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2012年12月18日 (火)

春の七草にまつわる歴史伝承、七草粥(ななくさがゆ)、秋の七草との違い、とは(2011.1.7)

   室町時代、南北朝の頃、春の七草は、左大臣、四辻善成(よつつじよしなり、1326~1402)が詠まれた歌、「せり なずな 御形(ごぎょう) はこべら 仏の座(ほとけのざ) すずな すずしろ これぞ七草」とされています。が、この歌は、「誰に詠まれたかは、不明」とも言われています。

 ここに詠まれた、「セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサとも)、ハコベラ(ハコベとも)、ホトケノザ(コオニタビラコとも)、スズナ(カブとも)、スズシロ(ダイコンとも)」が春の七草です。平安時代、第58代光孝天皇(830~887)の歌、「君がため 春の野に出(いで)て若菜(わかな)摘む わが衣手(ころもで)に 雪は降りつつ」にある「若菜(わかな)」は、この春の七草をさしているという。

 江戸時代、五節句の一つ、旧暦正月七日人日(じんじつ)と言いました。この日には、七草粥(ななくさがゆ)を食べて祝う習慣がありました。前日か、前々日に若菜を摘みます。七日の早朝には、年神様(としがみさま)の下で「七草なずな 唐土の鳥(中国の疫病を運ぶ鳥!)が、日本の国に 渡らぬうちに、すっとことんのとん」と唱えながら、まな板の若菜を包丁でたたきます。これら若菜を食べることは、1年の邪気を払い、万病を防ぐことになるという。というわけで、1月7日の朝、七草の入った粥(かゆ)を食べ、邪気を払い、長寿と幸福を祈りました。

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春の七草(はるのななくさ、右上から スズナ、セリ、ゴギョウ、ハコベラ、 左上から ホトケノザ、スズナ、 スズシロ、 田中修著、雑草のはなし、口絵、p.4~5、春の七草、中公新書(2007)、より) 

(解説) 昔から、真冬、正月の七日、若菜を摘み取って、七草粥(ななくさがゆ)にして、春の七草を食する習慣がありました。が、時代や土地によっていくぶん異なるという。この春の七草は、秋に発芽し、冬の寒さに強くて、寒さの中で成長し、若菜を茂らす植物です。七草のうち、セリだけは田や湿地に自生する多年草で、ほかは1年草の野草です。

 七草粥(ななくさがゆ)の習俗は、古くは万病を除くといい、正月の初めての子(ね)の日に、野山に出で小松菜(こまつな、冬菜とも、?)を採り、若菜を摘んであつものにして食べた遊びに始まるという。なぜ正月七日になったのかはっきりしないのですが、古代中国でも行われおり、その影響とも考えられています。

 日本では、平安時代、第60代醍醐天皇(885~930)、911年(延喜11年)正月七日に「七草の若草を供す」と「公事根源」に出ていますので、その頃すでに正月七日に行われることになっていたと思われます。室町時代になると、立派な行事になっており、江戸時代には、五節句の一つとして、欠かすことの出来ない行事となりました。

 民間では、六日の夜から、桶(おけ)の上に置かれたまな板で若菜をたたきながら、「七草なずな、唐土の鳥と 日本の鳥と 渡らぬさきに、七草はやす」などと歌いはやし、その七草を使った粥(かゆ)を食べました。「唐土の鳥」とは、鬼車鳥(きしゃどり、うぶめとも、疫病を運ぶ鳥!)という怪鳥で、小児の衣服に血の滴(したた)りが落ちると、小児は病気になると言われています。そして、七草粥を食べさせ、小児を厄災から守ろうとしたという。

 春の七草は食用にするものですが、現代の生活では、セリ、スズナ(カブとも)、スズシロ(ダイコンとも)以外の七草もそう簡単に手に入らなくなり、七草の行事もほとんど行われなくなっているという。

 一方、秋の七草は、ヤマハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、フジバカマ、オミナエシ、キキョウなどですが、すべて見て楽しむものです。これに伴う習俗も七種の花をいっしょに神にささげるというような行事は少なく、一つ一つの花が別々の神の祭祀(さいし)に関係をもっています。たとえば、ススキ(尾花)は月見の行事と関係しています。また、ナデシコ(撫子)はトコナツともいい、はやり正月といって、不幸の多い年は、夏にもう一度正月をする風習があり、その時この花を飾って祝うことがあったという。

(参考文献) 樋口清之(監修): 生活歳時記、p.15、七草がゆ、三宝出版(1994); 高橋勝雄(写真、解説): 野草の名前(春、夏)、山と渓谷社(2003); 田中修: 雑草のはなし、見つけ方、たのしみ方、中公新書(2007).

(参考資料) 春の七草(画像検索、google画像):http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&q=%E6%98%A5%E3%81%AE%E4%B8%83%E8%8D%89&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=3r0mTZukLczCcYTi3IkB&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=3&ved=0CEcQsAQwAg&biw=1004&bih=581

(追加説明) 鏡開(かがみびらき)は、正月11日、年神様(お正月様)にお供えしていた鏡餅をおろして食べる祝儀です。もと武家では男子は具足(ぐそく、甲冑、鎧、兜、かっちゅう、よろい、かぶとなど)に、女子は鏡台に鏡餅を供え、それを割りました。鏡餅は刀で切る(年神様とのご縁を切る!)ことを忌(い)み、手や鎚を用いて割ったので、開く、割るなどという。鏡開きの餅は汁粉などにして食べるところが多い。(生活歳時記より)

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