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2012年7月 3日 (火)

時計、時の記念日(6月10日、奈良時代、水時計の漏刻に由来)、1日24時間、1時間60分(1日24時間制)、うるう秒調整(天文時と原子時のズレ)、時計の歴史、とは(2012.7.3)

   時計(とけい、土圭とも)は、時間(ある瞬間から他の瞬間までの、経過した時の長さ)を測定し、時刻(時の流れの中のある一点)を指示する装置です。 広辞苑によれば、土圭(とけい、中国の周代の緯度測定器)を、日本で中世に日時計の意に用いたもので、「時計」は当て字という。

○ 時の記念日(6月10日)の由来

 奈良時代、日本書紀によれば、第38代天智天皇(てんじてんのう、626~671)が、671年(天智10年)4月25日に漏刻(ろうこく)という水時計大津近江宮(滋賀県)にも設置して、鐘鼓(しょうこ)を鳴らして時を知らせたとされています。その日は現在の暦に換算すると、6月10日になることから、1920年(大正9年)、「時の記念日」と定められました。

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天智天皇(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E6%99%BA%E5%A4%A9%E7%9A%87

水時計(天智天皇の漏刻(ろうこく)の図、google画像) 階段状に置いた水槽の上から下へ、菅で水を順に流し込む。一番下の水槽には目盛りを入れた浮き付きの矢があり、その浮上で時を計る。一番上の水槽には適宜(てきぎ)給水する。 時の記念日(天智天皇の漏刻、TMEKEEPER、古時計どっとコム): http://www.kodokei.com/la_011_3.html. 

(解説) 水時計漏刻(ろうこく)は、660年(斉明6年)、日本ではじめて中大兄皇子(のち天智天皇)が飛鳥の京に設置(飛鳥水落遺跡)したと伝えられています。1972年(昭和47年)、 飛鳥明日香村・水落部落の発掘調査で、日本書紀の古代の水時計・天智天皇の漏刻と見られる遺構が発見され話題となりました。日本書紀に記された、天智天皇の漏刻の姿は1732年(享保17年)、櫻井養仙の「漏刻説」の中で、図が載っています。 

時計館宝物館(近江神宮、漏刻、大津市、滋賀県): http://oumijingu.org/publics/index/98/

 ○ 1日24時間、1時間60分(1日24時間制)

 古代メソポタミアバビロニアの数学・天文学が、基礎を作ったとされています。バビロニアでは、多くの整数(せいすう)で割りきれることなどから、12や60を重要な数字と認識し、12や60で繰り上がる計算方法を多用していました。また、1日24時間は、かつて長さの違う昼と夜をそれぞれ12等分していたため、後にこれが1日24等分の起こりとなったと見られます。

 1日24時間制では、1日は24時間(12時間×2)、1時間は60分1分は60秒と決まっています。日本がその時間体系(定時法、1日の長さを等分する方法)になったのは、1873年(明治6年)です。それまでは、暦や時刻の制度は、自然現象を利用する不定時法(夜明けと日暮れ、日の出と日の入りを基準に、昼と夜を等分する方法)でした。日本は、1873年(明治6年)に不定時法から定時法に移行しました。

○ うるう秒調整(天文時と原子時のズレ)

 天文時は、地球の自転に基づいて計測されます。が、自転速度は、潮の満ち干や気圧配置などの影響で変動しています。現在、減速傾向にあり、1000年前より1日が0.01~0.015秒長くなっています。

 一方、原子時は、原子の固有の振動数を基準としたもので、セシウム原子時計と呼ばれ、1秒の長さがセシウム133原子の内部の振動、91億9263万1770回分の時間に相当するもので、安定していて、非常に正確です。そこで、1967年(昭和42年)に天文時から原子時に変更されました。

 天文時と原子時のズレ、うるう秒調整は、ズレが積み重なって大きくなった場合には、原子時に1秒を挿入(そうにゅう)または削除(さくじょ)して、その差が±0.9秒以内になるよう調整し、その時刻は「世界の標準時(協定世界時)」となっています。

  「うるう秒」の挿入は、2012年(平成24年)7月1日(日)に世界同時に実施されます。日本では、午前8時59分59秒と午前9時0分0秒との間に8時59分60秒を挿入し、1日が24時間1秒となります。1972年(昭和47年)に始まり、今回は25回目、前回は2009年(平成21年)1月1日に実施しました。 日本標準時の管理情報通信研究機構、NICT、小金井市、東京都): http://www.nict.go.jp/

 というわけで、世界共通の標準時は現在、数十万年に1秒しか狂わない高精度の原子時計に基づいて運用されており、数年に一度うるう秒を入れることで、地球の自転とのズレを解消しています。が、将来的には廃止することも議論されています。

 「うるう」という言葉については、昔の中国の王がうるう月に門で過ごし、「閏」の字ができました。余りという意味です。「潤」と似ているので「うるう」と読むようになったという。

○ 時計の歴史

 古代、自然現象を利用する、日時計、水時計、砂時計、火時計などの後、中世、14世紀には棒てんぷを使った機械時計が作られました。機械時計は、振子またはてんぷ(天府、ぜんまいによって回転振動させ、等時性をつくりだす環状の装置)の振動の等時性を利用して、歯車を動かし、指針を等時的に進ませる装置からできています。

 日本独特の和時計は、近世、16世紀に伝来した棒てんぷ時計がもとになっています。オランダのホイヘンス(1629~1695)が1657年(明暦3年)に発明した振子時計、近代、1675年(延宝3年)に完成した携帯(けいたい)時計は、振り子、てんぷの振動の等時性に基礎をおくもので、機械時計の精度を画期的に向上させました。

 現代時計は極めて多種で、①用途により、携帯時計(腕時計、懐中時計)、家庭時計(掛時計、置時計、目ざまし時計)、公衆時計、標準時計、天文時計など、②調速機構(ちょうそくきこう)により、振子時計、てんぷ時計、水晶時計、原子時計など、また、③動力種類により、ぜんまい時計、重力時計、電気時計などに分類することができます。

時計の歴史(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E8%A8%88%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2

 最初の時計ー日時計エジプトの日時計)、 国立科学博物館(ホームページ、上野、東京): http://www.kahaku.go.jp/

(解説) 日時計は、人類最初の時計で、太陽の日周運動による物体の影の長さや方向の変化から時刻を知る装置です。最も簡単なものは棒を鉛直に立てたものですが、同時刻の影の位置は季節により異なります。紀元前4000~3000年頃すでにエジプトで使われていました。

 砂時計は、 中くびれのガラス容器に、粒度のそろった乾燥した砂を入れ、小孔から落下させて時間をはかるものです。8世紀にフランスの僧、リウトプランド(生没不詳)が考案したと言われています。舟などで4,2,1,1/2時間のものや、速度測定用の28秒、14秒のものが19世紀初めまで使われていました。

 水時計は、小穴のあいた容器から流出する水の量により時間をはかる装置です。日時計と違って、夜間や曇天でも使えます。1400年頃の水時計がカイロ博物館にあります。ギリシャのクレプシュドラ(水を盗む意、水時計)、中国・日本の漏刻(ろうこく、水時計)が代表的なものです。後には流出する水を別の容器に受けて浮子を浮上させ、これにより指針を動かすものも作られ、機械時計が出現するまで広く使われました。

 機械時計は、ふつうぜんまい、または重力動力とし、振子またはてんぷ調速機としています。調速機の規則正しい周期運動により、脱進機(だつしんき、てんぷまたは振子を調速機として、一定時間間隔で歯車を1歯ずつ回転させる装置)は、歯車輪列の最後にあるがんぎ車を1歯ずつ脱進させ、輪列の回転速度を規正し、同時に調速機にエネルギーを与えて振動を継続させます。輪列は、ぜんまいまたは錘(おもり)からの動力を伝え、また規正された回転速度を分針、秒針に伝える伝達装置で、回転数を順次増やしていく加速系をなしています。

 水晶時計(クオーツ時計は、水晶発振器による安定な周波数を利用した正確な時計です。水晶の振動を標準器にして時間を計るもので、1969年(昭和44年)、世界初のクオーツ腕時計は、日本の時計メーカーが開発した、セイコークオーツアストロンです。水晶に電圧を加えると安定して振動する特性を利用し、特定の振動をIC回路で変換して1秒1回の信号にして時を示します。1秒に数万回の安定した高振動で正確さが飛躍的に増し、誤差は月に数秒程度になりました。 クオーツ時計(水晶時計、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%84%E6%99%82%E8%A8%88

 原子時計は、水晶時計(クオーツ時計)の水晶発信器の振動周波数を、セシウム133の原子やアンモニアの気体分子に与えたときに生ずるマイクロ波の吸収線スペクトルを厳密に一定に保つことによって、水晶時計の精度を数十倍に高めた時計です。原子時計(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E6%99%82%E8%A8%88

 原子時計の原理は、原子や分子がある特定の周波数の電磁波を吸収・放出する性質を生かしたもので、マイクロ波領域のものが多く、アンモニア分子(吸収マイクロ波の周波数23,870.13メガヘルツ、波長約1.2cm)やセシウム133(安定同位体で放射線を出さない、9,192.631770メガヘルツ、約3.3cm)などが用いられています。周波数や時間の基準として極めて精度が高く、高精度のものは数千万年に1秒の誤差です。

 私が使っている時計は、太陽光(ソーラー)を動力(エネルギー)源とする電波修正時計(CASIOタフソーラー3311*JA)で、日本標準時の電波を受信し、時刻を修正するものです。これを使い始めて7年半程になりますが、何のトラブルもなくとても便利です。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991; 永原慶二監修: 日本史事典(第1刷)、岩波書店(1999); 北陸中日新聞: 大図解、時計の歴史、「時の記念日」の由来、織田一朗、時計は人類の英知の結晶、サンデー版+テレビ、2012年(平成24年)6月10日(日)朝刊より.

(参考資料) 日本標準時明石市立天文科学館、明石市、兵庫県): http://www.am12.jp/shigosen/sekaiji.html

はがね山標準電波送信所(標準電波 60キロヘルツ、はがね山、福岡県・佐賀県): http://jjy.nict.go.jp/LFstation/hagane/index.html

おおたかど山標準電波送信所(標準電波 40キロヘルツ、おおたかど山、田村市、福島県):http://jjy.nict.go.jp/LFstation/otakado/index.html

(追加説明) 福井県の若狭湾間近の三方五湖の中で約4.1平方キロと、最も大きな水月湖のほぼ真ん中で、長年湖底に積もった70メートルの堆積物は、きれいなしま模様を形成しており、考古学年代の5万年を刻む標準の砂時計になりうることが分かりました。(朝日新聞: 科学 5万年刻む砂時計 福井水月湖 70メートルの堆積物、しま模様、地形の恵み、考古学年代の標準時、2013年(平成25年)1月7日(月)朝刊)

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