PM2.5、大気中に漂う大きさ(粒径)が2.5マイクロメートル以下の粒子状物質、ぜんそく発作の増加、花粉症のリスクを高める! とは(2013.3.29)
最近、大気中に漂う大きさ(粒径)が2.5マイクロメートル(μm)以下の微小な粒子状物質(Partichlate Matter)、PM2.5の健康への影響が心配されています。 直径1マイクロメートル(μm)というのは、1ミリ(mm)の千分の一という小ささです。
この物質は、車の排ガス、工場のばい煙、粉じん、タバコや木を燃やした煙、火山灰にもあり、また精密機械の洗浄などに使う揮発性の化学物質(1,1,1-トリクロロエタン、メチルクロロホルムとも)が大気中で反応してできることもあるという。
その公害として、微小粒子のため、花粉症や風邪用のマスクを通り抜け、鼻や気管でも止まらず、肺の奥や血管まで入り、その結果、ぜんそくや気管支炎を誘発したり、肺がんや心臓疾患などを発症させ、死亡リスクを増加させると言われています。
日本では、2009年(平成21年)秋、「1立方メートル中に日平均35マイクログラム(μg)以下、さらに年平均15マイクログラム(μg)以下」とう基準ができました。が、2010年(平成22年)度には46の測定局で達成したのは3割未満で、2013年(平成25年)も1時間平均で100マイクログラム(μg)を超える地点がありました。
環境省は、2013年(平成25年)2月に作った注意喚起の暫定(ざんてい)指針として、日平均で70マイクログラム(μg)を目安として、ぜんそく患者らはそれ以下でも影響が出る可能性があるとしましたが、それが裏付けられたといえます。
2012年(平成24年)1~7月、兵庫医大の島正之教授(公衆衛生学)らの研究チームは、姫路市内のPM2.5の濃度の変化と発作を起こしたぜんそく患者との関連を調べ、濃度が日平均は62.7マイクログラム(μg)で、週平均で1立方メートル中に20マイクログラム(μg)程度から、発作を起こすぜんそく患者が増えるという結果を得ました。
その原因として、中国からの越境汚染としてPM2.5が占める割合は、海洋研究開発機構の金谷有剛主任研究員らによる年平均のシミュレーションの結果、近畿地方では約4割、九州や中国、四国地方では約5割を占め、日本海側にも及んでいて、特に冬の1月頃は西風が強く、中国の暖房による大量の石炭の燃焼、硫黄分が高い質の低いガソリンで走る自動車排ガスに含まれる粒子状物質、工場からのばい煙などによる大気汚染の影響は否定できないという。
島教授は「ぜんそく患者は、屋外で息苦しさを感じたら、激しい運動を避け、建物内に入るとともに、治療薬を使って呼吸の管理をしっかりすることが大切」と話しています。
また、最近の埼玉大大学院の王青躍準教授(環境制御工学)らの研究では、大気汚染が花粉症のリスクを高めることが指摘されています。これまでは、花粉症の原因物質は、約30マイクロメートル(μm)のスギ花粉そのものと考えられていました。が、実際は、花粉症の原因物質のアレルギンは、花粉の表面や中にある1マイクロメートル(μm)以下の粒に含まれている物質であることが分かりました。
大気中のPM2.5に花粉がくっつくと、花粉が破裂し、アレルギンの粒が飛び出しやすくなるという。王准教授は、「微小なアレルギンは気道から肺にも侵入し、花粉症ばかりかぜんそくの引き金になる」と警告しています。
(参考資料) 朝日新聞: 大気汚染 子ら襲う、北京 病院に列・マスク売り切れ、暖房石炭・排ガス影響か、日本への影響は、四国などに飛来? 高い測定値、2013年(平成25年)2月1日(金)、ニュースがわからん! 大気汚染物質のPM2.5が心配だね、3月5日(火)朝刊、PM2.5 ぜんそく発作増加、兵庫医大調査、週平均20マイクログラム境に、3月25日(月)朝刊; 北陸中日新聞: 花粉症 大気汚染で猛威、花粉+PM2.5→アレルゲン大量放出、被害広げる仕組み解明、2013年(兵士25年)3月25日(月)朝刊.
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