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2013年11月21日 (木)

世界文化遺産、中国安徽省(あんきしょう)の古村落、宏村(こうそん)、桃源郷のモデル、陶淵明(とうえんめい)の漢詩、「飲酒」、悠然として南山を見る、心遠地自偏、とは(2013.11.21)

 中国安徽省(あんきしょう)の山に囲まれた盆地の中に、桃源郷(とうげんきょう)のモデルにもなったと言われる村々があります。 その中でも宏村(こうそん)は、最も美しいと言われる水に囲まれた村で、明清代(1400~1900、室町~明治)に建てられた伝統的な古民家が100軒以上残っています。

 2009年(平成21年)5月、2000年(平成12年)に世界文化遺産に登録された桃源郷伝説とされる宏村を、NHKのテレビ放送で見たことがあります。

 NHK世界遺産(ライブラリー、2000年、文化遺産)、「安徽省の宏村含む」-(中国国家観局、世界遺産): http://www.cnta-osaka.jp/heritage/ancient-villages-in-southern-anhui-xidi-and-hongcun

 NHKの取材班が、宏村を離れる朝、旅の終わりに、王道根(おうどうこん)さん(76才)に聞いておきたいことがありました

 おじいちゃんにとっての理想ふるさとはどんなとこですか、と尋ねたところ、お茶畑にいた、おじいちゃんの答えは、そんなこと考えたことないね、毎日畑に出て家族と暮らす。ただそれだけ。でも充分満足している、と天地人をからだに感じて生活している姿でした。

 中国桃源郷(ユートピア理想郷!)と呼ばれる宏村については、中国の詩人、陶淵明(とうえんめい365年(興寧3年) ~427年(元嘉3年)、の有名な「飲酒」の第五首の中の、「心遠地自偏」心遠ければ地おのずからなり)がよく当てはまるという。

 その心は、「どこで暮らしていようと、心の持ち様で、そこは自分にとっての理想のすみかとなる」の意で、そのこと(住めば都!)に気づいた時、理想ふるさと桃源郷への入り口は、もう見つかっているかもしれない、とのことです。

Images8

陶淵明(365~427、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B6%E6%B7%B5%E6%98%8E

(解説) 陶淵明の「飲酒(いんしゅ)」と題する二十首の連作(五言古詩)、その第五首の漢詩には、「心遠地自偏」、悠然見南山」など、有名な詩句が見られます。

   悠然(ゆうぜん)として南山(なんざん)を見(み)る陶淵明 「飲酒」五言古詩

結蘆在人境  蘆(ろ)を結(むす)んで人境(じんきょう)に在(あ)り (人里に庵(いおり)かまえて)

而無車馬喧  而(しか)も車馬(しゃば)の喧(かまびす)しき無(な)し (しかも車馬のざわめきもなし)

問君何能爾  君(きみ)に問(と)う 何(なん)ぞ能(よ)く爾(しか)るやと (人はいう なぜそうなのかと)

心遠地自偏  心遠(こころとお)ければ 地(ち)も自(おのずか)ら偏(へん)なり (気の持ちようで 土地もへんぴに)

采菊東籬下  菊(きく)を采(と)る 東籬(とうり)の下(もと) (東の垣根で菊をつみ)

悠然見南山  悠然(ゆうぜん)として 南山(なんざん)を見(み)る (悠然と 南山を見る)

山気日夕佳  山気(さんき) 日(ひ)の夕(ゆうべ)に佳(よ)く (山の気配(けはい)は夕暮れが最上)

飛鳥相与還  飛鳥(ひちょう) 相与(あいとも)に還(かえ)る  (飛ぶ鳥うちつれて塒(ねぐら)に帰る)

此中有真意  此(こ)の中(うち)に真意有(しんいあ)り  (ここにこそある 真実への希(ねが)い)

歌弁已忘言  弁(べん)ぜんと欲(ほつ)して 已(すで)に言(げん)を忘(わす)る  (語ろうとして 言葉さがせず)

 陶淵明は、若い頃10年あまり、断続的に地方の役人をしていましたが、40歳を過ぎると役人生活にいや気がさして、さっさとやめてしまいました。そのとき作ったのが、有名な「帰去来((ききょらい)の辞(じ)」です。

(かえ)りなん いざ 田園将(でんえんまさ)に蕪(あ)れんとす 胡(なん)ぞ帰(かえ)らざる  ---------

 その後63歳で亡くなるまで、地方政府からたびたびの出仕要請にもかかわらず頑(かたく)なにこれを拒(こば)んで、田園生活から離れず、田園の中で労働し、自然と酒を愛して一生を送り、「田園詩人」とか「酒の詩人」と呼ばれています。 

(参考文献) 一海知義: 漢詩入門(第21刷)、p.38~40、  悠然(ゆうぜん)として南山(なんざん)を見(み)るー陶淵明「飲酒」、岩波書店(2013).

(参考資料) 室生犀星(金沢出身の作家)にまつわる歴史実話、ふるさとは(小景異情)、山のあなたの(カール・ブッセ、上田敏訳、海潮音)、桃源郷(陶淵明、宏村、中国)、とは(2009.7.6): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/muro.html 

 

 

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