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2012年12月20日 (木)

イネ(稲)のデンプン(多糖類、堅さ、粘り、甘さ、ヨウ素との反応)、モチ米とウルチ米の加工食品(米のアミロースは堅さ、アミロペクチンは粘り、うまさ)、農業カレンダー、天皇陛下がもみまき、とは(2012.4.1)

   日本人の主食物、イネ(稲)から得られるデンプン(澱粉)の遺伝的性質(粘りと堅さ、甘さ)、モチ米とウルチ米(デンプン成分のアミロース堅さ、アミロペクチン粘り、うまさ、元気のもと)などについて、改めて調べてみました。

 デンプン(澱粉)多糖類(たとうるい、グリカン、ポリグリコースとも、高分子化合物)の一つであり、植物種子、根、地下茎(ちかけい)などに多量に蓄(たくわ)えられます。 ジャガイモは、生のままでは「かたく」て「まずい」が、煮たり、蒸したりすると、「やわらかく」「おいしく」なり、しかも殺菌もされるので安全な食べ物にもなります。イモの場合は、おもな成分であるデンプンのアミロペクチンが規則正しい集合体(結晶状態)をつくっており、それが水と熱でこわされてやわらかくなります。これをデンプンの糊化(こか)といいます。

         

 デンプン(澱粉、多糖類、アミロースとアミロペクチン、堅さと粘り、google画像) 天然高分子化合物アミロースとアミノペクチン、化学教育ジャーナル、第2巻第2号/採録番号2-17、樫田 豪利)
: http://chem.sci.utsunomiya-u.ac.jp/v2n2/kashida/chapter3/sec2/c324.htm

 デンプンは基本的にはグルコースが直鎖状につながったアミロースと分岐状のアミロペクチンから構成されています。アミロペクチンは、いわば分岐した短いアミロースの束が密集して結晶構造をつくっているので、生のままでは消化酵素が進入できず、グルコースに分解されない。

アミロースとは、澱粉を構成する主成分の一つです。グルコースが長鎖状につながった高分子。水に溶け、冷時、ヨウ素溶液にあえば青藍色に着色します。アミロペクチンとは、澱粉を構成する主成分の一つです。グルコースが多数の分岐(ぶんき)をもって鎖状につながった高分子です。水に難溶。熱水で澱粉糊を生じ、冷時、ヨウ素溶液にあえば赤紫色に着色します。  

 ウルチ米(コシヒカリ、ササニシキなど)のデンプン成分はアミロース(20~25%)とアミロペクチン(70~80%)の混合物です。米の粘りは、デンプン成分のアミロースが少なく、アミロペクチンの含量が多いものほど高くなります。そして、炊くとアミロペクチンにより軟らかく粘りが出てきます。また炊いて食べると、デンプンは糖の一種なので、甘く感じられます(うまさ!)

 一方、モチ米のデンプンはアミロースが100%となっています。アミロースの多い外米(インディカ米、ジャバニカ米など)は、炊くと、堅く、パサパサとなるので、焼きめし、ピラフなどして食べます。

○ モチ米とウルチ米の加工食品(餅、白酒)

kome

玄米(左 旭糯(モチ米)、右 ヒノヒカリ(ウルチ米)、農業総合センター、奈良、google画像) もち米の話(奈良県農業総合センター、奈良): http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_menuid-26486.htm. コメのの外観は、モチ米は白っぽく、一方、ウルチ米は半透明に見えます。

 米粉(こめこ、こめのことも)とは、米をひいて粉状にしたものです。食料・糊料とします。糝粉(しんこ)とは、白米を日光に乾かし、臼(うす)でひいて粉にしたものです。これを水でこね、蒸してついたものを、糝粉餅(しんこもち)といいます。

  餅(もち)とは、その歴史は古く、すでに奈良時代にありました。当時の餅(もち)はモチ米麦粉などを合わせて作ったものでした。江戸時代の頃より、食べ方により、つきたてをおろし醤油(しょうゆ)で食べる辛み餅、切餅を焼いて醤油をつけ海苔(のり)で巻いた磯辺餅(いそべもち)、丸めて餡(あん)で包んだ牡丹餅(ぼたもち)、きな粉をまぶした萩餅(はぎもち)、餡(あん)を包んだ大福餅、きな粉をまぶした安倍川餅(あべかわもち)などがよく知られています。 

 ぼたもち(牡丹餅)は、お彼岸のもちとしてなじみ深いものですが、春から夏にかけて作られ、「あん」をつけたものがぼたもち、秋になってから作られ、「きなこ」をまぶしたものがはぎのもち(萩餅)です。ぼたもち(牡丹餅)は、モチ米とウルチ米を半々に合わせて、普通の飯のように炊きあげ、すり鉢でつぶして作ります。作る際に騒々しい音がしないところから、「隣知らず」「夜船」(いつの間に着くか分からないの意)、「北の窓」(月知らずの意)などの異名があります。

 柏餅(かしわもち)とは、ちまきとともに5月の節句に供える蒸菓子です。ちまきよりも歴史は浅く、江戸で5月の節句に供えられるようになったのは、16世紀の中頃以降のことです。その製法は、ウルチ米の粉を練って楕円形(だえんけい)に伸ばし、あんを入れて折り重ね、貝形にしてからせいろで蒸し、カシワの葉で包む。あんにはアズキのこしあんのほか、味噌(みそ)に砂糖を入れた味噌あんもあります。なお、柏(かしわ)はブナ科の落葉高木で、東アジアに広く分布しています。

 桜餅(さくらもち)は、道明寺種(どうみょうじだね、ウルチ米の飯を乾かしたもの)もしくは小麦粉をもとに餅(もち)を作り、あんを包んで半月形にし、塩漬けした桜の葉で巻いたものです。桜の葉の香りと塩味が一種独特の味わいをかもしだしています。

 白酒は、お雛様(おひなさま)に供える酒です。モチ米を蒸して冷やし、槽に入れ、ミリンを混ぜたのち半月くらいしてからひき臼(うす)ですりつぶして醸造します。その味は甘く、女性や子供にも飲めます。白酒と雛祭り(ひなまつり)とが結びついたのは、江戸時代の頃だろうといわれています。

 デンプン(澱粉、多糖類)は身体のエネルギーのもと 

 人間の身体は、デンプン(澱粉、多糖類)をブドウ糖(グルコースとも、単糖類)のような小さな糖に分解してから、からだに取り込みエネルギー源とし、最終的には、水と二酸化炭素(炭酸ガス)にまで分解します。取り出されたエネルギーは、ATP(アデノシン三リン酸)という高エネルギーの化合物として、細胞、つまりは人間が生きていくために使われています。 

 疲れたときに甘いもの(アメ、チョコレートなど)を食べると元気が出てきます。これは、甘いものには糖が含まれているからで、糖が身体のエネルギー源となるからです。スポーツ飲料水にはブドウ糖や砂糖がが必ず入っていますが、これらはエネルギー補給のために重要な成分です。マラソンの選手は、スポーツドリンクがなかった頃、走る前にモチを食べていたが、走行中に腹痛を起こすこともあったという。

 私は、1975年(昭和50年)1月からアリゾナ大学(ツーソン、U.S.A)化学科博士研究員として1年間留学したとき、大学近くの食堂で、はじめて、細長くパサパサした外米(インディカ米!)の焼きめし料理を注文し、おいしく食べたことが強く印象に残っています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、三宝出版(1994); 大木、大沢、田中、千原編: 化学事典(第1版)、東京化学同人(1994); 伊佐、内田、関崎、本浄、増田、宮城著: 化学の目でみる物質の世界(第4版)、内田老鶴舗(2003); 日本化学会編: 化学ってそういうこと! 夢が広がる分子の世界、化学同人(2003).

(追加資料) 各種農作物(イネ含む、農業カレンダー、@フードダイアリ、あぐりチャンネル、JAFIC、食品産業センター、農林水産省): http://www.agri-ch.net/agri-ch/

(追加説明)  ○ 米の栄養成分 

日本産、うるち)米の各種栄養成分の含量は、ふつう玄米(カッコ内は白米)100g中、水分は15.5(15.5)g、糖質72.5(76.6)g、タンパク質7.4(6.2)g、脂質2.3(0.8)g、リン0.3(0.15)g、カルシウム10(6)mg、1.1(0.4)mg、ビタミンB1 0.36(0.09)mg、B2 0.1(0.03)mg、ニコチン酸4.5(1.4)mg、などです。精白度が高くなるにつれて糖質以外の栄養素は少なくなります。糯(もち)米は粳(うるち)米と比べて各栄養素の含有率はほぼ同じですが、形態上は一般に糯(もち)米のほうが透明度が低いです。

○ もち(糯)うるち(粳)  

 もち(糯)とは、イネ、トウモロコシ、ムギ類など、イネ科植物のデンプンにみられる遺伝的性質で、アミロースが少なく、アミロペクチンを多く含むものです。米、クリ(栗)、キビ(黍)などで、粘りが強く、ついて餅(もち)とすることができる品種です。 ヨウ素により赤紫色に染まります(ヨウ素-デンプン反応!)。粘性が高く(もち)、強飯(こわめし)、菓子などの原料とされます。

 うるち(粳)とは、イネ、トウモロコシ、オオムギなどイネ科の植物のデンプンにみられる性質で、もち(糯)よりもアミロースが多く、煮ると粘りが強く、ヨウ素により青色(青紫色、青藍色とも)に染まります(ヨウ素-デンプン反応!)。 焚(た)いた時、糯米(もちごめ、モチ米)のような粘り気をもたない、普通の米のことです。うるごめ。うるしね。飯米に用いるのは粳米(うるちまい、ウルチ米)です。

○ 糖(とう)は元気のもと

 糖(とう)には、ブドウに多く含まれるブドウ糖(グルコース)、桃やメロンに多く含まれている果糖(フルクトース)、サトウキビや砂糖大根などに多く含まれている砂糖(スクロース)、ミルクに含まれている乳酸(ラクトース)などがあります。赤ちゃんは乳糖をを分解してミルクから栄養を補給しています。

○ 天皇陛下がもみまき 

 天皇陛下は、2012年(平成24年)4月24日(火)、うるち米ニホンマサリと、もち米マンゲツモチの種もみを、皇居の生物学研究所前にある苗代にまかれた。5月下旬ごろに田植えもする。秋の稲刈りも陛下が自らする。収穫したコメは、11月の新嘗祭(にいなめさい)など皇室の神事にも使われる。(2012年4月25日、北陸中日新聞、朝刊より)

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