荒城の月、滝廉太郎の作曲のルーツとされる富山城(富山)、岡城(竹田市、大分)、土井晩翠の作詞とゆかりのある鶴ヶ城(会津若松、福島)、青葉城(仙台)、福岡城址(二戸市、岩手)、外された♯(シャープ)の音、とは(2013.5.22)
荒城の月(こうじょうのつき)は、20世紀最初の1901年(明治34年)、中学唱歌として発表され、長年にわたって歌われている日本の名歌で、土井晩翠(どいばんすい、1871~1952)作詞、滝廉太郎(たきれんたろう、1879~1903)作曲の歌曲です。
東京音楽学校(現・東京芸大)発行中学唱歌として、同校は新進の詩人だった土井に歌詞を委嘱し、また、その詞に付ける曲を公募した結果、同校の研究科に在籍していた滝の曲が採用され、1901年(明治34年)、箱根八里とともに初めて掲載されました。作詞者と作曲者が、一度も会わずに完成した荒城の月は、評判がよく、新聞評も好意的だったという。
原曲は旋律だけだったが、大正時代(1912~1925)に作曲家山田耕筰(やまだこうさく、1886~1965)が、テンポを遅くして、ゆっくり情感をこめて歌えるように編曲しました。
山田はさらに、はなのえんのえの音の♯(シャープ、半音高く)を取る改変もしました。この♯は、滝の発表時から違和感があると指摘されており、現在ではほとんどの歌手は山田の編曲で歌っています。もっとも、滝の意図を無視していいのか、と異議を唱える学者もいるという。
○ 荒城の月(YouTube): http://www.youtube.com/watch?v=SbLuhlq-qik.
1 春高楼(こうろう)の花の宴 めぐる盃(さかずき)影さして 千代の松が枝(え)わけいでし むかしの光いまいづこ
2 秋陣営の霜の色 鳴き行く雁(かり)の数見せて 植うるつるぎに照りそいし むかしの光いまいづこ
3 いま荒城のよはの月 変(かわ)らぬ光たがためぞ 垣に残るはただかつら 松に歌ふはただあらし
4 天上影は変(かわ)らねど 栄枯は移る世の姿 写さんとてか今もなほ あゝ荒城の夜半の月
荒城の月(こうじょうのつき、岡城、三ノ丸、高石垣、、竹田市、大分県、google画像)
岡城跡(国指定史跡、竹田市、大分県): http://www.city.taketa.oita.jp/okajou/.
(解説) 滝廉太郎は、父(内務官僚、のち地方官)の仕事の都合で、旧富山城内にあった小学校に 通って見た富山城(富山市、富山県)、さらに父の故郷の大分に転勤し、高等小学校を卒業し、上京するまで過ごして遊んだ、荒れ果てた石垣のある岡城(竹田市、大分県)を脳裏に浮かべて作ったとされ、富山城にも岡城の城址にも荒城の月の歌碑が立っています。
また、土井晩翠の作詞とゆかりのある鶴ヶ城(会津若松市、福島県)、青葉城(仙台市、宮城県)、福岡城址(二戸市、岩手県)、いずれの所にも碑が立っています。
(参考文献) 永原慶二監修:日本史辞典(第1刷)、岩波書店(1999); 北陸中日新聞: 荒城の月、土井晩翠作詞、滝廉太郎作曲、外された♯の音、2010年(平成22年)3月28日(日)朝刊; 朝日新聞: be on Saturday, song, 異国で会った作者同士、土井晩翠作詞、滝廉太郎作曲、荒城の月、2011年(平成23年)10月8日(土)朝刊.
(参考資料) 荒城の月(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%92%E5%9F%8E%E3%81%AE%E6%9C%88.
« JR金沢駅のシンボル、金沢駅東口のもてなしドームと鼓門(つづみもん)、金沢駅西口のステンレス製の大型モニュメント、悠颺(ゆうよう)、とは(2013.5.20) | トップページ | ペダーセン博士(日系2世、韓・日・米、数奇な運命)、クラウンエーテルの発見、1987年度ノーベル化学賞、特定の物質を取り込む化合物の発見、ホストーゲストの化学、超分子の化学、とは(2013.5.24) »
「音楽」カテゴリの記事
- 恋姫(歌 オルリコ)、最近よく耳にする、NHK「ユアソング」4月~5月、とは(2016.7.4)(2016.07.04)
- ビートルズ来日から50年、懐かしいヒット曲、オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(Ob-La-Di, Ob-La-Da、人生は続く!)、とは(2016.6.30)(2016.06.30)
- 懐かしい心に残るテーマソング、NHK ドキュメンタリー「プロジェクトX~挑戦者たち」、ヘッドライト・テールライト(旅はまだ終わらない!)、NHK スペシャルドラマ「坂の上の雲」、Stand Alone(凛として立つ!) (2016.6.28)(2016.06.28)
- 花に寄せる人生と希望のヒット曲、世界に一つだけの花(槙原敬之、オンリーワンの真意、僕が生きる道)、花は咲く(大震災の生者と死者が語る希望の歌)、とは(2016.6.14)(2016.06.13)
- 懐かしいバラのヒット曲、バラが咲いた(バラが咲いた バラが咲いた 真赤なバラが)、五月のバラ(五月 この僕が帰るまばゆい五月 )、とは(2016.5,31)(2016.05.31)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 荒城の月、滝廉太郎の作曲のルーツとされる富山城(富山)、岡城(竹田市、大分)、土井晩翠の作詞とゆかりのある鶴ヶ城(会津若松、福島)、青葉城(仙台)、福岡城址(二戸市、岩手)、外された♯(シャープ)の音、とは(2013.5.22):
« JR金沢駅のシンボル、金沢駅東口のもてなしドームと鼓門(つづみもん)、金沢駅西口のステンレス製の大型モニュメント、悠颺(ゆうよう)、とは(2013.5.20) | トップページ | ペダーセン博士(日系2世、韓・日・米、数奇な運命)、クラウンエーテルの発見、1987年度ノーベル化学賞、特定の物質を取り込む化合物の発見、ホストーゲストの化学、超分子の化学、とは(2013.5.24) »
コメント