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2012年6月13日 (水)

植物の根(皮層の細胞間隙、通気組織!)、オオムギ〈大麦)、イネ〈水稲)、ススキ〈薄)、クマザサ(熊笹)、クズ(葛)、イタドリ(虎杖)の根の構造、光合成、とは(2012.6.13)

   は、普通地下にあり、維管束(いかんそく、導管、どうかん、師管、しかん)、内皮(ないひ)、皮層(ひそう)、表皮(ひょうひ)、根毛(こんもう)、さらにこれらに繊維組織のような細胞壁(さいぼうへき)の丈夫な組織が加わり植物体を支えています。

 また、植物は導管(どうかん、木部とも)から水やそれに含まれる養分(無機塩類など)を吸収し、これを茎、葉の方へ送り、さらに葉で光合成によって作られた養分(でん粉、脂肪、タンパク質など)を師管(しかん)を通じて、各組織にふるい分けて運んでいます。

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オオムギ〈大麦)とイネ〈水稲)の根の構造(横断面、模式図) イネ〈稲)とムギ〈麦)の根の構造比較(横断面、模式図、佐賀県農業試験研究センター、佐賀)http://www.pref.saga.lg.jp/web/at-contents/shigoto/nogyo/kenkyu/ai/saibai/mugi/saibai.html

(解説)  イネ〈稲)は成長するにつれ、根の皮層細胞を構成する細胞と細胞との間に細胞間隙(さいぼうかんげき、通気組織!)が目立つようになります。これは、水草、蓮根と同じように、水中で根に空中の酸素を取り入れるため(呼吸作用!通気組織を発達させたものです。ムギ〈麦)の細胞間隙の発達は見られません。

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イネ〈水稲)、ススキ〈薄)、クマザサ(熊笹)の根の構造(横断面、顕微鏡写真、50~500倍)

〈解説) イネ〈水稲)、ススキ〈薄)、クマザサ(熊笹)は、いずれもイネ科の植物ですが、それら根の皮層細胞には、クマザサ<ススキ<イネの順に、大きな細胞間隙(通気組織!)ができているのが見られました。なかでも、イネとススキの根の構造がよく似ているのには驚きました。

 なお、イネの苗を植えた直後のころは、根にまったく細胞間隙がなく、非常にきれいな放射線状の形でしたが、大きく成長するにつれ、根の細胞間隙が現れ、次第に増大するようになったのが印象に残りました。

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ヘビノネゴザ(蛇の寝茣蓙)、イタドリ(虎杖)、クズ〈葛)の根の構造(横断面、顕微鏡写真、50~500倍)

〈解説) シダ植物のヘビノネゴザ(蛇の寝茣蓙、オシダ科)、イタドリ(虎杖、タデ科)、クズ〈葛、マメ科)の根の皮層細胞には、細胞間隙〈通気組織!)がはっきりと確認できませんでした。 また、シダ植物のヘビノネゴザの一つ一つの細胞の形が安定な正6角形状であることが印象に残りました。

 ところで、はしなやかですが、はしっかりしています。これは、草も木も細胞壁(さいぼうへき)を持ち、その成分はセルロースという細い繊維質とヘミセルロースリグニンという無定形の物質(マトリックス)とからできているためです。特に、にはリグニンが多く、木質部(もくしつぶ、細胞壁を固化して年輪を形成二酸化炭素の固定!)ができるのでかたいです。

 私は、1986年(昭和61年)6月頃、金沢城内キャンパスの金沢大学理学部に勤務していましたが、第10回金沢大学教職員組合余技展(金沢市立図書館附属展示ホール)が開催され、ススキ、ササ、シダ(ヘビノネゴザ)、スギナ、イタドリなどの植物の根(横断面)の大きな顕微鏡写真を、植物のミクロの世界Root Design)として出品したことがあります。恒例の余技展が、広く一般市民の方にも親しまれることを願ったことを覚えています。

〈参考文献) 岩瀬徹、大野啓二: 写真で見る 植物用語、全国農村教育協会(2004).

(追加説明)

〇 セルロースナノファイバー(CNF)、原料は竹、木

 セルロースナノファイバーは、植物の細胞壁を構成するセルロースを細かくした繊維です。太さは約10ナノメートル(ナノは10億分の一)で、パルプをほぐして作られます。プラスチックやゴムに混ぜると強度が上がり、熱による伸び縮みも小さくなります。2004年頃から研究が本格化し、米国や中国、北欧も開発に注力しています。

 この軽くて丈夫な新素材原料は、ですが、日本では、竹紙を作っていた製紙会社が、その生産を本格化させ、より有効に使えないかと、竹CNFの研究に取り組んでいます。竹以外のCNFでは、日本製紙は消臭効果を高めた大人用紙おむつ、三菱鉛筆はインクにCNFを混ぜてかすれにくく乾きやすいボールペンを開発しています。

 特に、については、放置された竹林による被害が深刻化しており、対策に悩む自治体も新たな活用法に期待を寄せています。というのは、放置竹林による被害は、特に関東以南で拡大しています。例えば、京都ではスギやヒノキが枯れる被害が発生、また、香川では台風時に土砂災害が起きています。(朝日新聞、2017年(平成29年)1月4日(水)朝刊より)

〇 竹の花

 農林水産省のホームページによると、竹類の開花周期は種類によって異なり、モウソウチクは67年、マダケは120年と推定されている。竹の花は、恐らく枯れる前兆。

農林水産省(ホームページ): http://www.maff.go.jp/竹の花(稲穂に似た房状、先端から雄しべが垂れている!)http://www.maff.go.jp/result.html?cx=015840603635610229114%3Ad5nyfxhiq78&ie=UTF-8&q=%E7%AB%B9%E3%81%AE%E8%8A%B1&sa=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&siteurl=www.maff.go.jp%2Findex.html&ref=&ss=8528j7386112j13#gsc.tab=0&gsc.q=%E7%AB%B9%E3%81%AE%E8%8A%B1&gsc.page=1

〇 光合成

(科学の扉)光合成、水の分解に迫る カギは「ゆがんだ椅子」、日本が研究をリード: https://www.asahi.com/articles/DA3S13386618.html

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 理科の教科書にも載っている「光合成」。その仕組みを探る研究には1世紀以上の歴史があり、10個のノーベル賞が贈られてきた。近年は、難関とされていた水を分解する過程が、日本の研究によって明らかになりつつある。

 水と光と二酸化炭素から、酸素と炭水化物を作る植物の働き――。教科書などで、このように説明される光合成。より詳しいメカニズムを解明しようと、研究が進む。

 兵庫県佐用町にある理化学研究所自由電子レーザー「SACLA(サクラ)」。岡山大の沈建仁教授らは、葉緑体の中心部にレーザー光を当て、光合成の反応が進む様子を調べている。1フェムト秒、つまり1兆分の1秒のさらに千分の1というきわめて短いパルス状の光を、カメラのストロボのように使い、瞬時に進む反応を「コマ撮り」するのだ。

 調べているのは、根から吸い上げた水の分子を取り込んで酸素と水素イオンと電子に分解する「PS2」(光化学反応2)と呼ばれる過程だ。光合成の一連の反応の中で、長年その仕組みが未解明だった難関に迫ろうとしている。

 解明の糸口が見つかったのは2011年。PS2の反応を担うたんぱく質の中心部にある触媒分子「マンガンクラスター」の構造を、大阪市立大の神谷信夫教授とともに突き止めた。

 マンガンカルシウム、酸素の原子が連なり、原子と原子の結合距離が不ぞろいなためにユニークな形をしていることから、「ゆがんだ椅子」と名づけられた。同じ佐用町にある世界有数の大型放射光装置「SPring―8」が、この研究に使われた。

  光合成の主な反応には、(1)根から吸い上げた水を酸素と水素イオンと電子に分解する光化学反応(2)電子を使ってATP(アデノシン三リン酸)を作る反応(3)ATPを使って大気中の二酸化炭素を糖に変えるカルビン回路の三つがある。

 沈・神谷グループの研究は(1)のメカニズム解明につながるもので、その成果はノーベル賞級とされている。(朝日新聞、2018.3.4)

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