クリスマス、もとイタリアのローマの農民の間で行われていた冬至の祭り、サンタクロースになった聖ニコラウス司教聖、サンタクロースによる贈物の習慣、クリスマスカードの贈物、クリスマスツリーの習慣、とは(2013.12.25)
クリスマス(Christmas)は、 Xmas、広辞苑によれば、Xはキリストのギリシャ語Xristosの頭文字、masはミサ、祭日、すなわち、キリスト降誕祭のことで、12月25日に行います。
もと太陽のよみがえる日を祝う冬至祭がキリスト教化されたもので、ギリシア正教会では1月6日に行なう聖誕祭のことです。
クリスマス・イブ((Christmas eve)は、クリスマスの前夜の12月24日に行う宵祭です。今日はクリスマスの日です。そこで、クリスマスの由来、サンタクロースによる贈物の習慣、クリスマスカードの贈物、クリスマスツリーの習慣などについて、改めて調べて見ました。
〇 クリスマスの由来
クリスマスは、キリストの誕生を祝う祭りですが、12月25日という日は、のち決められたもので、イタリアのローマ教会では、キリスト誕生後の354年から始まっています。最古の記録は336年のローマの行事を記した、フィロカルスの暦に見えます。
これはもと、イタリアのローマの農民の間で行われていた冬至の祭りからきたもので、その祭りは12月21日から31日まで、11日間も続いていました。そのうちの25日をクリスマスの日としました。
冬至は、太陽のよみがえる日であり、農業にとって何よりも大切な太陽を神として崇(あが)めていました。
というわけで、クリスマスは、キリスト経の祭りではなく、キリスト教徒にとっては、異教徒の祭りでした。それを、キリスト教徒が、その教えを異教徒の間に広めるめに取り入れ、かれらに親しみを覚えさせようとしたものです。
〇 サンタクロースになった聖ニコラウス司教聖
サンタクロース(Santa Claus)については、西暦4世紀のころ、小アジア(のちトルコ)のミラという地にあったギリシャ協会に、ニコラウス(270~343)というたいへん徳が高く、子供好きの牧師(司教聖)さんがいて、この人がそのモデルであろうと言われています。その名は、オランダ語、Sint Klaesの英語のなまり由来です。
この聖ニコラウス司教聖は、古くから子供、学生、商人、船乗りの守り神として、広く人々に崇(あが)められています。毎年12月6日(聖ニコラウスの命日)は、聖ニコラウスの日と呼ばれる、大事な祭りの一つとなっています。
〇 サンタクロースによる贈物の習慣
聖ニコラウスの祝日の12月6日は、当日かその前夜、人々が贈物を持って、よその家を訪問し、お互いの幸福を祝福する習慣がありました。
これがニューアムステルダム(のちニューヨーク)に移住したオランダ系清教徒によってアメリカに伝えられ、クリスマスプレゼントをする既存の習慣と結びつき、白ひげ、赤服、赤ずきん、長靴の老人として表現されるようになりました。
それがいつの間にか、12月24日のクリスマスイブの話に結びついてしまった、と言われています。
また、サンタクロースのおじさんが、トナカイのソリに乗ってやって来るのは、この聖ニコラウスさんが北欧のラップランド人の間で、たいへん崇(あが)められていたので、その風俗が加わったとも、また北欧神話の戦いと知恵の神オーディンが、ソリに乗って人々に贈物を配って歩くという伝説と結びついたとも言われています。
サンタクロース(ウィキペディア、Google画像): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9.
〇 クリスマスカードの贈物
クリスマスカードは、クリスマスを祝って親しい人に贈るカードですが、1843年にイギリスのH.コールが考案し、J.C.ホーズリーに描かせたのが最初と言われており、のち世界各国に広まりました。
〇 クリスマスツリーの習慣
クリスマスツリーは、クリスマスに飾られる木のことですが、モミの若木に蠟燭(ローソク)、金・銀モール、リボン、星、人形などを飾ります。これは、中世の楽園劇に由来し、生命の木(創世記1の9)と関連を持っています。最古の記録は、ドイツのシュレットシュタット年代記(1600年ごろ)に見えます。
(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、p.737、サンタクロースのモデル、p.741、クリスマスの起こり、三宝出版(1994); 新村出: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991).
(参考資料) 〇 冬至、一陽来復(冬が去り春が来る)、冬至節(天壇での皇帝の祭り、中国)、とは(2010.12.22): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/151.html.
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