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2012年5月14日 (月)

語源遺産、のろま(佐渡、越後、新潟)、ごり押し(金沢、加賀、石川)、うだつが上がらない(脇町、阿波、徳島)、ひとりずもう(今治、伊予、愛媛)、とは(2012.5.14)

    言葉語源は、その地方の風土、歴史や文化と密接な関係があります。、わぐり たかし氏(放送作家、語源ハンター)は、語源の由来にゆかりのある土地風俗風習を、語源遺産と名付けています。普段、何気なく使っている語源遺産を、改めて調べてみました。

 のろま(鈍間、野呂松、佐渡、越後、新潟

のろま人形(野呂松人形、佐渡、新潟、google画像) のろま人形(島のいろは、文化と芸術、佐渡観光協会、新潟): http://www.visitsado.com/01outline/05culture/index.shtml

〈解説) のろまの意味は、「のろま人形」の略。愚鈍(ぐどん)なこと。気のきかないこと。動作や頭の働きが鈍いこと。また、そういう人。

 語源は、1670年(漢文10年)頃、江戸の野呂松勘兵衛という人形つかいが用い始めたという、青黒い変な顔をした道化の操り人形「のろま(野呂松)人形」の動きに由来しています。人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)のあいだに間狂言(あいきょうげん)を演じました。佐渡〈新潟)に現存しています。

○ ごり押し(鮴押し、金沢、加賀、石川

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ごり押し漁(鮴押し漁の再現、金沢市漁協組合員、浅野川、金沢、石川) ごり(鮴、知られざる北陸の食、自然人net、金沢、石川): http://hokuriku.biz/fishes/%E9%AE%B4.html. 

〈解説) ごり押しの意味は、理にあわない事を承知(しょうち)で、その考えをおし通すこと。強引(ごういん)に事を行うこと。無理押し。

 語源は、川魚のごりを捕るとき、特殊な道具(三角の竹製のブッタイ、ごり押し板)で川底をごりごり押して潜(ひそ)んでいるゴリを驚かして捕獲(ほかく)する「ごり押し」という漁法が強引に見えることから、たとえて言いました。金沢(石川)の浅野川(あさのがわ)でのごり押し漁は、江戸時代から有名で、昭和の初め頃まで盛んでしたが、ごりの生育環境の変化に伴い、数十年前から行われなくなったという。

○ うだつが上がらない(卯建が上がらない、脇町、阿波、徳島

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うだつの町並み(卯建の町並み、重要伝統的建造物群保存地区、脇町、美馬、徳島) うだつの町並み〈美馬市ホームページ、脇町、徳島): http://www.city.mima.lg.jp/kankou/kankouannai/miru/0002.html

〈解説) うだつが上がらないの意味は、出世ができない。身分がぱっとしない。富裕(ふゆう)の家でなければ「うだち(卯建)」を上げられなかったことから転じたといわれています。

 語源は、脇町〈徳島)は、江戸時代には、藍玉(あいだま)や雑貨、明治時代には、繭(まゆ)や生糸などをとり扱う商業の町として豪商が軒を連ね、互いにその繁栄を競い、商人たちは火災や盗難(とうなん)から財産を守るためにうだつ(卯建)や虫籠窓(むしこまど)など特殊な構造をもつ白壁の建物を造ったことに由来しています。

 うだつ(卯建)は、本来隣家との防火壁で、2階の壁面を外側に着きだした袖壁(そでかべ)です。また、各地に残る広小路(ひろこうじ)の名は、延焼を(えんしょう)を防ぐための必要空間でした。昔から「うだつが上がらぬ」という言葉がありますが、いつまでたっても屋根にうだつを上げるほどの出世も成功もしないという意味で、うだつを屋根に上げるのは商人の夢でもありました。

 ひとりずもう(独り相撲、今治、伊予、愛媛)

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YouTube大山祇神社、おおやまづみじんじゃ、抜穂祭、一人角力、ひとりずもう、大三島、今治、愛媛): http://www.youtube.com/watch?v=WhOTgUkJ9Tc

〈解説) ひとりずもうの意味は、相手にかまわず、自分だけが気張って事をすること。また、力量(りきりょう)が相手と比較にならないほど優れていて、争っても勝負にならないこと。

 語源は、瀬戸内海に浮かぶ大三島(今治、愛媛)の大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)で、一人でイネ(稲)の精霊と三番勝負の相撲を取る神事に由来しています。目に見えない相手と相撲を取っている様子が一人で相撲を取っているように見えることから、ひとりずもう(一人角力)という。

 その他、日本の語源遺産として、へなちょこ(東京)、土壇場(どたんば、東京)、ごたごた(神奈川)、びびる(静岡)、二の舞い(静岡)、べっぴん〈愛知)、どろぼう〈愛知)、しゃちほこばる〈愛知)、関の山(せきのやま、三重)、あこぎ(三重)、急がば回れ(滋賀)、らちがあくあかない、京都)、縁の下の力持ち〈大阪)、地団駄(じだんだ)を踏む(島根)、濡れ衣(ぬれぎぬ、福岡)、チンタラ〈鹿児島)など、また世界にたどる語源として、不夜城(ふやじょう、中国)、金字塔(きんじとう、エジプト)、登竜門(とうりゅうもん、中国)、破天荒(はてんこう、中国)などが紹介されています。 語源遺産(大図解!東京新聞サンデー版、わぐりたかし): http://www.dreamnews.jp/?action_press=1&pid=0000013523

 私は、語源遺産については、目からウロコ! 大変興味深く、いろいろと勉強させていただきました。

(参考文献) 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 湯浅良幸編: 徳島県の歴史散歩(1版)、p.66~67、うだつの町(脇町、わきまち)、山川出版社(1995); 大島、佐藤、松崎、宮内、宮田編: 図説 民族探訪事典(1版19刷)、山川出版社(2005); 北陸中日新聞: 言葉のルーツ、語源遺産、わぐり たかし、「語源遺産をめぐる旅」は日本語の探偵気分! 2010年(平成23年)1月31日(日)朝刊より.

(参考資料) 語源遺産(語源ンハンター、わぐりたかしがいく!): http://ameblo.jp/gogen/

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