清々しい季節となってきました。先日(6月2日)金沢は、曇天でしたが、県民の杜の遊歩道を散策し、その途中で目にした、珍しい姿の花、ホタルブクロ(キキョウ科)、キンシバイ(オトギリソウ科)、サツキツツジ(ツツジ科)など、ひととき見惚れたのち、その光景をデジカメに収めました。



ホタルブクロ(蛍袋、キキョウ科、提灯花とも、多年草)



キンシバイ(金糸梅、オトギリソウ科、近縁種はピペリカム、常緑低木)



サツキツツジ(皐月躑躅、ツツジ科、皐月とも、常緑低木)
(解説)
ホタルブクロ(蛍袋、キキョウ科、多年草)は、むかし子供が広い鐘形の大きな花にホタルを入れて遊んだという。
キンシバイ(金糸梅、オトギリソウ科、常緑低木)は、 アーチ状に伸びた枝の先に、黄色い5つの花びらの花を、次から次へと開きます。
サツキツツジ(皐月躑躅、ツツジ科、常緑低木) は、開花がツツジの仲間では最後のほうで、5~6月頃、新葉が伸びてから花が咲きます。
花は、葉が変形したもので、完全な花は、雄しべ、雌しべ、花を保護する花被(かひ)や包葉(ほうよう)など、3部分の構成となっています。 花の形が蝶形(ちょうがた)や唇形(くちびるがた)、舌状(ぜつじょう)、漏斗(ろうと)などに似ているのは、いろいろな虫に花粉を運んでもらうためです。
花の色の色素は、黄(カロチノイド、約600種)が多く、次いで、赤、紫、黒(アントシアニン、500種以上)など、白を除く、全ての花の色のもとになっています。 黄や赤の花は、黄や赤の光を反射して、人の目に黄色や赤色に見えます。が、白の花には、何の色素もなく、花弁の細胞小器官の空気の泡を光が乱反射して白く見えます。
(参考文献) 下中邦彦: 小百科事典(初版)、p.1108~1109 花(はな)、平凡社(高橋勝雄: 野草の名前 夏、 山と渓谷社(2002); 主婦の友社編: 花木&庭木図鑑200、主婦の友社(2009); 1973); 新村出: 広辞苑(第四版)、p.2082~2083 はな(花・華)、岩波書店(1991).
〇 養花一年、看花三日!
http://ogossougadechatta.blog94.fc2.com/blog-entry-1815.html
(樋口清之さん監修の『暮らしの365日 生活歳時記』より)
一年の丹精によって育てた花も、見るのはわずか三日。
しかし、この三日のために、人は欣然(きんぜん)として一年の努力を惜しみません!
人生のこと、すべてこれ、「養花一年、看花三日」の一語に尽きます!
しかも、この三日の花を、わずか一夜のうちに、風が吹き散らすことが多いといいます!
春嵐は、無情です。
でも、はかなく、もろく、いくばくもなく散るからこそ、花は人の心をとらえます!