頭髪のパーマ(コールドウェーブ)、毛髪内のジスルフィド結合の分解(還元)と再結合(酸化)、頭髪の変色(茶髪と金髪)、オキシフルによるメラニンの分解(漂白)、とは(2012.3.1)
パーマはパーマネント・ウェーブの略で、毛髪を電熱や薬液を用いて、数ヶ月長持ちするように、毛髪をロッド(棒)に巻きつけ、アルカリ性薬液で処理してウェーブをつける頭髪のことで、電髪と呼ばれています。 1905年(明治38年)ドイツ人のカール・ネスラー(Charles Nessler,1872~1951)によりイギリスで発表されました。ミシンウェーブ法は電気パーマ機によるもので、アルカリ液と蒸気熱によりウェーブをつくります。
また1931年(昭和6年)、アメリカ人のエヴァンス(Ralph L. Evans)とマックドナウ(Everett G. MacDonough)、1938年(昭和13年)、アメリカ人のアーノルド(Arnold F.Willatt)、により、チオグリコール酸を使った現在のパーマの原型が完成しました。 この技術は、機械を用いず、加熱をせずに行うもので、特にコールドウェーブ法と呼ばれ、第1液(アルカリ薬液)でウェーブの原形をつくり、第2液(酸性薬液)で定着させる方法で、現在最も一般的なものです。 パーマの種類(K2u美容室、花見川、千葉): http://www.k2u.jp/hot2.html. Perm(hairstyle, Wikipedia): http://en.wikipedia.org/wiki/Perm_(hairstyle).
人の髪の毛の99%以上はケラチンというタンパク質です。タンパク質を構成しているアミノ酸には、イオウ原子を含むもの(システイン)があり、髪の毛のケラチンの側鎖(そくさ)の間には、隣同士あちこちジスルフィド結合(ーSーSー結合、ジスルフィド架橋とも)でつながっています。
第1液の薬品でこれをいったん切り(還元反応)、好みの髪型にして、第2液の薬品で新しくジスルフィド結合をつくると(酸化反応)、パーマとなります。第1液は 還元剤で、チオグリコール酸(C2H4O2S、メルカプト酢酸とも)のアンモニム塩(チオグリコール酸アンモニウム)、システアミンやラクトンチオールなど、チオール基を持つものも使用し、毛髪の構造と形状を変化させ、第2液は酸化剤で、臭素酸(しゅうそさん)ナトリウム、過酸化水素水などの酸性薬液で、それらを固定させます。 パーマの仕組み(パーマの歴史、ウェーブ物語、髪工房、床松、富士見、埼玉):http://www.fides.dti.ne.jp/~star/perm/perm1.htm.
○ 髪の毛の色を変える方法
日本人の髪の毛が黒いのはメラニンのせいです。 髪の毛の色を変える方法には、ブリーチ(オキシフル、オキシドール、過酸化水素水とも、による漂白脱色)、ヘアダイ(髪の染色で、髪をブリーチしてから毛の中にしみ込む色素で染める)、ヘアマニュキア(髪の毛の表面に色素をくっつける)などがあります。 カラーの知識(ヘアカラーの歴史、髪工房、床松、富士見、埼玉): http://www.fides.dti.ne.jp/~star/color/color1.htm.
メラニンは、褐色ないし黒色の高分子色素で、皮膚や毛髪などをはじめ広く動植物中に分布しています。生体内では過剰な光の吸収に役立つと考えられています。が、その他の役割や正確な組成は不明です。
髪の毛のメラニンをオキシフルを使って分解して毛の色を薄くするとき、分解の度合いをうまく調節すると、茶髪、金髪となります。
私は、風呂に入ったとき、温水とシャンプーで洗髪、櫛(くし)で整髪(水と髪の毛との水素結合による!)、自然乾燥後、水あぶらのヘアリキッドを髪の毛に手でこすり込み整髪しています。
(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出扁: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 大木道則・大沢利明・田中元治・千原秀昭編: 化学事典(第3刷)、東京化学同人(1996).
(参考資料) 茶髪(ちゃぱつ、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%B6%E9%AB%AA.
金髪(きんぱつ、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%AB%AA.
○ コメント Satomi (nice_daniel@web.de, 2012/05/23) : This site is like a clsasroom, except I don't hate it. lol.
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