« サイエンス(科学)から眺める歴史散歩の話題(2012.10.13.玉簾、神子清水の風景) | トップページ | 心に残る歌(平和と夢!アメリカ)、小さな世界(シャーマン兄弟、ディズニーランド、カリフォルニア)、夢みる人(夢路より、フォスター)、おお!スザンナとジョン万次郎、とは(2012.10.19) »

2012年10月15日 (月)

若山牧水(日向市、宮崎県)、旅と酒をこよなく愛した歌人(九州から北海道まで、幾山河こえさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく、歌碑13基)、種田山頭火、島崎藤村、とは(2012.10.15)

   日向(ひゅうが、ひむかとも)といえば、古事記・日本書紀に記されている有名な「神武東征(じんむとうせい、日向(宮崎)から大和(奈良)へ)」の神話、伝説など、また日向産のサトウキビという阿波和三盆糖(徳島)の伝承、日向(お倉ヶ浜、宮崎)産の(はまぐり)碁石のほか、「幾山河こえさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」と歌った、旅と酒をこよなく愛した若山牧水(わかやまぼくすい、日向市、宮崎県)などを思い浮かべます。ここでは、若山牧水について、改めて調べて見ました。

200809_bokusui_wakayama1

旅ゆく牧水の像(生家近くの牧水公園、日向市、宮崎県、google画像) 若山牧水(宮崎県郷土先覚者、宮崎県): http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/kenmin/kokusai/senkaku/pioneer/bokusui/

(解説) 若山牧水(わかやまぼくすい、1885~1928、歌人、宮崎県生れ)は、尾上紫舟(おのえさいしゅう、1876~1957、歌人・書家・国文学者、岡山県生れ)の門下、平易純情な浪漫的な作風で、旅と酒の歌が多い

 1908年(明治41年)に歌集海の声」を刊行、自然の大胆なとらえかたに加えて、旅・酒・恋を抒情(じょじょう)豊かに詠う歌風は、1910年(明治43年)の「別離」において一気に開花しました。同年3月に主宰誌「創作」を創刊。「みなかみ紀行」など優れた紀行文も数多い。全集・14巻(1992~1993)があります。 

若山牧水記念文学館(公式ホームページ、日向市、宮崎県): http://www.bokusui.jp/

W250_images_20100927bokusui21

歌碑(若山牧水の筆跡、揮毫旅行、幾山川 こえさりゆかば 寂しさの はてなむ國ぞ けふも旅ゆく、歌集では幾山河と表記、北上、岩手、google画像) 若山牧水の歌碑(きたかみ魅力辞典、きたかみ観光協会、北上、岩手): http://www.kitakami-kanko.jp/kanko.php?itemid=215歌の意味は、「いったいどれだけの山や川を越え去ってゆけば、この寂しさが終わる国にたどり着けるのであろうか。行けども尽きない寂しさの国を 今日も私は旅している」。

(解説) 全国を旅した歌人らしく、歌碑は九州から北海道まで280基もあります。生涯につくった8800の短歌のうち、最も多く碑に刻まれているのは「幾山河 こえさりゆかば寂しさの はてなむ」国ぞ 今日も旅行く」(歌集、海の声、別離)で13基あります。 

 酒好きにはたまらない「白玉の 歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」(歌集、路上、讃酒歌)は8基、次いで、「白鳥は かなしからずや空の青 海のあをにも 染まずただよふ」(ふる郷旅の歌) は7基あり、汽笛を友とし、酒に沈潜する孤愁の人のイメージという。

 晩年は、富士山の見える沼津の千本松原で過ごしました。臨終の枕元にあった短歌雑誌の裏表紙には、赤いペンで「酒ほしさ まぎらはすとて 庭に出でつ 庭草をぬく この庭草を」の絶筆が残されていて、やはり酒が命を縮めたのかと哀れを誘います。

7   

室生犀星(1889-1962、石川県)   

 1_4

高村光太郎(1883-1956、東京都)

 室生犀星(むろうさいせい、1889~1962、詩人、小説家、石川県生れ)は「朗読をするにふさわし」と牧水の声を絶賛し、高村光太郎(たかむらこうたろう、1883~1956、詩人、彫刻家、東京生れ)は「彫刻のモデルになってほしかった」と顔かたちをほめています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 永原慶二監修: 日本史辞典(第1刷)、岩波書店(1999); 北陸中日新聞(夕刊): 旅、日向市、宮崎県、牧水の生命力の原点、2011年1月14日(金). 

(追加説明) ○ 若山牧水の歌、「幾山河 こえさりゆかば寂しさの はてなむ」国ぞ 今日も旅行く」(歌集、海の声、別離)の歌は、上田敏の訳詩集(海潮音)、1905年(明治38年)にあるカール・ブッセの詩「山のあなたの空遠く 幸住むと人のいふ」 の抒情にも通じるという。

1_2

若山牧水(1883-1928、宮崎県)

○ 酒と旅の漂泊の歌人として、種田山頭火(たねださんとうか、1882~1940、俳人、山口県生れ)があります。荻原井泉水(おぎわらせんせいすい、1884~1976、俳人、東京生れ)に師事。荻原は俳誌「層雲」主宰、季題無用の新傾向句を提唱、印象的・象徴的な自由律の句をつくり、句集「湧出るもの」「原泉」などを発表しています。種田はその影響を受け、のち出家して全国を漂泊、自由律の句を詠み、句集「草木塔」など発表しました。 種田山頭火の生涯(文芸ジャンキー・パラダイス、http://kajipon.com): http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/haka-topic41.html.

Santoka131

種田山頭火(1882-1940、山口県)

○ 島崎藤村(1872~1943、詩人、作家、長野県生れ)の千曲川旅情の歌~「小諸なる古城のほとり」の詩の中で、旅と酒について、(http://www.komorebi.org/book/)、「濁り酒濁れる飲みて 草枕しばし慰む」と詠われています。

1_3

島崎藤村(1872-1943、岐阜県)

« サイエンス(科学)から眺める歴史散歩の話題(2012.10.13.玉簾、神子清水の風景) | トップページ | 心に残る歌(平和と夢!アメリカ)、小さな世界(シャーマン兄弟、ディズニーランド、カリフォルニア)、夢みる人(夢路より、フォスター)、おお!スザンナとジョン万次郎、とは(2012.10.19) »

● 俳句、和歌、回文、洒落、漢詩」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« サイエンス(科学)から眺める歴史散歩の話題(2012.10.13.玉簾、神子清水の風景) | トップページ | 心に残る歌(平和と夢!アメリカ)、小さな世界(シャーマン兄弟、ディズニーランド、カリフォルニア)、夢みる人(夢路より、フォスター)、おお!スザンナとジョン万次郎、とは(2012.10.19) »

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー

フォト

アクセス解析

無料ブログはココログ