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2013年12月20日 (金)

すし(鮨、鮓、寿司とも)の歴史、なれずし(馴鮨)、いずし(飯鮨)、はやずし(早鮨)、おしずし(押し寿司)、にぎりずし(握り鮨)、まきずし(巻鮨)、ちらしずし(ちらし鮨)、つつみずし(包み鮨)、とは(2013.12.20)

  すし(鮨、鮓、寿司とも)はもと、魚介類を塩漬けし、自然発酵させた保存食でした。漢字は、関東では、関西ではと書き、寿司あて字です。のち、酢と調味料をまぜ合せた飯に魚肉または菜(具)などを加えた、本来のすし(寿し)という食べものになりました。

 古くから、なれずし、いずし、はやずし、おしずし、にぎりずし、まきずし、ちらしずし、つつみずしなど、多くのなじみのすしがあります。そこで、その名の由来と歴史について、改めて調べて見ました。

〇 なれずしいずし

 古くは、すしは魚介類を自然発酵(数か月~1年)させ、酸味を出させた食品でした。魚は、ふな(鮒)、あゆ(鮎)、たい(鯛)、貝は、あわび(鰒)、いがい(貽貝)など多様です。

 16世紀末ごろ(安土桃山時代)は、魚に温かい飯を加えて、こうじカビによる発酵を促し(1週間ほど)、酸味の出たところで、飯を払い落としていました。

 このような飯に魚を漬けて発酵させるなれずし(馴鮨)は、東南アジアから東アジアに広く分布しています。滋賀県のふなずし(鮒鮨)はその姿をよく残すもので、飯を食べずに魚を食べます。

Kurashi_report08_img051  

ふなずし(鮒ずし、琵琶湖、滋賀県、日本自然保護協会、Ggoogle画像):http://www.nacsj.or.jp/project/kurashi/report08.html. 温かいご飯に鮒ずしをのせて食べます。お茶漬け、またワイン、酒の肴(さかな)にもよく合います。

ふなずし(鮒寿司、鮒鮨とも、滋賀県、Google画像検索):https://www.google.co.jp/search?q=%E9%AE%92%E5%AF%BF%E5%8F%B8(%E9%AE%92%E5%AF%BF%E5%8F%B8)&hl=ja&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=pcmzUtDCLsaKlAWv_IHwBg&ved=0CEsQsAQ&biw=1366&bih=588.

 延喜式(927)には、伊勢、美濃、丹波、播磨、紀伊の鮨年魚(すしあゆ)、大宰府の鮒鮨(ふなずし)、越中の鮭鮨(さけずし)、三河のいがい鮨(貽貝鮨)などを酒宴に使ったとあります。

 北陸地方では、富山のます寿し、石川のかぶら寿し、福井県のさばのへしこなどの郷土料理が、なれずしの流れの食文化を伝える食べ物と思われます。これらは酒の肴(さかな)になりますが、生化学的には、乳酸発酵と共に、酒精発酵が少し見られ、適当に生成したうま味のアミノ酸とよく調和して美味しくなっています。

日本の食文化郷土料理百選、北陸の郷土料理): http://www.maff.go.jp/hokuriku/safe/shokuiku/pdf/111028_3.pdfhttp://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/recipe/area/3.

 室町時代になると、あゆ(鮎)やさば(鯖)などの魚と飯をいっしょに食べる、いずし(飯鮨、生ま馴鮨とも)など、今日も残る形が生まれました。そして、すしの漢字として、の字が使われ始め、味も酸味のから甘味の方に変わっていきました。 

〇 はやずしおしずし 

 しかし、なれずしを作るのに5、6日もかかるので、17世紀(江戸時代)ごろから(す)を混ぜて、一晩でできるはやずし(早鮨)が起こりました。

 江戸にはやずしが伝わったのは、延宝年間(1673~1681)でした。一方、京阪地方では、こけらずし(柿鮨)のようなおしずし(押し鮨、箱鮨とも)がもてはやされ、現在も大阪ずしとして知られています。 

 にぎりずし  

 19世紀初期(江戸時代)、江戸では新鮮な魚介をすし種(だね、ねたとも)にした、にぎりずし(握り鮨)が始まりました。寛政(1789~1800)ころ、二代目華屋与兵衛(1799~1858)が今日の形のにぎりずしを発明しました。これは深川安宅(あたけ)の松のすしと共に、江戸前ずしの代表となりました。

〇 まきずし

 まきずし(巻鮨)では、のり巻鉄火巻伊達(だて)巻鮨などがあります。江戸時代、江戸前の浅草、芝、品川などで、のり(海苔)の養殖がおこなわれ、これが浅草で盛んであった紙漉き(かみすき)の技術と出合い、いたのり(板海苔、浅草のり!)が作られました。そして、のり巻は、江戸時代中期、18世紀には誕生したと言われています。

 単に、のり巻というと、カンピョウ巻のことです。他には、マグロの鉄火巻、キュウリのカッパ巻ナットウ巻などがあります。

〇 ちらしずし

 ちらしずし(ちらし鮨)は、すし飯に具を混ぜ合わせたもので、祭礼などの行事のおりに、ごちそうとして、はじめは一般家庭で作られたものです。

〇 つつみずし

 つつみずし(包み鮨)として、いなりずし(稲荷鮨)、ちゃきんずし(茶巾鮨、薄焼きの卵で包む)、笹の葉に巻いたささまきずし笹巻鮨、毛抜鮨とも)などがあります。

〇 その他 

 具と飯を合わせた、まぜずし(混ぜ鮨)、ごもくずし(五目鮨)、ばらずし(ばら鮨)、温めるむしずし(蒸し鮨、ぬく鮨とも)、具を上に飾りのせる、ちらしずし(ちらし鮨)などがあります。

 また、材料によって、はたはた鮨、ます鮨、かに鮨、いか鮨、あゆ鮨など地方名物も多く、材料の形をくずさずに作る姿鮨も多い。

 現在、世界の無形文化遺産の和食と共に、すし文化も大きな展開を見せ、日本の独創的な食べものとして、外国人にも多くの愛好者が増えています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、p.735、鮨(すし)、平凡社(1973); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、p.810~811、寿司(すし)、三宝出版(1994); 石川化学教育研究会編: 科学風土記ー加賀・能登のサイエンス(第1版)、p.78~80、小原康二、かぶら寿司、大根寿司、裳華房(1997); 永原慶二監修: 日本史事典(第1刷)、p.124~125、鮨・鮓(すし)、岩波書店(1999).

(参考資料) すしの歴史(全国すし商生活衛生同業組合連合会、東京、ホームページ):http://www.sushi-all-japan.or.jp/index_b2_1.html

(追加説明) 回転寿司は、1958年(昭和33年)、立ち食い寿司店主が近鉄布施駅前(大阪府東大阪市)に開いた「元禄寿司がはじまりです。ビール工場のベルトコンベヤーをヒントに考案されました。 

 この「コンベヤ旋廻食事台」を製造したのは、石野製作所(金沢市増泉)で、「自動寿司にぎり機」ができると、本格的な回転寿司産業が到来しました。 石川県の回転寿司システムの製造は、現在100%のシェアを誇っています。(北陸中日新聞: 小林忠雄(北陸大学教授)、金沢らしさ、機械メーカー王国、きらりと光る製品開発、2012年(平成24年)12月8日(土)、朝刊)

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