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2012年11月17日 (土)

徳島(阿波)名の由来、阿波国は粟国の意で、祖神はオオゲツヒメ(大宣都比売、五穀神)、とは(2012.11.17)

  徳島(とくしま)というは、もと、猪山(いのやま)の東方、吉野川の三角州の一つの島の名でしたが、嘉名ということで、城と城下町の名になったと言われています。吉野川の河口付近の中州(三角州)上に位置する徳島市内には、島の名が付く町名(徳島、寺島、出来島、福島など)が多いようです。 

 徳島藩は、1585年(天正13年)、蜂須賀家政(1558~1639)が、吉野川の三角州上の孤立丘陵にある渭山城(いのやまじょう、津城とも、のち徳島城)に入城してから、城下町として発展しました。渭山は、その形が猪(いのしし)が伏している姿に似ているので、猪ノ山(いのやま)と言っていたのを、渭山(いのやま)の字が好いということで、猪山を渭山に改めたと言われています。そこで、改めて、徳島県古名阿波の由来について調べてみました。

 ○ 阿波(粟とも)の名の由来

 阿波の国という徳島県の呼び名は、(あわ)がこの地で豊富に育てられていたのに由来するとされています。稲作に不適当な土地でも収穫することができる雑穀が、古代から人々の食を支えていました。

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オオゲツヒメ大宣都比売、上一宮大粟神社の掛け軸、作者・制作年不明、神山、徳島、google画像) オオゲツヒメ大宣都比売、阿波歴史民族研究会のブログ、徳島): http://blogs.yahoo.co.jp/aska_hayashi/4273297.html

(解説)上一宮大粟神社(かみいちにみやおおあわじんじゃ、神山町、名西郡、徳島県)に、オオゲツヒメ大宣都比売)という神様が祀(まつ)られています。日本最古の歴史書、古事記に登場し、穀物起源神として知られる大地母神です。次のようなオオゲツヒメ神話は、古事記上巻の不思議な挿話(そうわ)で、五穀の起源とされています。 

 天空の高天原(たかまがはら)を追放された神様スサノオ(須佐之男)が、空腹を覚えてオオゲツヒメに食物を求めると、この女神は鼻や口、尻(しり)から出した食物を料理して差し出しました。スサノオは汚(きたな)らしいと怒り、彼女を斬り殺します。すると、オオゲツヒメから(かいこ)、から(いね)、から(あわ)、から小豆(あずき)、陰部からから大豆(だいず)が生まれました。 

上一宮大粟神社(かみいちのみやおおあわじんじゃ、71歳のホームページ、徳島): http://kangawa.life.coocan.jp/is2/newpage42.html; http://kangawa.life.coocan.jp/is2/

 古事記に詳しい詩人の蜂飼耳(はちかいみみ、1974~ )さんによると、この神話には、生きることの秘密が書き込まれている、と話す。女神が殺されて、身体から人間にとって有用な、生きていくために必要な農産物が生じる。このことは、自分たちが食べることや農作業の営みに対する畏怖(いふ)の気持ち、収穫への願い、不作への恐怖など起源の痛みが表されている。ということで、五穀神話には、生きていることをとらえる感覚が凝縮されているという。

 なお、神山町域は、古くは大粟山(おおあわやま)といい、その史料上の初見は、平安時代、1146年(久安2年)とされています。

(参考文献) 吉崎正松: 都道府県名と国名の起源、古今書院(1972); とくしま地域政策研究所編: 吉野川事典、農山漁村文化協会(1999); 徳島県の歴史散歩編集委員会編(高橋啓監修): 徳島県の歴史散歩、山川出版社(2009); 北陸中日新聞: 現代に生きる神話 1 五穀の起源、古事記1300年、石井敬、2012年(平成24年)1月4日(水)、夕刊.

(追加説明) 古事記日本書紀記紀とも)は、681年(天武10年)、飛鳥時代、第40代天武天皇(631?~686)が編纂を命じた、現存する日本最古の歴史書です。記紀には、天上の高天原(たかまがはら)から地上に降臨(こうりん)し、天皇家の先祖となる天つ神(あまつかみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)が、国つ神(くにつかみ)、大国主神(おおくにぬしのかみ)から地上の支配権を譲られた話をはじめ、天皇家を中心とする日本統一の由来が書かれています。神社の多くは、記紀に登場する神々を祀っています。

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