きな球状の集塊に発達し、なおかつ群生しているのは、阿寒湖とアイスランドのミーヴァトン湖だけに限られていて、その球状マリモは、構造は阿寒湖と同じ放射型だが、小ぶりで柔らかいそうです。また、スウェーデンのネモーラ湖の湖底に散在する緩い集合に発達したマリモ糸状体は、DNA(遺伝子)解析の結果、日本産のマリモと同種であることが確認されています。                  以上 ご参考まで

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