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2013年4月 1日 (月)

日本の国花(サクラ、桜)、ソメイヨシノ(染井吉野)、犀川沿いと兼六園の桜、さくらさくら(文部省唱歌)、吉野千本桜、とは(2010.4.10)

  古来、日本の国花(こっか)と言えば、サクラ(桜)キク(菊)を指しました。日本各地で最も多い桜は、ソメイヨシノ(染井吉野)です。この桜は、葉の出ぬ先に花が開き、つぼみは初め淡紅色ですが、次第に白色に変わります。成長は早く、木の寿命は短い(60年?)と言われています。ソメイヨシノは、1代雑種なので実を結ばず、その後は接ぎ木(つぎき)で増やされ、クローン種として、全国に広がりました。かってはヤマザクラ(山桜)、ヒガンザクラ(彼岸桜)、オオシマザクラ(大島桜)など自生が多く、寿命も長い(数百年?)ものでした。

 は、バラ科サクラ属の落葉高木または低木の総称です。サクラ属は亜科とされることもあります。中国大陸、ヒマラヤ、台湾にも数種ありますが、日本に最も野生種が多く(11種)、特に、江戸時代には、多数の品種が交配により育成され、今日では、鑑賞を目的とした園芸品種は、300種を超えると言われています。

 は、ヤマザクラ(山桜、シロヤマザクラ、白山桜とも、関東以南の山地に自生する)、ソメイヨシノ(染井吉野、エドヒガンとオオシマザクラの交配雑種)、サトザクラ(里桜、オオシマザクラから園芸的に作られた変種、イエザクラ、家桜とも、伊豆半島に自生あり)、ヒガンザクラ(彼岸桜、コヒガン、アケボノヒガンとも、エドヒガンの俗称、本州から九州の山中、特に中西部に多く自生する)などが普通ですが、天然記念物も多いようです。

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犀川沿いのヤマザクラ(山桜、白山桜とも、 犀川土手の桜と中洲の景色、 犀川土手の桜、桜田、金沢、石川) 最近、近くの犀川右岸堤防で、花びらが白いオオシマザクラ50本の植樹式がありました。(2010年(平成22年)4月10日撮影)

(解説) 江戸末期、東京近郊の染井村(のち東京豊島区駒込付近)の植木職人ソメイヨシノを育成し、ヨシノザクラ(吉野桜)として売り出しましたが、吉野山(奈良県)のヤマザクラ(山桜)であること、また、後に藤野寄命(ふじのきめい)、1848年(嘉永元年)~1926年(大正15年)による上野公園(東京)のの調査から別種のものであることが分かり、1891年(明治24年)、ソメイヨシノ(染井吉野)命名され、1900年(明治33年)、牧野富太郎(まきのとみたろう)、1862年(文久2年)~1957年(昭和32年)の尽力で、日本園芸会雑誌、第92号に掲載されました。ソメイヨシノは、エドヒガン(江戸彼岸、ヒガンザクラとは別種、ウバヒガン、アズマヒガンとも、本州以南や中国大陸一部に自生する)とオオシマザクラ(大島桜、サトザクラの変種、伊豆七島に自生する)の1代雑種(交配種)という説が有力です。

 は、白色、淡紅色から濃紅色五弁花を開くものが多いのですが、緑化して黄緑色となったウコン、鬱金、ギョイコウ、御衣黄)も知られています。この紅色は、アントシアニン系色素シアニジンであり、カーネーションの花と同じ色素です。

 花びらには、一重咲(ソメイヨシノ、カンザクラ、寒桜)、八重咲菊咲(兼六園菊桜)、二段咲があり、また種子から数年で開花するワカキノサクラ(稚木の桜、幼型)の品種もあります。

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兼六園の菊桜兼六園、金沢、本多郁夫氏撮影、google画像)

(解説) 兼六園(金沢)の最も有名な桜は、兼六園菊桜と名付けられた遅咲き八重桜です。球状の花を付け、その花びらの数は約260枚にもなることから菊桜と名付けられました。花は開花時に濃い紅色をしていますが、次第に淡くなり満開の時には薄白くなります。

 木材は、均質で、器具材、造船材などとし、また、古来、版木に最適とされています。樹皮はタバコ入れなどの細工物となるほか、これから咳止薬(桜皮仁)が作られています。

 食材として、八重咲の品種の花を塩漬したものは、熱湯に入れて祝事に飲用し、オオシマザクラの葉は桜餅を包むのに使います。この香りは、葉に含まれていたクマリン配糖体が壊れ、クマリンがでjきて芳香を放つからです。クマリンは和菓子に桜の香りをつけるのに用いられています。サクランボは、同じサクラ属の果樹、桜桃(おうとう)のことで、果実は食用にします。 

 日本代表的として、江戸時代から、「桜」がよく知られていますが、作詞者も作曲家も不明です。江戸時代末期の箏(そう、琴、こと)の手ほどき曲と考えられています。明治初期、音楽取調掛(文部省)が「俗曲」を改良する一環として、「咲いた桜」を音楽教育用に編曲、1888年(明治21年)出版の『箏曲集』の中に「」として掲載しました。

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さくら(桜、江戸時代、箏曲、作詞者、作曲家、不明、google画像)

(解説) 「咲いた桜」の歌詞は、さいた桜 花見て戻る 吉野は桜 龍田は紅葉 唐崎の松 常磐(ときわ)常磐 深みどり。

 「」の歌詞は、 桜、さくら 弥生の空は 見渡すかぎり 霞(かすみ)か雲か にほひぞいづる いざやいざや 見にゆかん。

 「さくらさくら」の歌詞は、 さくらさくら 野山も里も 見渡すかぎり かすみか雲か 朝日ににおう さくら さくら 花ざかり。

 歌詞旋律は、時代変化し、親世代は「弥生の空は」と歌うところを、子の世代は「野山も里も」と歌います。最後の終わりの方も、人によって違っています。1941年(昭和16年)、国定教科書『うたの本 下』に収める際に再び歌詞が変わり、題名も「さくらさくら」となりました。現在は、学習指導要領により「さくらさくら」が小学4年の歌唱共通教材として教科書に載っています。 

○ 日本の懐かしい童謡、唱歌など、(歌詞と視聴、ごんべ007の雑学村): http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/00_songs.html

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吉野千本桜(吉野山、一目千本、吉水神社境内、吉野町、奈良、google画像)

 ヨシノザクラ(吉野桜)は、ソメイヨイノ(染井吉野)ではなく、吉野山にあるヤマザクラ(山桜、約3万本!)です。吉野山は、奈良県中部、大峰山脈の北側の一支脈で、かっては、後醍醐天皇(第96代)、1288年(正応元年)~1339年(延元4年、暦応2年)以後4代にわたる南朝の所在地で史跡に富み、古来桜の名所、修験道の根本道場の地でした。(吉水神社(よしみずじんじゃ、もと吉水院、世界遺産、南朝皇居、修験道場):http://www.yoshimizu-shrine.com/.) 

 一目千本(ひとめせんぼん)とは、一目で千本の桜が見えるという、吉野山観桜の絶好の場所です。桜は、4ヵ所に分かれて密集し、口の千本または(しも)の千本、中の千本、上(かみ)の千本、奥の千本などと呼ばれ壮観です。

 郷里(もと松島村、上板町、徳島)にも、松島千本桜の名で知られる桜の名所があります。住民には、しゅばしょ(種馬所)と呼ばれている県立の畜産試験場ですが、その周辺と場内にはソメイヨシノ(染井吉野)が約900本と品種の異なる桜が約100本植えられていて、桜の季節には花見客で賑わっています。松島の千本桜(上板町、徳島):http://list.tabiiro.jp/203753.html

 昔の村には、どの土地でも立派な桜が、小高い丘の上など、いつも見える場所にありました。人々は桜を目安に畑仕事をしました。には神も人間も虫も桜に集まり、桜の前では、神も人もいっしょに舞い、遊ぶ、そうした「神遊び」が「花見(はなみ)」だと言う。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 石川化学教育研究会編: 科学風土記ー加賀・能登のサイエンスー、p.107、板垣英治、兼六園の桜、裳華房(1997); 伊藤千寿(文)、松本敏之(写真): be on Saturday、不思議な花の謎を追う、日本古謡「桜」、うた(song)の旅人、2009年(平成21年)4月11日(土)、朝日新聞、朝刊より.

(参考資料) 兼六園花便り(兼六園、城森順子氏撮影):http://www4.city.kanazawa.lg.jp/11003/kenhana/index.html

兼六園の菊桜(石川の植物、本多郁夫氏撮影):http://www48.tok2.com/home/mizubasyou/kenrokuenkikuzakura.htm

吉野千本桜(吉野山、吉野町、奈良、google画像):http://images.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&q=%E5%90%89%E9%87%8E%E5%8D%83%E6%9C%AC%E6%A1%9C&um=1&ie=UTF-8&ei=QVezS5bTEoqTkAXjkqyDBA&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=4    &ved=0CB4QsAQwAw.

(追加説明) ○ 桜の名所といえば、まず奈良の吉野山、京都の嵐山をあげるべきだろう。吉野山、嵐山ともに1000年をこえる老木がある。また、謡曲「桜川」で有名な桜川(茨城県)、霞間谷(かまがたに、岐阜県)、小金井(東京都)、上野(同上)、榴ガ岡(つつじがおか、仙台市)、室(おむろ、京都市仁和寺)が代表的である。明治以降の植樹では、木曽川提(愛知県)、荒川提(東京都)が有名であり、井之頭公園(東京都)、村山・山口貯水池(同上)などのように新しく知られるように生ったところもある。

 桜の名木としては、奈良の八重桜(奈良市知足院境内)、白子(しろこ)不断桜(三重県白子町子安観音境内)が有名。白子の不断桜は、盛夏をのぞき、年中花をつける。巨木では山梨県の山高神代桜が日本一である。。(樋口清之監修: 生活歳時記、p.193、三宝出版(1994)より)

○ 花見(はなみ)については、古代、桜ではなくであったという。を賞する習慣は、平安時代に起った。当時はもっぱら貴族の行楽で、酒を飲みながら詩歌をうたった。庶民の行楽となったのは、元禄以降のこと。秀吉醍醐の花見は有名。昔、農村においては、花見は農作に先立って守らねばならぬ春の儀礼の一つで、これを花見正月ともいった。(樋口清之監修: 生活歳時記、p.204、三宝出版(1994)より)

〇 サクラの来た道ヒマラヤザクラ(染郷正孝、東京農業大学、特別寄稿、J.HTSJ,Vol.45,No.191,p.1-5(電熱 2006年4月):http://www.htsj.or.jp/dennetsu/denpdf/Prof_Somego.pdf

 ヒマラヤザクラの染色体を調べると、日本のサクラと同数(16個)の安定した野生種で、交雑実験やつぎ木の親和性も遺伝的に日本種と近縁であることが確認された。が、ヒマラヤザクラは日本のサクラに比べて、花の構造はもろいのに花びらが全く散らない矛盾や、枝は風に弱く折れやすい性質などが注目され、また、花からは朝露のようにポタポタと蜜を落とすという。なお、ジュウガツザクラやフユザクラの品種の存在は、遺伝子で言う「先祖返り」という現象とも言及されています。

〇 シダレザクラ(枝垂れ桜) 植物の話 あれこれ シダレばやり: http://home.interlink.or.jp/~hidebo/sidarebayari.html

 学者の話では「枝垂れるのは、遺伝子の配列が1つ違っただけだと思う」とのことです。

〇 枝垂れの原因
 樹木の枝が上に向かって伸びるのは、枝の先端部でオーキシンという植物ホルモンが伸長成長させ、ジベレリンというホルモンが肥大成長させることで生じます。が、何らかの原因で枝の上側にジベレリンが作用せず、肥大成長できずに枝が重力に抗しきれなくなり
枝垂れるそうです。
(文献)
(1)みんなのひろば(日本植物生理学会):https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=486
(2)Botanical Artsalon:http://botanicalartsalon.com/index.php?QBlog-20140307-3

〇 花筏(はないかだ)の由来

 花筏については、広辞苑によると、花が散って水面に浮かび流れるのを筏に見立てていう語。室町時代の閑吟集に、奈良の 吉野の川の花筏とあり、これが由来のようです。

吉野川の花筏

浮かれてこがれ候(そろ)よの
浮かれてこがれ候よの

 これは、恋歌みたいです。 閑吟集は、日本語大辞典(朝倉書店)によると、編者 未詳、東海地方に隠棲した詩歌に通じた文人または僧侶か。室町時代、1518(永正15年)8月成立。

 閑はミヤビヤカ、ホノカの訓。雅やかに静かに歌謡を吟誦する小歌集の意とみられる。春、夏、冬、恋の順に配列しながらも、各部立の中に恋歌が含まれているのが特長である。 室町時代の庶民の息吹が反映している、室町時代語の特徴を示す語列が多く搭載されている。 

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