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2012年3月16日 (金)

地方特産の果物、ブドウ(葡萄)、イチゴ(莓)、ウメ(梅)、リンゴ(林檎)、ナシ(梨)、モモ(桃)、クリ(栗)、カキ(柿)、とは(2012.3.16)

  果物(くだもの)とは、草木の果実の食用となるものですが、地方の気候風土にあった歴史的にも名のあるものが多い。そこで、地方特産の果物について、改めて調べてみました。

○ ブドウ(葡萄、ブドウ科)

 ブドウはブドウ科(ブドウ属)で、世界でもっとも生産量の多い果樹です。ブドウ栽培の歴史は非常に古く、紀元前3000年前後のエジプトの記録にもあらわれています。日本では、今から約800年前、山梨県の甲府で始められました。

 現在、わが国で栽培されているブドウには、ヨーロッパ系のものとアメリカ系のものとがあります。中でも生産額の最も多いのは、1942年(昭和17年)、「センテニアル」と「石原早生」を交配させ生まれた「巨峰(きょほう)」です。

 次いで、1872年(明治5年)、はじめて輸入されたアメリカ(オハイオ州)系の「デラウェア」という品種の生産量が多い。これは明治のはじめに移入され、1936、1937年(昭和36、7年)頃、「種なし」にする方法が考案されました。 

 ヨーロッパ系のものとしては、「ネオマスカット」「甲州ブドウ」といったものが有名です。主な産地は、山梨をはじめ、長野、山形、岡山、福岡、北海道、大阪府、愛知などの各府県です。

ブドウ(葡萄、デラウェア、果物ナビ): http://www.kudamononavi.com/zukan/grape.htm

 なお、石川県では、「巨峰」の2倍の大きさで、赤くて糖度も高い、一粒が1万円以上もする、2007年(平成19年)に品種登録された、「ルビーロマン」という高級ブドウが開発されています。このブドウは、黒色大粒の自然交雑種、「」(藤沢市、神奈川)の種から生育した原木から選抜された品種です。 

ルビーロマン(ウィキペディア):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3

ルビーロマン(近江町、北形青果、金沢、石川):http://www.hoodo.jp/kitagata/goods_id-01740114.html.

○ イチゴ(苺、バラ科)

  イチゴはバラ科(オランダイチゴ属)の小低木または多年草です。栽培の歴史は14世紀なかばまでさかのぼります。日本に入ってきたのは江戸時代の末期です。オランダ人がもたらしたといわれています。

 わが国では北海道から沖縄まで全国各地で栽培されています。主産地は東の栃木県と西の福岡県、熊本県などで、品種に「ダナー」と「宝交(ほうこう)」などがあります。

 その後、交配品種として、1985年(昭和60年)、栃木、東日本では「女峰(にょほう)」、1984年(昭和59年)、九州、西日本では「とよのか」など、最近では、1996年(平成8年)、栃木では「とちおとめ」、2001年(平成15年)、福岡では「あまおう」、2006年(平成18年)、熊本では「ひのしずく」、2002年(平成14年)静岡では「紅ほっぺ」などが生まれ、甘味の強いイチゴが主品種となっています。

イチゴ(莓、とちおとめ、果物ナビ): http://www.kudamononavi.com/zukan/strawberry.htm.  イチゴ(莓、イチゴ狩りの豆知識): http://iti5.net/

 イチゴはミルクをかけて食べるほか、サラダや手作りのゼリー、洋菓子に利用します。ジュースやジャムに用いるのもよいものです。

○ ウメ(梅、バラ科)

 ウメはバラ科(サクラ属)の落葉高木です。原産地は中国ですが、日本の南部や台湾にも原生していたという説があります。5月から6月にかけて、梅の実は急速に大きくなります。黄熟しない前の梅の実は、緑々として美しいものです。青いうちに取って梅干にしたり、梅酒をつくったり、砂糖で煮て煮梅にします。

 この実ウメの栽培が発達したのは江戸時代以降です。明治(1868~1911)末期には、300以上の品種に達したといわれています。現在、日本一の梅の産地、和歌山県の代表的な大きな実の品種は南高ウメ(なんこううめ、和歌山)」です。また、豊後ウメ(ぶんごうめ、大分)も大きいもので、直径が5cmくらいになります。逆に小さいのは甲州ウメ(こうしゅううめ、長野)で、またの名をコウメ(小梅)というほどです。

ウメ(梅、南高ウメ、果物ナビ): http://www.kudamononavi.com/zukan/ume.htm

 梅干はそのまま食べるだけでなく、「梅ようかん」、「梅干あめ」、「梅が枝でんぶ」などに使われたり、タイのすり身やおろしイモとまぜ合わせた「梅ダイ」、かつお節とともに煮た「梅が香カツオ」の材料などになります。 

○ リンゴ(林檎、バラ科)

 リンゴはバラ科(リンゴ属)の果樹です。その歴史は古く、紀元前6000年頃にトルコ、紀元前1300年にはエジプトで栽培されていたといわれています。日本では、明治時代に本格的な栽培が始まりました。リンゴは夏の終わりから秋にかけて成熟します。現在の主な産地は、青森、長野、岩手、山形、秋田、福島などの各県で、すべて涼しい地域です。

リンゴ(林檎、ふじ、果物ナビ):http://www.kudamononavi.com/zukan/apple.htm. 

  現在の品種はほとんどが交配種で、1962年(昭和37年)、「国光」と「デリシャス」の交配種の「ふじ(富士)」が最も多く、次いで1975年(昭和50年)、「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」の交配種の「つがる(津軽)」、また「ゴールデンデリシャス」と「印度(インド)」の交配種の「王林」と続いています。

 もとの品種、「紅玉」は原名をジョナサンといい、赤いリンゴの代表種で、甘さと酸っぱさが相半ばしています。「スターキング」は「デリシャス」の系統で、深紅、甘味が強く、芳香があります。「ゴールデン・デリシャス」はリンゴの王ともいうべき品種で、黄色くて、見た目も美しく、味は高雅です。

○ ナシ(梨、バラ科)

 ナシはバラ科(ナシ属)の果樹です。日本のナシの歴史は古く、弥生時代ににはすでに食べられていたといわれています。ナシといえば、「二十世紀」と「長十郎」が有名な品種です。どちらも1897年(明治30年)代に発見されたもので、もとはわが国原産の「ヤマナシ」です。二十世紀は果肉のきめが細かく、果汁が多い。これに対して、長十郎は甘味が強く、がりがりした歯ざわりに特徴があります。

 ナシの主な交配の品種は、1959年(昭和34年)、「菊水」と「早生幸蔵」交配の「幸水」と1972年(昭和47年)、「幸水」「石井早生」「二十世紀」の交配種といわれている「豊水」は果皮が茶色で、千葉、茨城、福島など、また、「二十世紀」は果皮が緑色で鳥取などが主産地です。 

ナシ(日本梨、倭梨とも、幸水、果物ナビ): http://www.kudamononavi.com/zukan/jpnpear.htm

 現在、日本梨の約40%を占める代表的な品種は「幸水」です。果実は約250殻300gの扁円形で、お尻の部分が大きくへこんでいるのが特徴です。やわらかい果肉には果汁がたっぷり含まれ、ひと口食べると強い甘みが広がります。

○ モモ(桃、バラ科)

 モモはバラ科(サクラ属)の果樹です。日本のモモは古来鑑賞に栽培されてきました。江戸時代には200種類以上の「花モモ」があったといわれるほどです。

 食用のモモとして栽培が確立されたのは、明治時代に中国から輸入して改良した品種、「水蜜桃(すいみっとう)」など、1897年(明治30年)以降のことです。現在、モモの主産地は、交配種として、「白鳳(はくほう)」の山梨、「あかつき」の福島をはじめ、長野、和歌山、山形、岡山など、降雨が比較的少ない地方です。

モモ(桃、白鳳、果樹ナビ): http://www.kudamononavi.com/zukan/peach.htm

 中国の思想では、モモは、邪気を払う力を持っているとされています。3月3日の節句にモモを飾るのも、その思想のあらわれです。

○ クリ(栗、ブナ科)

 クリはブナ科(クリ属)の果樹です。日本のクリは、古くから栽培されていて、わが国の野生の「芝栗(しばくり)」の品種改良種、大阪府の原産「丹波栗銀寄せとも)」があります。中国原産のクリ、「板栗(バンリー)」は、天津甘栗の原料です。

 現在日本で最も広く栽培されている交配種には、1959年((昭和34年)に命名された「筑波(つくば)」及び北海道と沖縄以外の日本各地で栽培されている「丹沢(たんざわ)」などがあります。現在、日本のクリの主産地は、茨城、熊本、愛媛の各県です。

クリ(栗、筑波、果物ナビ): http://www.kudamononavi.com/zukan/kuri.htm

 クリはそのままゆでたり、焼いたりしていただくほか、クリ飯、キントン、含め煮などに用います。クリ飯にはどちらかというと、小粒のもののほうが風味の点でまさります。また、白アズキ粉と練りつめた「クリあん」は、クリまんじゅう、クリようかんなどの原料となります。

○ カキ(柿、カキノキ科) 

 カキはカキノキ科(カキノキ属)の果樹です。日本および中国の原産で、果樹として古くから栽培されていました。カキには多くの品種があり、大きく甘ガキ渋ガキに分かれます。前者富有(ふゆう)、次郎(じろう)、花御所(はなごしょ)などが、後者では堂上蜂屋(どうじょうはちゃがき)、平核無(ひらたねなし)などが代表種です。

  最も普及している富有(ふゆう)は岐阜県の産で、1857年(安政4年)から栽培されている歴史の長い品種です。また、平核無(ひらたねなし)は文字どおり種のないものです。カキはやや高温な気候を好むので、とくに甘ガキは本州の中部以南に良品を産します。 日本の主産地は、和歌山、奈良、福岡、岐阜、新潟、福島、愛媛、愛知などの各県です。

カキ(柿、富有、果物ナビ): http://www.kudamononavi.com/zukan/persimmon.htm

 富有は、完全な甘柿の代表品種で、生産量は市場の半数以上を占めています。形はふっくらと丸みがあり、果皮はオレンジ色。果肉はやわらかくて果汁も多く、甘みが強いのが特徴です。日持ちは良く、10月下旬頃から出回ります。私の郷里(引野、松島、のち上板、徳島)の畑にも多くの富有のカキの木があり、熟したときにもぎ取って食べたことを覚えています。

 金沢市中央卸売市場(3月8日現在、http://www.kanazawa-market.or.jp/Homepage/index.html、)によれば、日本各地から石川県への果物の入荷状況は、ミカンは、徳島を中心に長崎、香川、静岡、イヨカンは愛媛、デコポンは鹿児島、佐賀、熊本から順調に入荷。イチゴは愛知中心に鹿児島、長崎、福岡などから入荷が増え、買い求めやすくなっています。リンゴは、青森産サンふじで高値傾向は続いています。静岡からはアールスメロン、とのことです。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、三宝出版(1994); 北陸中日新聞: 台所ガイド、果物、2012年(平成22年)3月10日(土)、朝刊より.

(追加説明) ○ 果物ナビ(果物情報サイト、さき): http://www.kudamononavi.com/otoiawase.htm.

○ イチゴの栽培 イチゴは、日本ではほとんど、ハウスによる促進栽培(10月下旬~翌年5月頃、20℃前後に加温)と露地栽培(5~6月)により生産されています。ミニトマト、コマツナなどもハウス栽培が見られます。なお、ハウス栽培では、水耕栽培も行われています。 イチゴ(莓、ハウス栽培、google画像検索): https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E6%A0%BD%E5%9F%B9%E3%80%80%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%B4&hl=ja&rlz=1T4GGLG_jaJP443JP443&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=7URpT-yLPMPAmQWBt4WPCQ&ved=0CKYBELAE&biw=1366&bih=586

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