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2012年4月の5件の記事

2012年4月26日 (木)

農業(農産物貿易)、世界の穀倉地帯(米、小麦、トウモロコシ)、世界の農産物の輸出入、日本の主な農産物の輸入相手国、日本の高関税率(%)の農産物と主な産地、とは(2012.4.26)

  日本世界一農産物の輸入国で、主要国の中でも自給率最低といわれています。 そこで、世界の穀倉地帯、世界の農産物貿易、日本の主な農産物輸入相手国、日本の高関税率(%)の農産物と主な産地などについて改めて調べてみました。

○ 世界の穀倉地帯(米、小麦、トウモロコシ)  

 世界穀倉地帯は、は多雨地域(熱帯、温帯、亜寒帯など)に広く分布し、小麦トウモロコシは比較的少雨地域(温帯、亜寒帯など)に分布しています。 日本では、小麦やトウモロコシなどを輸入に依存しているため、。穀倉地帯は、米どころとも言われています。

 日本の都道府県別の米の収穫量は、新潟県、北海道、秋田県、福島県、山形県、宮城県、茨城県、栃木県、千葉県、岩手県、青森県など、北日本の地域が上位にあり、雪解け水からもたらされる豊富な農業用水や夏季のフェーン現象などによる高温が高い収量を支えています。 穀倉地帯(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%80%E5%80%89%E5%9C%B0%E5%B8%AF. 

日本のお米の生産量(食材栄養事典): http://nutritional.jp/rice.cfm

 世界の農産物の輸出入額

主要国の農産物の輸出入額(2007年(平成19年)、農林水産省、google画像)

 日本世界最大農産物輸入国です。農産物をもっぱら輸入している国は、日本、韓国などですが、日本は純輸入額(輸入超過額)が最も大きい点で目立っています。 

○ 日本の主な農産物の輸入相手国

 

日本の主な農産物の輸出乳相手国(2008年(平成20年)、農林水産省:http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h21_h/summary/p1_c1_01.html、google画像

 日本農産物輸入は、米国、EU(ヨーロッパ地域)、中国、豪州(オーストラリア)、カナダなど、上位5位の国・地域で7割を占めており、トウモロコシでは米国9割を超えるなど、特定国に依存した構造となっています。

 中国からの農産物輸入は、食品の残留農薬に関するポジティブリスト制が導入された2006年(平成18年)以降、野菜の輸入量が減少し、また、輸入食品による薬物中毒事案もあり、2008年(平成20年)に農産物輸入額も減少に転じ、前年比で2割減となっています。

 日本の高関税率(%)の農産物と主な産地

 日本の主な高関税率(%)農作物は、コンニャク 1706%、 778%、ラッカセイ(落花生) 593%、アズキ(小豆) 403%、オオムギ(大麦  256%、コムギ(小麦) 252%など、となっています。

 日本の主な高関税率(%)農産物(就農LOG): http://syunoulog.jp/2010/11/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%81%AF%E9%96%A2%E7%A8%8E%E3%81%AB%E5%AE%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%EF%BC%9F-%E8%BE%B2%E7%94%A3%E7%89%A9%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87/

 それらの主な産地は、コンニャク(サトイモ科コンニャク属)は群馬県(89.5%)、(イネ、イネ科、イネ属)はコシヒカリ(38.0%)、ひとめぼれ(10.6%)、ヒノヒカリ(10.3%)、あきたこまち(9.0%)などの品種、特に北日本地方での生産量が多い、ラッカセイ(落花生、マメ科ラッカセイ属)は千葉県(74.6%)、アズキ(小豆、マメ科、ササゲ属)は北海道(>60%)、オオムギ(大麦、イネ科オオムギ属)については、佐賀県(二条大麦、32.4%)、福井県(六条大麦、32.8%)、愛媛県(裸麦41.1%)、コムギ(小麦、イネ科、コムギ属)は北海道(65%)など、となっています。

 というわけで、不測の事態に的確に対処するためにも、平素から、農地や担い手、農業技術の確保により国内農業の食料供給力(食料自給力)の強化を図る必要があります

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、三宝出版(1994).

(追加説明)

〇 コンニャク(蒟蒻)は、広辞苑によると、インドが原産地とされ、古く渡来して各地で栽培。雌雄異化で、1mに達する。地下の球根を「こんにゃく玉」という。こんにゃく玉を乾燥して粉とした、粉末に水を加えてこね、これに石灰乳を混ぜて煮沸し固めて製した食品。

こんにゃく玉の主成分は、マンナンで、食用こんにゃくを製し、また、糊の原料とする。太平洋戦争のとき、和紙とコンニャク糊で作った気球に水素を詰め、大気高層のジェット気流に乗せてアメリカ本土を攻撃しようとする風船爆弾(ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E8%88%B9%E7%88%86%E5%BC%BEが兵器として使用されました。

2012年4月20日 (金)

囲碁(国際大会)、世界の囲碁人口(約70ヵ国、3800万人)、プロ棋士の世界棋戦(10タイトル)、プロ棋士の世界ランキング(韓国、中国が上位独占)、とは(2012.4.20)

   日本は、20年ほど前までは、囲碁の世界最強国であったが、その後、中国韓国に追い上げられ、最近では、プロ・アマともに全く歯が立たなくなっているなど、よく耳にするようになってきました。その原因は、中韓との違い、特に若手の層の厚さといわれていますが、実情はどうなっているのか、改めて調べてみました。

○ 世界の囲碁人口分布(約70ヵ国、3800万人)

 世界中で囲碁を打って楽しむ人々は、約3800万人いるといわれています。囲碁人口の多い国(10ヵ国)は、①中国(2000万人)、②韓国(900万人)、③日本(500万人)、④台湾(60万人)、⑤アメリカ(20万人)、⑥ロシア(10万人)、⑦ドイツ(5万人)、⑧イギリス(4万人)、⑨オランダ(3万人)、⑨ブラジル(3万人)、⑨フランス(3万に)、となっています。

 また、囲碁の各国間の交流も次第に盛んになり、1955年(昭和30年)、5ヶ国のアマチュア棋士が参加しての国際囲碁トーナメント大会、1963年(昭和38年)~1964年(昭和39年)、9ヶ国によるインターナショナルアマチュア•碁•トーナメントの開催がありました。1979年(昭和54年)、世界アマチュア囲碁選手権戦となり、15ヶ国の参加で開始、2007年(平成19年)、68ヶ国•地域が参加するまでになっています。 棋戦(囲碁、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%8B%E6%88%A6_(%E5%9B%B2%E7%A2%81).

○ プロ棋士の世界棋戦(10タイトル)

 囲碁は、現在では約70ヵ国・地域にまで広がりを見せています。 プロ棋士が出場する最も伝統のある世界戦は、1988年(昭和63年)創設の世界囲碁選手権・富士通杯です。その後、テレビアジア(1989年)、応氏杯(1989年)、東洋証券杯(1992年)、三星火災杯(1996年)、LG杯(1997年)、春蘭杯(1999年)、トヨタ&デンソー杯(2003年)、中環杯(2005年)、BCカード杯(2009年)などが創設されました。

 また、世界戦(世界棋戦)各国優勝回数は、1988年(昭和63年)~1994年(平成6年)まで、日本11,韓国7,中国0など、日本は世界一の囲碁強国でした。 が、1995年(平成7年)~2005年(平成17年)まで、韓国40,日本9,中国7など、韓国1強時代となり、2006年(平成18年)~2011年(平成23年)では、中国18,韓国15,台湾1,日本0など、現在中韓並立時代となっています。

 主要国際プロ棋戦の囲碁世界タイトルの獲得者一覧表

年 度富士通杯三星火災杯LG杯春蘭杯トヨタ杯中環杯[2]応氏杯東洋証券杯TVアジア備考
1988年 武宮正樹 日本の旗
1989年 武宮正樹 日本の旗 曺薫鉉 韓国の旗 武宮正樹 日本の旗
1990年 林海峰 日本の旗 梁宰豪 韓国の旗 武宮正樹 日本の旗 東洋証券杯は日本2、台湾2名が招待
1991年 趙治勲 日本の旗 徐奉洙 韓国の旗 武宮正樹 日本の旗 東洋証券杯は日本3、中国3、台湾2名が招待
1992年 大竹英雄 日本の旗 李昌鎬 韓国の旗 武宮正樹 日本の旗 東洋証券杯が本格的な国際戦に移行
1993年 劉昌赫 韓国の旗 徐奉洙 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 依田紀基 日本の旗
1994年 曺薫鉉 韓国の旗 曺薫鉉 韓国の旗 大竹英雄 日本の旗
1995年 馬暁春 中華人民共和国の旗 馬暁春 中華人民共和国の旗 李昌鎬 韓国の旗
1996年 李昌鎬 韓国の旗 依田紀基 日本の旗 劉昌赫 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗
1997年 小林光一 日本の旗 李昌鎬 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 曺薫鉉 韓国の旗 兪斌 中華人民共和国の旗
1998年 李昌鎬 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 王立誠 日本の旗 李昌鎬 韓国の旗 依田紀基 日本の旗
1999年 劉昌赫 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 曺薫鉉 韓国の旗 依田紀基 日本の旗 東洋証券杯が終了
2000年 曺薫鉉 韓国の旗 劉昌赫 韓国の旗 兪斌 中華人民共和国の旗 王立誠 日本の旗 曺薫鉉 韓国の旗
2001年 曺薫鉉 韓国の旗 曺薫鉉 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 劉昌赫 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 曺薫鉉 韓国の旗
2002年 李世乭 韓国の旗 曺薫鉉 韓国の旗 劉昌赫 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗
2003年 李世乭 韓国の旗 趙治勲 日本の旗 李世乭 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 周鶴洋 中華人民共和国の旗
2004年 朴永訓 韓国の旗 李世乭 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 朴永訓 韓国の旗 兪斌 中華人民共和国の旗 中環杯準決勝~決勝は2005年1月
2005年 李世乭 韓国の旗 羅洗河(中) 張栩 日本の旗 李昌鎬 韓国の旗 李世乭 韓国の旗 崔哲瀚 韓国の旗 常昊 中華人民共和国の旗 張栩 日本の旗
2006年 朴正祥 韓国の旗 常昊 中華人民共和国の旗 古力 中華人民共和国の旗 王檄 中華人民共和国の旗
2007年 朴永訓 韓国の旗 李世乭 韓国の旗 周俊勲 台湾の旗 古力 中華人民共和国の旗 李世乭 韓国の旗 李昌鎬 韓国の旗 李世乭 韓国の旗
2008年 古力 中華人民共和国の旗 李世乭 韓国の旗 李世乭 韓国の旗 BCC杯 李世乭 韓国の旗
2009年 姜東潤 韓国の旗 孔傑 中華人民共和国の旗 古力 中華人民共和国の旗 常昊 中華人民共和国の旗 古力 中華人民共和国の旗 崔哲瀚 韓国の旗 古力 中華人民共和国の旗 孔傑 中華人民共和国の旗 トヨタ杯が終了
2010年 孔傑 中華人民共和国の旗 古力 中華人民共和国の旗 孔傑 中華人民共和国の旗 李世乭 韓国の旗 孔傑 中華人民共和国の旗
2011年 朴廷桓 韓国の旗 朴文尭 中華人民共和国の旗 李世乭 韓国の旗 李世乭 韓国の旗 孔傑 中華人民共和国の旗
2012年 江維傑 中華人民共和国の旗
年 度富士通杯三星火災杯LG杯春蘭杯トヨタ杯中環杯応氏杯BCC杯TVアジア備考
  1. 囲碁の国際棋戦に厳密な「主要」「公式」の定義は無いため、ここでは日本棋院ホームページのプロ棋戦情報に掲載されている棋戦を「主要」として扱う。
  2. 中国棋士は政治的理由のため不参加。

囲碁世界タイトル獲得者一覧(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%B2%E7%A2%81%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%8D%B2%E5%BE%97%E8%80%85%E4%B8%80%E8%A6%A7.

 ○ プロ棋士の世界ランキング(韓国、中国が上位独占)

 2012年(平成24年)4月でのプロ棋士の世界ランキングが発表されています。囲碁棋士世界総合レーティング: http://sports.geocities.jp/mamumamu0413/total.html.によれば、世界の上位10名は、①(韓国、19才)、②(韓国、29才)、③(中国、27才)、④(中国、22才)、⑤(中国、15才)、⑥(中国、29才)、⑦(中国、20才)、⑧(中国、24才)、⑨(中国、29才)、⑩(韓国、23才)となっています。

 日本の棋士は、30位井山(日本、22才)、56位(日本、32才)、57位山下(日本、33才)、67位河野(日本、31才)、73位高尾(日本、35才)、81位羽根(日本、35才)、106位結城(日本、40才)、114位依田(日本、46才)、123位(日本、55才)、127位村川(日本、21才)、131位坂井(日本、39才)など、となっています。ということで、残念なことですが、現在では、中国と韓国の若手の台頭がめざましく、日本は大きく立ち後れていることが分かりました。

 なぜ日本は勝てないのか。井山は答えた。「日本は中国、韓国に比べ、僕より若い世代に強い棋士が少ない。僕も含め、もう少し頑張らなければいけない」。いまは日本が中国、韓国に学ぶ時代になっているという。

(参考文献) 朝日新聞: 囲碁界 中韓2強時代、若手育成遅れ、落日の日本、国家チームで養成(中国)、逸材出現でブーム(韓国)、2011年(平成23年)9月6日(火)朝刊より.

(追加説明) 近年は、世界中の人々と、インターネットと電子メールを使って囲碁を楽しむことができます。電子のメール碁は、インターネト囲碁(日本棋院): http://u-gen.nihonkiin.or.jp/; 日本メール碁会(JMGS): http://e-mail-go.sunnyday.jp/など、時代の流れを感じます。

2012年4月16日 (月)

ネバネバ成分(粘液、ムチン)を含む食物、ヤマノイモ、ナットウ、コンブ、ナメコ、トロロアオイ、サトイモ、レンコン、オクラ、モロヘイヤ、ツルムラサキ、粘液の働き、とは(2012.4.16)

   食物粘液(ムチン)のネバネバ成分は、人の健康によい働きをしているといわれています。そこで、それらを含む食物について、また、その成分(粘液糖タンパク質の混合物)の生物体における働きについても、改めて調べてみました。

 ネバネバ成分を含む食物として、ヤマノイモ(山芋、ヤマイモとも)の仲間のジネンジョ(自然薯)、ナガイモ(長芋)、ツクネイモ(捏ね芋、大和イモ(銀杏イモとも)、丹波山のイモ、伊勢イモ、加賀丸イモとも)のほか、ナットウ(納豆)、コンブ(昆布)などの海藻、ナメコ(滑子)、トロロアオイ(黄葵)、サトイモ(里芋)、レンコン(蓮根)、オクラ(秋葵)、モロヘイヤ(Mulukhiyya、シマツナソ、縞綱麻とも)、ツルムラサキ(蔓紫)などがよく知られています。

○ ヤマノイモ(山芋)のジネンジョ(自然薯)

 ジネンジョ(自然薯)は、ヤマノイモ科(ヤマノイモ属)の多年生つる草です。日本各地の山野に自生しています。塊根(かいこん)は長い円柱形です。茎は細長く左巻きに他物にからみつきます。雌雄(しゆう)異株です。葉は対生し長心臓形です。夏、白色の小花を穂状につけ、花後、三稜翼をもつ果実を結び、また別に「むかご」という珠芽を葉のつけ根に生じ、これでもふえます。塊根と「むかご」は食用となります。

自然薯

ヤマノイモ(山芋、ジネンジョ(自然薯)、野菜ナビ、google画像):  http://www.yasainavi.com/zukan/yamanoimo.htm.

○ ヤマノイモ(山芋)のナガイモ(長芋) 

 ナガイモ(長芋)は、ヤマノイモ科(ヤマノイモ属)の多年生つる植物です。中国の原産ですが、日本に渡来したのはいつ頃か不明です。長さが1mほどになります。主産地は、北海道、青森、長野のほか、千葉、群馬、鳥取、茨城、山形、愛媛、大分などの各県です。

 ナガイモはすってトロロ汁や山かけにするほか、短冊(たんざく)に切って二杯酢、あるいは酢味噌で食べます。なお、トロロ汁や山かけは食べる直前におろさないと、黒っぽくなるので注意すること。また、新イモはアクが強いので、酢水で十分さらすとよい。

長いも

ヤマノイモ(山芋、ナガイモ(長芋)、野菜ナビ、google画像):  http://www.yasainavi.com/zukan/yamanoimo.htm.

○ ヤマノイモ(山芋)のツクネイモ(捏ね芋、ヤマトイモ、丹波山のイモ、伊勢イモ、加賀丸イモとも)

 ツクネイモ捏ね芋、ツクイモ、コブシイモ、イチョウイモとも)は、ヤマノイモ科(ヤマノイモ属)の一変種です。塊茎は不規則な塊状(かいじょう)をなし「とろろ」にして食用とします。にぎりこぶしのような丸いゴツゴツとした形をしたイモです。また、掌状(しょうじょう)のイチョウイモといった品種もあります。おもに関西や中国地方で栽培されています。

 粘りけが強くおろしてとろろ汁にしたり揚げ物などにすると美味です。また、まんじゅうなどの和菓子の材料としても使用されます。地域によって呼称があり、京都府では「丹波山の芋」、石川県では「加賀丸いも」、三重県では「伊勢いも」などと呼ぶこともあります。

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ヤマノイモ(山芋、ツクネイモ(捏ね芋、大和イモ、丹波山のイモ、伊勢イモ、加賀丸イモとも)、野菜ナビ、google画像):  http://www.yasainavi.com/zukan/yamanoimo.htm.

○ ナットウ(納豆) 

 ナットウ納豆)は、糸引納豆とも、つと納豆とも呼ばれています。よく煮た白いダイズをワラづとに入れ、ワラに付いている天然の納豆菌の作用で発酵させたものです。ナットウ(納豆)は寺院で発達した食品です。納所(なっしょ)で作られる豆ということから、その名が生まれたといわれる。

 ナットウ(納豆)は普通、刻みネギ、ときガラシ、醤油(しょうゆ)などを加えて混ぜ、熱いご飯にかけて食べます。このほか、納豆汁、納豆そばなど、調理法はいろいろあります。

ナットウ納豆、科学技術研究所、google画像):http://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-daizu_large.html.

○ コンブ(昆布) 

 コンブ(昆布)は、褐藻(かっそう)類のコンブ科(コンブ目)の海藻です。日本に産するものだけでも10余種類に及びます。主に北海道から三陸一帯でとれます。コンブと日本人のつき合いは古く、「続日本紀」の715年(霊亀3年)の項に、コンブのことが記されています。コンブはその名が「よろこぶ」に通じるところから、古来、祝儀に用いられる風習があります。

 コンブは各種の料理や加工品に広く利用されているが、味の点でもっともすぐれているのがマコンブです。また、ダシ汁用には、利尻(りしり)コンブ三石コンブなどが使われます。ちなみに、コンブの語源は形の上から名づけられた「広布」(ひろめ)という言葉にあるといわれています。

コンブ昆布、科学技術研究所、google画像): http://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/kaisoh_konbu_large.html.

○ ナメコ(滑子)

 ナメコ(滑子)は、モエギタケ科(ハラタケ目、スギタケ属)のキノコです。ブナをはじめとする広葉樹の幹に生じます。現在では、人工栽培されたものがほとんどです。山形、宮城、福島など東北地方が主産地です。ナメコの味わいは、ヌルッとしたあの舌ざわりにあります。カサの直径が1cmまでの小粒のものがやはりうまい。

 調理法は赤ダシが最高です。豆腐やミツバをあしらうとなおいい。このほか、ゆでてダイコンおろしと合わせたり、酢の物にしたりします。また、かけそばにナメコをかけた「ナメコそば」もうまい。ちなみに、これはもともと会津地方の名物です。

ナメコ滑子、ウィキペディア、google画像): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%82%B3.

○ トロロアオイ(黄葵) 

 トロロアオイ(黄葵) は、アオイ科(トロロアオイ属)の一年草、原産は中国です。高さ1m、夏秋の頃、茎梢に黄色で底部は紅紫色、大形五弁の花を1日だけ開きます。花後、楕円形の朔果(さくか)を結びます。根の粘液は和紙の糊料、また、胃腸炎、喉頭炎(こうとうえん)などの薬用となります。

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トロロアオイ黄葵、ウィキペディア、google画像): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%A4.

○ サトイモ(里芋) 

 サトイモ(里芋)は、サトイモ科(サトイモ属)の宿根植物です。原産地は熱帯アジアです。日本へは古く奈良時代に渡来し、食用にされました。サトイモは昔から祝祭に用いられましたが、旧暦八月一五夜の月見に「きぬかつぎ」をお供えするのはその名残りという。この「きぬかつぎ」というのは、泥だけ洗って、皮つきのまま蒸したものです。ゴマ塩をかけて食べるとうまい。主産地は宮崎、千葉、埼玉、鹿児島などの各県です。

 サトイモはまた、ふくめ煮にしたり、トリ肉、小エビ、ナス、レンコンなどと煮合わせたりしてもよい。サトイモという名は、ヤマイモに対して、里で栽培されたところから生まれたものです。

里芋

サトイモ里芋土垂(どだれ)、野菜ナビ、google画像):http://www.yasainavi.com/zukan/satoimo.htm.

○ レンコン(蓮根) 

 レンコン(蓮根)は、スイレン科(ハス属)のハスの根をさします。蜂の巣のような切り口をしているので、「ハチス」ともいわれます。ハスは江戸時代、鑑賞用に栽培されましたが、現在はもっぱらレンコンを食用とするために作られています。主産地は茨城、徳島、愛知のほか、千葉、佐賀、山口といった各県の湿地帯です。

 レンコンの調理法としては、酢の物、あえ物、煮物、すし種、炊きこみご飯などがあげられます。アクが強いので、皮をむいたらすぐに塩または酢を入れた水につけること。また、白くゆでるには、アク抜きをしてから酢を落とした湯でさっとゆで上げ、さましたのち、甘酢などにつけるとよい。

れんこん

レンコン蓮根中国種群、野菜ナビ、google画像): http://www.yasainavi.com/zukan/renkon.htm.

○ オクラ(秋葵)  

 オクラ(秋葵)は、アオイ科(トロロアオイ属)の野菜です。芙蓉(ふよう)に似た黄色い花が咲いた後、葉のつけ根にさやが残ります。このさやを食用にします。生のままマヨネーズや食塩で食べたり、もみノリをかけて酢の物にしたり、あるいは納豆とあえたりします。ぬるぬるした舌ざわりが何ともいえない。このほか、油いためやてんぷら、サラダ、スープ、シチューなどの材料にもなります。

 オクラの原産地は、アメリカ南部および西インド諸島です。明治の初めにアメリカから移入されあした。そのねばり気から、「アメリカ・ネリ」の異称もあります。家庭でも簡単に栽培することができます。 

Bucket of raw okra pods.jpg

オクラ秋葵、陸蓮根とも、ウィキペディア、google画像): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%A9.

○ モロヘイヤ(Mulukhiyya、シマツナソ、縞綱麻、とも) 

 モロヘイヤ(Mulukhiyya、シマツナソ、縞綱麻、とも)は、シナノキ科(シナソ属)の一年生草本です。エジプトを中心とする中近東地域で栽培され、高温で乾燥地帯でも育つ生命力の強い野菜です。クレオパトラも好んで食べたといわれており、エジプト生まれの「モロヘイヤ」は、アラビア語で、「王様の食べる野菜」という意味です。が、、古来、エジプトで日常的に食べられていた庶民の味でした。

 日本には、1980年代にはいってから栽培されはじめましたが、最近、健康志向が高まる中、栄養価も高く、注目の野菜です。  成長は早く、半年で2m ほどになります。青ジソに似た葉をおしていて、その葉や若い茎だけを摘んで食用にします。高温多湿の日本でもよく育ちます。

モロヘイヤシマツナソ、縞綱麻、とも、ウィキペディア、google画像): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%8A%E3%82%BD.

○ ツルムラサキ(蔓紫) 

 ツルムラサキ(蔓紫)は、ツルムラサキ科(ツルムラサキ属)のつる性の一年草、熱帯アジア原産です。庭などに植えられ、茎や葉は肉質で、茎は長さ1m内外、広卵形の葉を互生します。夏から秋、葉腋(ようえき)から太く長い花茎を出し、花弁のない花を穂状に密につけます。がくは白色から紅色に変わり、基部は袋状となります。

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ツルムラサキ蔓紫、アタリヤ農園、google画像

○ ネバネバ成分(粘液、ムチン)の生物体における働き

 粘液(ねんえき)は、一般に、生物体の体表や体内に生成し、保持される粘性な水溶液の総称です。多くは特定の腺(粘液腺、ねんえきせん)の分泌物(ぶんぴぶつ)です。粘液の主成分、ムチン (mucin) は、動物の上皮細胞などから分泌される粘性物質です。植物にも含まれるほか、一部の菌類も分泌します。 ムチン(粘素、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%B3

 粘液物質(ムチン、粘質)は、糖タンパク質、糖のほか、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸、ペクチン酸など牽糸性(けんしせい)の高分子化合物を含みます。実際には分子量100万~1000万の、糖を多量に含む糖タンパク質(粘液糖タンパク質)の混合物であり、ぬるぬるした性状により、当該(とうがい)体部の細胞保護潤滑物質清掃物質としての役割を担っています。 

 ムチンは、糖質とたんぱく質が結合した糖たんぱく質水溶性食物繊維の一種です。目や胃腸などの粘膜の表面をカバーし、水分をつなぎとめる働きがあります。消化器や呼吸器官の表面も、主成分がムチンのヌルヌルした粘液でおおわれています。 唾液腺ホルモンの分泌を促し、食欲を増進させる働きもします。また、ムチンは、肝臓や腎臓の機能を高める作用があり、細胞を活性化、老化の防止に役立つという。 ムチン(わかさの秘密、わかさ生活、京都): http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/mucin/.

 動物では、粘液腺からねばりのある液汁が分泌され、皮膚(ひふ)などが乾燥することを防ぐなど、種々の役割を果たします。食虫植物二枚貝などでは、食物の捕捉(ほそく)に不可欠の役割を演じます。 

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出: 広辞苑、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、三宝出版(1994); 大木、大沢、田中、千原編: 化学辞典(第1版)、東京化学同人(1994).

(参考資料) ○ 野菜ナビ(野菜情報サイト、さき): http://www.yasainavi.com/.

2012年4月 9日 (月)

コムギ(小麦)、各国の小麦粉の加工食品(パン、麺、スパゲティ、菓子類)、小麦のグルテン(タンパク質の混合物、麩質)、麺類のうまさ、まずさ、腰の強さ、オオムギ、トウモロコシ、とは(2012.4.9)

    コムギ(小麦)は、世界で最も広く栽培されている穀類(こくるい)で、次いでイネ(稲)、トウモロコシ(玉蜀黍)、オオムギ大麦)となっています。ここでは、各国の小麦粉加工食品、麺類(めんるい)のうまさ、まずさ、腰の強さ、小麦に含まれるグルテン(植物性タンパク質の混合物などについて、改めて調べてみました。

○ コムギ小麦、イネ科、コムギ属)

コムギ 

コムギ(小麦、イネ科、コムギ属、ウィキペディア、google画像) コムギ(小麦、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A0%E3%82%AE

 (解説) コムギ(小麦、イネ科コムギ属)の1年生または2年生作物です。1粒系・2粒系・普通系に3大別され、普通系に属するパンコムギが最も広く栽培されています。原産地は西アジアで、その起源は木原均(1893~1986)が確認しました。日本には古くイネ(稲)と前後して渡来したとされています。秋播のいわゆる冬小麦普通ですが、寒冷地では春播春小麦)とされてます。

 果実小麦粉(こむぎこ、うどん粉、メリケン粉とも)は、小麦の胚乳(はいにゅう)を粉にしたものです。デンプン(澱粉)75%前後、タンパク質10%前後、必須(ひっす)アミノ酸各種を含有しています。 皮部の混入量(1等で0.3~0.4%)により等級が定められています。 

 

小麦・小麦粉の種類と用途(小麦・小麦粉に係わる基礎知識、、(財)製粉振興会、google画像)小麦粉のおはなし(財段法人、製粉振興会、東京): http://www.seifun.or.jp/

 小麦粉のグルテン含量が多い強力粉(きょうりきこ)は食パン、マカロニ、麺類(めんるい)等の主食の材料に、また、ラーメン・うどん・麩・菓子などの材料になっています。薄力粉(はくりきこ)は菓子やてんぷら粉等に適します。また、麩(ふ)・菓子の材料等用度が広い。その他、味噌・醤油の原料、飼料となり、帽子・麦藁細工の材料に使われています。

○ コムギ(小麦)のグルテン(タンパク質の混合物)と加工食品(麩、ふ)

 グルテン麩質、ふしつ、麩素、とも)とは、穀類に含まれる植物性のタンパク質の混合物です。小麦など、植物の種子中にあります。水溶液は灰白色で粘性を示します。麩(ふ)の原料に用います。

 灰褐色、粘稠(ねんちゅう)な物質で、水に不溶です。小麦のグルテンにはグルテニン、グリアジンなどのタンパク質が多い。小麦粉を布袋に入れ水を注ぎながらこねると得られます。加水分解して生ずるアミノ酸にはグルタミン酸が特に多い。 飼料、粘着材、アミノ酸原料となります。 小麦粉のグルテン(木下製粉株式会社、さぬき、香川): http://www.flour.co.jp/05_flour/flour2.html

 (麩)とは、小麦の皮の屑です。洗粉に用いた。ふすま。小麦粉から取り出したグルテン(麩素)を主材料として製した食品。生麩(なまふ)と焼麩(やきふ)とがあります。

 お好み焼きとは、その起こりは江戸時代後期の「麩の焼」(ふのやき)にあるといわれています。これは水で溶いた小麦粉を鍋に薄く流して焼き、味噌をぬって巻いたものです。それが明治になって形を変え、「文字焼」という名で子供相手の料理となり、関東大震災後に現在のようなものになりました。焼き上げたのち、ソースをかけるのが普通ですが、マヨネーズをかけるのもうまい。また、小麦粉のかわりに山芋トロロを使うこともあります。

○ コムギ粉(小麦粉)の麺類(めんるい)のうまさ、まずさ、腰の強さ

 植物に含まれるデンプンは、炭水化物の鎖が絡み合い、分子間の水素結合により、結晶を形成しています。このような結晶は堅くて消化に悪いので、動物は生理的に敬遠します。すなわち、「まずい」と感じます。これをβーデンプン(ベータデンプン)という。水とともに加熱すると、水分子が熱エネルギーを受けて分子結晶をバラバラにし、分子表面に多数の水分子が水素結合により付着した状態、すなわち消化しやすい軟らかい非結晶生の状態となります。これがαーデンプン(アルファデンプン)です。

 そのまま放置しておくと、分子は再び結晶化し、もとのβーデンプンに戻ります。これがいわゆる「のびる」という現象です。水分子の占めていた場所を残したまま急速に脱水して、α状態(アルファじょうたい)のまま固化したものがアラレ、インスタントラーメンなどで、水とともに加熱すればすぐに軟らかくなります。

 また、麺類(めんるい)の、いわゆる「腰の強さ」は、タンパク質の一つグルテンのS-S結合(ジスルフィド結合!)の生成も関係しています。麺類(めんるい)の「のび」はこのS-S結合の切断も関係しています。 

 私は、郷里の御所のタライうどん(徳島)、また、有名な讃岐ウドン(香川)の 腰の強さが、小麦粉のデンプンではなく、タンパク質の混合物のグルテン(麩(ふ)の原料!)のS-S結合(イオウを含むアミノ酸のジスルフィド結合!)とつながりがあることを知り、驚きました。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、三宝出版(1994).

(追加説明) ○ オオムギ(大麦)  オオムギ(大麦、イネ科オオムギ属)は、1年生または2年生作物です。西アジア起源とされています。世界各地の温帯に広く栽培されています。栽培面積は穀類ではコムギ・イネ・トウモロコシに次ぐ。日本には1~3世紀頃渡来しました。穂の各節にえい果が3個ずつ互生する六条大麦、1個ずつ互生する二条大麦、えいがえい果に癒着している皮麦、癒着していない裸麦があります。 主として、飼料用、また、醤油・味噌・ビール・飴の材料帽子その他の細工物に用います。

○ トウモロコシ(玉蜀黍、唐もろこしの意) トウモロコシ(イネ科、トウモロコシ属)は、1年生作物で、中南米の原産とされています。世界各地に栽培されています。わが国には16世紀に渡来しました。茎は1~3mで、直立しています。葉は互生し幅5~10cm、長さ約1mです。雄花穂は茎頂に、雌花穂は葉えきに付きます。変種デント・フリント・ポップ・スイートなどがあります。 は澱粉に富み、食用、工業原料となります。茎葉青刈り飼料、サイレージとし、飼料作物として最も重要です。

2012年4月 1日 (日)

イネ(稲)のデンプン(多糖類、堅さ、粘り、甘さ、ヨウ素との反応)、モチ米とウルチ米の加工食品(米のアミロースは堅さ、アミロペクチンは粘り、うまさ)、農業カレンダー、天皇陛下がもみまき、とは(2012.4.1)

   日本人の主食物、イネ(稲)から得られるデンプン(澱粉)の遺伝的性質(粘りと堅さ、甘さ)、モチ米とウルチ米(デンプン成分のアミロース堅さ、アミロペクチン粘り、うまさ、元気のもと)などについて、改めて調べてみました。

 デンプン(澱粉)多糖類(たとうるい、グリカン、ポリグリコースとも、高分子化合物)の一つであり、植物種子、根、地下茎(ちかけい)などに多量に蓄(たくわ)えられます。 ジャガイモは、生のままでは「かたく」て「まずい」が、煮たり、蒸したりすると、「やわらかく」「おいしく」なり、しかも殺菌もされるので安全な食べ物にもなります。イモの場合は、おもな成分であるデンプンのアミロペクチンが規則正しい集合体(結晶状態)をつくっており、それが水と熱でこわされてやわらかくなります。これをデンプンの糊化(こか)といいます。

         

 デンプン(澱粉、多糖類、アミロースとアミロペクチン、堅さと粘り、google画像) 天然高分子化合物アミロースとアミノペクチン、化学教育ジャーナル、第2巻第2号/採録番号2-17、樫田 豪利)
: http://chem.sci.utsunomiya-u.ac.jp/v2n2/kashida/chapter3/sec2/c324.htm

 デンプンは基本的にはグルコースが直鎖状につながったアミロースと分岐状のアミロペクチンから構成されています。アミロペクチンは、いわば分岐した短いアミロースの束が密集して結晶構造をつくっているので、生のままでは消化酵素が進入できず、グルコースに分解されない。

アミロースとは、澱粉を構成する主成分の一つです。グルコースが長鎖状につながった高分子。水に溶け、冷時、ヨウ素溶液にあえば青藍色に着色します。アミロペクチンとは、澱粉を構成する主成分の一つです。グルコースが多数の分岐(ぶんき)をもって鎖状につながった高分子です。水に難溶。熱水で澱粉糊を生じ、冷時、ヨウ素溶液にあえば赤紫色に着色します。  

 ウルチ米(コシヒカリ、ササニシキなど)のデンプン成分はアミロース(20~25%)とアミロペクチン(70~80%)の混合物です。米の粘りは、デンプン成分のアミロースが少なく、アミロペクチンの含量が多いものほど高くなります。そして、炊くとアミロペクチンにより軟らかく粘りが出てきます。また炊いて食べると、デンプンは糖の一種なので、甘く感じられます(うまさ!)

 一方、モチ米のデンプンはアミロースが100%となっています。アミロースの多い外米(インディカ米、ジャバニカ米など)は、炊くと、堅く、パサパサとなるので、焼きめし、ピラフなどして食べます。

○ モチ米とウルチ米の加工食品(餅、白酒)

kome

玄米(左 旭糯(モチ米)、右 ヒノヒカリ(ウルチ米)、農業総合センター、奈良、google画像) もち米の話(奈良県農業総合センター、奈良): http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-26486.htm. コメのの外観は、モチ米は白っぽく、一方、ウルチ米は半透明に見えます。

 米粉(こめこ、こめのことも)とは、米をひいて粉状にしたものです。食料・糊料とします。糝粉(しんこ)とは、白米を日光に乾かし、臼(うす)でひいて粉にしたものです。これを水でこね、蒸してついたものを、糝粉餅(しんこもち)といいます。

  餅(もち)とは、その歴史は古く、すでに奈良時代にありました。当時の餅(もち)はモチ米麦粉などを合わせて作ったものでした。江戸時代の頃より、食べ方により、つきたてをおろし醤油(しょうゆ)で食べる辛み餅、切餅を焼いて醤油をつけ海苔(のり)で巻いた磯辺餅(いそべもち)、丸めて餡(あん)で包んだ牡丹餅(ぼたもち)、きな粉をまぶした萩餅(はぎもち)、餡(あん)を包んだ大福餅、きな粉をまぶした安倍川餅(あべかわもち)などがよく知られています。 

 ぼたもち(牡丹餅)は、お彼岸のもちとしてなじみ深いものですが、春から夏にかけて作られ、「あん」をつけたものがぼたもち、秋になってから作られ、「きなこ」をまぶしたものがはぎのもち(萩餅)です。ぼたもち(牡丹餅)は、モチ米とウルチ米を半々に合わせて、普通の飯のように炊きあげ、すり鉢でつぶして作ります。作る際に騒々しい音がしないところから、「隣知らず」「夜船」(いつの間に着くか分からないの意)、「北の窓」(月知らずの意)などの異名があります。

 柏餅(かしわもち)とは、ちまきとともに5月の節句に供える蒸菓子です。ちまきよりも歴史は浅く、江戸で5月の節句に供えられるようになったのは、16世紀の中頃以降のことです。その製法は、ウルチ米の粉を練って楕円形(だえんけい)に伸ばし、あんを入れて折り重ね、貝形にしてからせいろで蒸し、カシワの葉で包む。あんにはアズキのこしあんのほか、味噌(みそ)に砂糖を入れた味噌あんもあります。なお、柏(かしわ)はブナ科の落葉高木で、東アジアに広く分布しています。

 桜餅(さくらもち)は、道明寺種(どうみょうじだね、ウルチ米の飯を乾かしたもの)もしくは小麦粉をもとに餅(もち)を作り、あんを包んで半月形にし、塩漬けした桜の葉で巻いたものです。桜の葉の香りと塩味が一種独特の味わいをかもしだしています。

 白酒は、お雛様(おひなさま)に供える酒です。モチ米を蒸して冷やし、槽に入れ、ミリンを混ぜたのち半月くらいしてからひき臼(うす)ですりつぶして醸造します。その味は甘く、女性や子供にも飲めます。白酒と雛祭り(ひなまつり)とが結びついたのは、江戸時代の頃だろうといわれています。

 デンプン(澱粉、多糖類)は身体のエネルギーのもと 

 人間の身体は、デンプン(澱粉、多糖類)をブドウ糖(グルコースとも、単糖類)のような小さな糖に分解してから、からだに取り込みエネルギー源とし、最終的には、水と二酸化炭素(炭酸ガス)にまで分解します。取り出されたエネルギーは、ATP(アデノシン三リン酸)という高エネルギーの化合物として、細胞、つまりは人間が生きていくために使われています。 

 疲れたときに甘いもの(アメ、チョコレートなど)を食べると元気が出てきます。これは、甘いものには糖が含まれているからで、糖が身体のエネルギー源となるからです。スポーツ飲料水にはブドウ糖や砂糖がが必ず入っていますが、これらはエネルギー補給のために重要な成分です。マラソンの選手は、スポーツドリンクがなかった頃、走る前にモチを食べていたが、走行中に腹痛を起こすこともあったという。

 私は、1975年(昭和50年)1月からアリゾナ大学(ツーソン、U.S.A)化学科博士研究員として1年間留学したとき、大学近くの食堂で、はじめて、細長くパサパサした外米(インディカ米!)の焼きめし料理を注文し、おいしく食べたことが強く印象に残っています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、三宝出版(1994); 大木、大沢、田中、千原編: 化学事典(第1版)、東京化学同人(1994); 伊佐、内田、関崎、本浄、増田、宮城著: 化学の目でみる物質の世界(第4版)、内田老鶴舗(2003); 日本化学会編: 化学ってそういうこと! 夢が広がる分子の世界、化学同人(2003).

(追加資料) 各種農作物(イネ含む、農業カレンダー、@フードダイアリ、あぐりチャンネル、JAFIC、食品産業センター、農林水産省): http://www.agri-ch.net/agri-ch/

(追加説明)  ○ 米の栄養成分 

日本産、うるち)米の各種栄養成分の含量は、ふつう玄米(カッコ内は白米)100g中、水分は15.5(15.5)g、糖質72.5(76.6)g、タンパク質7.4(6.2)g、脂質2.3(0.8)g、リン0.3(0.15)g、カルシウム10(6)mg、1.1(0.4)mg、ビタミンB1 0.36(0.09)mg、B2 0.1(0.03)mg、ニコチン酸4.5(1.4)mg、などです。精白度が高くなるにつれて糖質以外の栄養素は少なくなります。糯(もち)米は粳(うるち)米と比べて各栄養素の含有率はほぼ同じですが、形態上は一般に糯(もち)米のほうが透明度が低いです。

○ もち(糯)うるち(粳)  

 もち(糯)とは、イネ、トウモロコシ、ムギ類など、イネ科植物のデンプンにみられる遺伝的性質で、アミロースが少なく、アミロペクチンを多く含むものです。米、クリ(栗)、キビ(黍)などで、粘りが強く、ついて餅(もち)とすることができる品種です。 ヨウ素により赤紫色に染まります(ヨウ素-デンプン反応!)。粘性が高く(もち)、強飯(こわめし)、菓子などの原料とされます。

 うるち(粳)とは、イネ、トウモロコシ、オオムギなどイネ科の植物のデンプンにみられる性質で、もち(糯)よりもアミロースが多く、煮ると粘りが強く、ヨウ素により青色(青紫色、青藍色とも)に染まります(ヨウ素-デンプン反応!)。 焚(た)いた時、糯米(もちごめ、モチ米)のような粘り気をもたない、普通の米のことです。うるごめ。うるしね。飯米に用いるのは粳米(うるちまい、ウルチ米)です。

○ 糖(とう)は元気のもと

 糖(とう)には、ブドウに多く含まれるブドウ糖(グルコース)、桃やメロンに多く含まれている果糖(フルクトース)、サトウキビや砂糖大根などに多く含まれている砂糖(スクロース)、ミルクに含まれている乳酸(ラクトース)などがあります。赤ちゃんは乳糖をを分解してミルクから栄養を補給しています。

○ 天皇陛下がもみまき 

 天皇陛下は、2012年(平成24年)4月24日(火)、うるち米ニホンマサリと、もち米マンゲツモチの種もみを、皇居の生物学研究所前にある苗代にまかれた。5月下旬ごろに田植えもする。秋の稲刈りも陛下が自らする。収穫したコメは、11月の新嘗祭(にいなめさい)など皇室の神事にも使われる。(2012年4月25日、北陸中日新聞、朝刊より)

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