農業(農産物貿易)、世界の穀倉地帯(米、小麦、トウモロコシ)、世界の農産物の輸出入、日本の主な農産物の輸入相手国、日本の高関税率(%)の農産物と主な産地、とは(2012.4.26)
日本は世界一の農産物の輸入国で、主要国の中でも自給率が最低といわれています。 そこで、世界の穀倉地帯、世界の農産物貿易、日本の主な農産物輸入相手国、日本の高関税率(%)の農産物と主な産地などについて改めて調べてみました。
○ 世界の穀倉地帯(米、小麦、トウモロコシ)
世界の穀倉地帯は、米は多雨地域(熱帯、温帯、亜寒帯など)に広く分布し、小麦やトウモロコシは比較的少雨地域(温帯、亜寒帯など)に分布しています。 日本では、小麦やトウモロコシなどを輸入に依存しているため、。米の穀倉地帯は、米どころとも言われています。
日本の都道府県別の米の収穫量は、新潟県、北海道、秋田県、福島県、山形県、宮城県、茨城県、栃木県、千葉県、岩手県、青森県など、北日本の地域が上位にあり、雪解け水からもたらされる豊富な農業用水や夏季のフェーン現象などによる高温が高い収量を支えています。 穀倉地帯(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%80%E5%80%89%E5%9C%B0%E5%B8%AF.
日本のお米の生産量(食材栄養事典): http://nutritional.jp/rice.cfm.
○ 世界の農産物の輸出入額
主要国の農産物の輸出入額(2007年(平成19年)、農林水産省、google画像)
日本は世界最大の農産物輸入国です。農産物をもっぱら輸入している国は、日本、韓国などですが、日本は純輸入額(輸入超過額)が最も大きい点で目立っています。
○ 日本の主な農産物の輸入相手国
日本の主な農産物の輸出乳相手国(2008年(平成20年)、農林水産省:http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h21_h/summary/p1_c1_01.html、google画像)
日本の農産物輸入は、米国、EU(ヨーロッパ地域)、中国、豪州(オーストラリア)、カナダなど、上位5位の国・地域で7割を占めており、トウモロコシでは米国が9割を超えるなど、特定国に依存した構造となっています。
中国からの農産物輸入は、食品の残留農薬に関するポジティブリスト制が導入された2006年(平成18年)以降、野菜の輸入量が減少し、また、輸入食品による薬物中毒事案もあり、2008年(平成20年)に農産物輸入額も減少に転じ、前年比で2割減となっています。
○ 日本の高関税率(%)の農産物と主な産地
日本の主な高関税率(%)の農作物は、コンニャク 1706%、米 778%、ラッカセイ(落花生) 593%、アズキ(小豆) 403%、オオムギ(大麦) 256%、コムギ(小麦) 252%など、となっています。
それらの主な産地は、コンニャク(サトイモ科コンニャク属)は群馬県(89.5%)、米(イネ、イネ科、イネ属)はコシヒカリ(38.0%)、ひとめぼれ(10.6%)、ヒノヒカリ(10.3%)、あきたこまち(9.0%)などの品種、特に北日本地方での生産量が多い、ラッカセイ(落花生、マメ科ラッカセイ属)は千葉県(74.6%)、アズキ(小豆、マメ科、ササゲ属)は北海道(>60%)、オオムギ(大麦、イネ科オオムギ属)については、佐賀県(二条大麦、32.4%)、福井県(六条大麦、32.8%)、愛媛県(裸麦41.1%)、コムギ(小麦、イネ科、コムギ属)は北海道(65%)など、となっています。
というわけで、不測の事態に的確に対処するためにも、平素から、農地や担い手、農業技術の確保により国内農業の食料供給力(食料自給力)の強化を図る必要があります。
(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、三宝出版(1994).
(追加説明)
〇 コンニャク(蒟蒻)は、広辞苑によると、インドが原産地とされ、古く渡来して各地で栽培。雌雄異化で、1mに達する。地下の球根を「こんにゃく玉」という。こんにゃく玉を乾燥して粉とした、粉末に水を加えてこね、これに石灰乳を混ぜて煮沸し固めて製した食品。
こんにゃく玉の主成分は、マンナンで、食用こんにゃくを製し、また、糊の原料とする。太平洋戦争のとき、和紙とコンニャク糊で作った気球に水素を詰め、大気高層のジェット気流に乗せてアメリカ本土を攻撃しようとする風船爆弾(ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E8%88%B9%E7%88%86%E5%BC%BE)が兵器として使用されました。
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