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2013年3月31日 (日)

卒業の歌(日本、欧米の曲に日本語の歌詞をつけた唱歌)の原曲、蛍の光(スコットランド民謡、楽しかった昔)、仰げば尊し(米国、卒業の歌)、旅立ちの日に、さくら、翼をください、とは(2011.10.1)

    日本の小学校から高等学校まで、かつては定番となっていた卒業の歌は、蛍の光原曲、スコットランド民謡、R. バーンズ(1759~1796,エリスランド)作詞、楽しかった昔)と仰げば尊し原曲、歌詞不明)でした。 

が、2011年(平成23年)1月、仰げば尊しは、米国で19世紀末に初めて世に出た、「SONG FOR THE CLOSE OF SCHOOL」(原曲、H.N.D.作曲、T.H.ブロスナン(1838~1886,ニューヨーク)作詞、卒業の歌)の旋律と全く同じであることが、一橋大学名誉教授、桜井雅人さん(67才)によって発見されました。 

○ 蛍の光(ほたるのひかり)

 蛍の光(ほたるのひかり)は、広辞苑によれば、歌曲の題名原曲はスコットランド民謡、ロバート・バーンズ作詞楽しかった昔」(Auld Lang Syne)で、友人と別れるとき歌う、「別れの歌」、とのことです。

 わが国では、卒業式用の歌詞を、文部省取調掛だった稲垣千頴(いながきちかい、?~1913)が歌詞をつけ、当初はという題名で、1882年(明治15年)出版の小学唱歌集初編に収録されました。1~4番の歌詞があり、1,2番は「別れの歌(卒業の歌)」ですが、3、4番は調子が一変して、「愛国の歌」となっています。

1. ほたるのひかり まどのゆき 書(ふみ)よむつき日 かさねつつ いつしか年も すぎのとを あけてぞけさは わかれゆく

2. とまるもゆくも かぎりとて かたみにおもう ちよろずの こころのはしを ひとことに さきくとばかり うたうなり 

3. つくしのきはみ みちのおく うみやまとほく へだつとも そのまごごろは へだてなく ひとつにつくせ くにのため 

4. 千島のおくも おきなはも やしまのうちの まもりなり いたらんくにに いさをしく つとめよわがせ つつがなく 

 日本で「別れの歌(卒業の歌)」として定着するのは、明治半ば以降のようです。その内容は、蛍の光を集め、また、雪明かりで書物を読むという中国の故事を引用し、蛍雪の功が成って卒業する子らを送る歌となっています。

 原曲の歌詞は、スコットランドの愛国詩人ロバート・バーンズ(1759~1796)がスコットランド語で作詞した「AULD LANG SYNE(オールド・ラング・サイン)、「遥(はる)か遠き昔」の意で、「古い友人同士が懐かしい想い出をしのび、変わらぬ付き合いを喜び、長い付き合いを祈って杯をかわそう、同窓会!」、といった内容で、別れや幕切れの歌ではありません。歌詞の冒頭は、 Should auld acquaintance be forget, And never brought to mind ?  Should auld acquaintance be forget. And auld lang syne?  スコットランドでは、年始めや結婚披露宴、誕生会などで歌われ、米国などでも大みそか、新年の歌として定着しているという。

 これと全く同じ旋律が、韓国では日韓併合後、1919年(大正8年)、独立を求める韓国の「愛国歌」(東海の水がかれ 白頭山がすりへろうとも 神様がお守り下さる 我が国万歳 無窮花三千里 華麗なる山河 大韓人よ 永遠なれ)となり、また、中国では日清戦争後、学堂楽歌と呼ばれた唱歌の一つ「惜春帰」(ゆく春を惜しむ)となり、1907年(明治40年)出版の唱歌集に掲載されました。

○ 仰げば尊し(あおげばとうとし)

  仰げば尊し(あおげばとうとし)は、これまで作者が謎の歌とされていました。が、2011年(平成23年)1月、一橋大学名誉教授(英語学、英米民謡、歌謡論)の桜井雅人さん(67才)は、1871年(明治4年)、米国で出版された音楽教材の本、「THE SONG ECHO」に、仰げば尊しと全く同じ旋律の楽譜が収録されていることを、ネット上で見つけました。桜井さんは、同書が基本的に初出の曲を載せていることから、「原曲に間違いない」とみています。

 歌詞は、文部省音楽取調掛(おんがくとりしらべかかり)の3人(里見義、加部巌夫、大槻文彦)が合議で練(ね)り上げられたとされています。 その内容は、卒業生が恩師に感謝し、学校生活を振り返る歌となっています。が、原曲には、師の恩、身を立て、名を上げなどの歌詞はなく、時代の影響を受けたと見られています。

1. 仰げば尊し 我が師の恩 教えの庭にも はや幾年(いくとせ) 思えばいと疾(と)し この年月(としつき) 今こそ別れ目 いざさらば 

2. 互いに陸(むつみ)し 日頃(ひごろ)の恩 別るる後(のち)にも やよ忘るな 身を立て名をあげ やよ励めよ 今こそ別れめ いざさらば 

3. 朝夕なれにし 学(まな)びの窓 蛍のともしび つむ白雪 忘るるまぞなき ゆく年月(としつき) 今こそ別れめ いざさらば

 原曲とみられる歌は、「SONG FOR THE CLOSE OF SCHOOL」(卒業の歌)で、4部合唱、メロディーは仰げば尊しと全く同じで、歌詞は「卒業で友と別れるのを惜しむ内容」でした。作詞はT.H.ブロスナン、作曲はH.N.D.とあったが、どのような人物かはっきりしないという。 桜井さんは「日本にはたどれる資料がなく、今の米国でも知られていない歌です。作詞、作曲者の実像など不明な点が多く、今後解明されればうれしい」と話しています。

 わが国では、唱歌(しょうか)は明治時代、西洋文化を学ぶ国策の一環として作られました。1882年(明治15年)、文部省が発行した小学唱歌集には、蛍(のち蛍の光蝶々(ちょうちょ)など、欧米の曲に、日本語の歌詞をつけた唱歌を掲載しました。仰げば尊しは、1884年(明治17年)発行の小学唱歌集、第3編に載っています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第4版)、岩波書店(1991); 朝日新聞(be on Saturday、Song): 世界の人が聞き覚えた スコットランド民謡「蛍の光」、「愛国歌」響く東アジアの夜明け、2009年(平成21年)12月26日(土)、朝日新聞、朝刊より; 「あおげば尊し」米に原曲? 作者の謎 いざさらば 一橋大学名誉教授が発見、1871年教材に楽譜、2011年(平成23年)1月25日(火)、北陸中日新聞、夕刊より.

(参考資料) スコットランド(google画像検索):http://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89&hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=6cx5TuuoLMzUmAWW2snMAQ&ved=0CHoQsAQ&biw=1024&bih=584.

スコットランド民謡(世界の民謡・童謡、蛍の光含む、Worldfolksong. com):  http://www.worldfolksong.com/songbook/others/scot_index.html.

蛍の光楽譜、おとタマ、オカリナ楽譜配信サイト): http://ototama.com/music/folksong/score.php?scoreID=84.

仰げば尊し楽譜、おとタマ、オカリナ楽譜配信サイト): http://ototama.com/music/folksong/score.php?scoreID=43.

明治の唱歌小学唱歌(初編、第二編、第三編、文部省音楽取調掛、初編第三十、蛍(蛍の光)、第三編、五十三、あふげば尊し(仰げば尊し)、ホームページ、斉藤基彦、宝塚、大阪): http://www.geocities.jp/saitohmoto/hobby/music/primaryfiles/primary.html.

○ 日本の懐かしい童謡、唱歌など、(歌詞と視聴、ごんべ007の雑学村): http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/00_songs.html

(追加説明) ○ 蛍の光、窓の雪とは、広辞苑には、中国の(しん、265~420)の車胤(しゃいん、学者、政治家、湖北省南平の人、?~397)は貧乏で油がないため蛍を集めてその光りで読書し、また、晋(しん)の孫康(そんこう、学者、政治家、京兆省陝西 (せんせい)の人、生没未詳)は窓の雪明かりで読書したという故事から、苦学すること。学問にいそしむこと。蛍雪、とあります。

 蛍雪(けいせつ)とは、 中国の晋(しん)の車胤(しゃいん)は貧乏で灯油が買えず、袋(ふくろ)に蛍を集めてその光りで書を読み、孫康(そんこう)もやはり貧しかったため、雪明かりで書を読んだという故事による、辛苦して学問すること。苦学。蛍窓、とあります。 また、蛍雪の功は、苦学した成果のことです。

○ ニッカウイスキーの創業者、「日本のウイスキーの父」といわれる竹鶴政孝(たけつるまさたか、1894~1979)は、ウイスキーづくりを学ぶため、日英同盟下のスコットランドに単身、1918年(大正7年)に渡り、グラスゴー大学で醸造学を学びました。1919年の夏、グラスゴー北東の小さな町「カーテンテイロフ」に住むスコットランド人一家、カウン家を、この家の末弟に柔術を教えるために訪れました。そこで出会ったのが、教え子の姉にあたるジェシー・ロバータ・カウン(通称リタ)でした。

 あるとき、リタが、スコットランド民謡で、歌詞がロバート・バーンズのオールド・ラング・サイン(日本では蛍の光)の曲を鼓を持っている政孝に、自分のピアノと合奏しないかと誘い、これをきっかけに2人は親しくなりました。1920年1月、2人は周囲の反対を押し切り、グラスゴーで結婚の宣誓をし、同11月、夫婦として横浜に着きました。日本に戻った政孝はウイスキー一筋、リタは生涯寄り添いました。2人には子供がいなかったので、甥(旧姓宮野)から養子を迎えました、ニッカウイスキー相談役の竹鶴威(たけつるたけし、85才)さんです。「カーキンテレッホ(カーテンテイロフの呼び名)には何もないよ。もう屋敷の跡形もない」とのことです。(朝日新聞(be on Saturday、Song): 世界の人が聞き覚えた スコットランド民謡「蛍の光」、2009年(平成21年)12月26日(土)、朝日新聞、朝刊より) 竹鶴政孝(たけつるまさたか、1894~1979、History-Nikka Whisky): http://www.nikka.com/world/sticking/taketsuru/history/index.html.

○ 旅立ちの日に

1.白い光の中に 山なみは萌(も)えて 遥(はる)かなる空の果てまでも 君は飛び立つ

 限り無く青い空に 心ふるわせ 自由を駆ける鳥よ ふり返ることもせず

 勇気を翼にこめて 希望の風にのり このひろい大空に 夢をたくして

2.懐かしい友の声 ふとよみがえる 意味もないいさかい 泣いたあのとき

 心かよったうれしさに 抱き合った日よ みんなすぎたけれど 思いで強く抱いて

 勇気を翼にこめて 希望の風にのり このひろい大空に 夢をたくして

3.*いま、別れのとき 飛び立とう未来信じて 弾む若い力信じて このひろい 

このひろい大空に *~*繰り返し

 1991年(平成3年)2月、小嶋登作詞、坂本浩美作曲。当時2人は埼玉県秩父市の市立影森中学校の校長(57才)と音楽担当の教諭(26才)で、学校は少し荒れていたようです。坂本さんは自分で弾き歌った録音テープを教職員に配り、生徒に内緒で練習し、3月中旬の「3年生を送る会」で披露、1番は小嶋さんが独唱し、心をこめて生徒を送り出しました。

 その後、坂本さんの依頼で聖徳大准教授、松井孝夫さん(51才)により3部合唱に編曲され、音楽教育専門誌「教育音楽」(音楽之友社)の1992年(平成4年)1月号の付録に載り、全国に知られるようになりました。この歌は、「教育音楽」の調査などでは、10年ほど前から卒業式に歌われる曲の1位にランクされているという。

 勇気(ゆうき)とは、いさましい意気(こころもち、意気込み)。物に恐れない気概(困難にくじけない強い意気)。 希望(きぼう)とは、ある事を成就させようとねがい望むこと。また、その事柄。ねがい。のぞみ。 夢を托(たく)するとは、自分では実現できなかった望みを、他に期待する。(広辞苑より) 

(参考資料)朝日新聞: be Song うたの旅人、巣立つ生徒への贈り物、小嶋登作詞、坂本浩美作曲「旅立ちの日に」、2013年(平成25年)3月30日(土)朝刊,

○ 旅立ちの日に(YouTube): https://www.google.co.jp/search?ourceid=navclient&aq=&oq=&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&q=%E6%97%85%E7%AB%8B%E3%81%A1%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%81%AB&gs_l=hp..0.41l2.0.0.0.1577...........0.

○ さくら、 森山直太朗(YouTube): http://www.youtube.com/watch?v=rEWz0RHj7Zkこの曲は、2003年(平成15年)、森山さんの友人の結婚がきっかけで作られたものですが、卒業式や予餞会などでよく唄われています。

 翼をください、赤い鳥 この曲は、もと1970年(昭和45年)、フォークグループの赤い鳥が、会歓(ねむ)の郷(三重県)でのプロ作曲家コンテスト、ポピュラーフェスティバル’70のために作られた楽曲です。YouTubehttp://www.youtube.com/watch?v=88x6gAWJW-E

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