NHK連続テレビ小説 マッサン(竹鶴政孝、ニッカウイスキーの創業者)とリタ(スコットランド人)夫妻、 お二人を結びつけた歌、蛍の光(スコットランド民謡、楽しかった昔)、マッサン主題歌、麦の唄(中島みゆき)、とは(2014.11.17)
最近、NHKの朝の連続テレビ小説、マッサン(日本のウイスキーの父、竹鶴政孝、ニッカウイスキーの創業者)とスコットランド人、ジェシー・ロバータ・カウン(通称リタ)夫妻の物語が人気番組となっています。
竹鶴政孝(たけつるまさたか、ニッカウイスキーの創業者)は、ウイスキーづくりを学ぶため、1918年(大正7年)、日英同盟下のスコットランドに単身で渡り、グラスゴー大学で醸造学を学びました。
スコットランドのウィスキーは、大麦のデンプンを麦芽で糖化し、その液を酵母でアルコール発酵させ、単式蒸留器で2回蒸留し、オーク樽(たる)で最低3年間は貯蔵し、熟成したものです。その工程中、麦芽を乾燥させるのにピート(泥炭)を用いるので、独特の燻臭(くんしゅう)がつきます。
1919年の夏、グラスゴー北東の小さな町、カーテンテイロフ、に住むスコットランド人一家、カウン家を、この家の末弟に柔術を教えるために訪れました。そこで出会ったのが、教え子の姉にあたるジェシー・ロバータ・カウン(通称リタ)でした。
あるとき、リタが、スコットランド民謡で、歌詞がロバート・バーンズのオールド・ラング・サインの歌、日本では蛍の光の曲を、鼓(つづみ)を持っている政孝に、自分のピアノと合奏しないかと誘い、これがきっかけに2人は親しくなりました。
蛍の光は、もとスコットランド民謡で、スコットランドの愛国詩人、ロバート・バーンズ(1759~1796)作詞の楽しかった昔(Auld Lang Syne)という歌です。 その歌詞は、古い友人同士が懐かしい想い出をしのび、変わらぬ付き合いを喜び、長い付き合いを祈って杯をかわそう、といった内容です。 日本で別れの歌(卒業の歌)として定着するのは、明治半ば以降でした。
1920年1月、2人は周囲の反対を押し切り、グラスゴーで結婚の宣誓をし、同11月、夫婦として横浜に着きました。日本に戻った政孝はウイスキー一筋、リタは生涯寄り添いました。
ドラマの主題歌の麦の唄は、お二人の人生、夫婦愛を、「なつかしい人々 なつかし風景 その総てと離れても あなたと歩きたい 嵐吹く大地も 嵐吹く時代も 陽射しを見上げるように あなたを見つめたい 麦に翼はなくても 歌に翼があるなら 伝えておくれ故郷へ ここで生きてゆくと 麦は泣き、麦は咲き 明日(あした)へ育っていく」、と壮大な前向きの人生として、中島みゆきが、さわやかに、力強く、歌い上げています。
https://www.facebook.com/honjo1003
○ 朝ドラ マッサン(日本のウイスキーの父、竹鶴政孝、ニッカウイスキーの創業者)
竹鶴政孝(たけつるまさたか、1894~1979、ニッカウイスキーの創業者)、 ジェシー・ロバータ・カウン(通称リタ)夫妻、Google 画像)
(解説) 日本のウイスキーの父といわれる、竹鶴政孝(たけつるまさたか、1894~1979、ニッカウイスキーの創業者)は、ウイスキーづくりを学ぶため、1918年(大正7年)、日英同盟下のスコットランドに単身で渡り、グラスゴー大学で醸造学を学びました。
1919年の夏、グラスゴー北東の小さな町、カーテンテイロフ、に住むスコットランド人一家、カウン家を、この家の末弟に柔術を教えるために訪れました。そこで出会ったのが、教え子の姉にあたるジェシー・ロバータ・カウン(通称リタ)でした。
あるとき、リタが、スコットランド民謡で、歌詞がロバート・バーンズのオールド・ラング・サインの歌、日本では蛍の光の曲を、鼓を持っている政孝に、自分のピアノと合奏しないかと誘い、これをきっかけに2人は親しくなりました。
1920年1月、2人は周囲の反対を押し切り、グラスゴーで結婚の宣誓をし、同11月、夫婦として横浜に着きました。日本に戻った政孝はウイスキー一筋、リタは生涯寄り添いました。
2人には子供がいなかったので、甥(旧姓宮野)から養子を迎えました。その人こそ、ニッカウイスキー相談役の竹鶴威(たけつるたけし、1924~ )さんです。現在、リタさんの生まれ故郷の町、カーキンテレッホ(カーテンテイロフの呼び名)には何もないよ。もうリタさんの屋敷の跡形もない、とのことです。
竹鶴威(たけつるたけし、1924~ 、元ニッカーウイスキー社長 )さんは、2014年12月17日、老衰で死去されました。享年90歳。広島県出身。北大卒業後、ニッカウィスキー入社。政孝氏に続き、ウイスキーの味を決める「マスターブレンダー」に就任。2番目の工場、宮城峡蒸溜所(仙台市)を建設しました。海外でも人気のウイスキーを発売し、海外展開の礎を築きました。ご冥福をお祈りいたします。(2014年12月25日、北陸中日新聞朝刊より)
(参考文献) 朝日新聞(be on Saturday、Song): 世界の人が聞き覚えた スコットランド民謡「蛍の光」、2009年(平成21年)12月26日(土)、朝日新聞、朝刊より); 下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991).
(参考資料) 〇 マッサンとリタの物語(80周年記念、NIKKA WHISKY): http://www.nikka.com/world/sticking/taketsuru/history/index.html.
〇 竹鶴政孝(たけつるまさたか、1894~1979、ウィキペディア) :http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E9%B6%B4%E6%94%BF%E5%AD%9D
○ スコットランド民謡(世界の民謡・童謡、蛍の光含む、Worldfolksong. com): http://www.worldfolksong.com/songbook/others/scot_index.html.
〇 麦の唄(NHK連続テレビ小説、マッサン主題歌、中島みゆき、YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=cjJfJg1u_Vo
〇 麦の唄(歌詞、中島みゆき、うたまっぷ.com): http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-141029-198
○ 卒業の歌(日本、欧米の曲に日本語の歌詞をつけた唱歌)の原曲、蛍の光(スコットランド民謡、楽しかった昔)、仰げば尊し(米国、卒業の歌)、旅立ちの日に、さくら、翼をください、とは(2011.10.1): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-1506.html
(追加説明) 〇 スコッチとは、スコッチウイスキーの略で、本来はスコットランド北部のハイランズ地方産のモルトウィスキーのことで、大麦麦芽のみを原料とし、麦芽糖化液を発酵させ、単式蒸留器で2回蒸留して長年貯蔵したものです。その工程中、麦芽を乾燥させるのにピート(泥炭)を用いるので、独特の燻臭(くんしゅう)がつきます。
モルトウィスキーは大麦麦芽のみを原料としたもので、単式蒸留器で2回蒸留します。その工程中、麦芽を乾燥させるのにピート(泥炭)を用いるので、独特の燻臭(くんしゅう)がつきます。
が、現在、世界に出回っているスコッチは、このモルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンド(調合)しカシだる中で熟成したもので、英国のウィスキーの意で、また、日本のウィスキーは、本格ウィスキーにアルコール類を混じた、コンパウンドウィスキーが多い。
グレーンウィスキーの原料は大麦麦芽に、ライ麦、大麦、トウモロコシなどを加えたもので、連続式蒸留器で蒸留する。モルトに比してアルコール分高く、熟成も短くてすむが香味に乏しい。
ということで、一般に、ウィスキーは、大麦・ライ麦・トウモロコシなどを麦芽で糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留した酒。樫樽(カシだる)や楢樽(ナラだる)に、数年以上貯蔵して熟成する。
麦芽は、大麦を発芽させたもので、多量のアミラーゼを含み、ビール・水飴の製造に用います。 アミラーゼは酵素の一つで、澱粉を液化・糖化してグルコースを生じます。麦芽中のものは、ジアスターゼの名で市販されています。
麦芽糖は、麦芽を澱粉に作用させて生ずる二糖類の一つ、白色針状の結晶で、水に溶けやすく、希硫酸と煮れば、加水分解して葡萄糖となります。
酵母(こうぼ、イーストとも)は、アルコール発酵を営む菌類の一群で、円形もしくは楕円形の微細な単細胞であり、出芽で繁殖するもの総称で、子嚢菌類のサッカロミセスが主体です。酒の醸造やパン製造に欠かせない。
酒税法では、特級は原酒(本格ウィスキー)20%以上、アルコール分43%以上。1級は原酒10~20%以上、アルコール分40~43%。2級は原酒10%未満、アルコール分40%以下をいう。
(追加音楽) ○ 泣いてもいいんだよ (作詞、作曲、唄、中島みゆき、YouTube):http://www.uta-net.com/movie/172791/
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