カテゴリー「心と体」の6件の記事

2016年1月28日 (木)

臨床美術、認知症の改善に効果的!心のまま五感で描き、右脳を活性化させ、言語や情報処理をつかさどる、弱る左脳(認知症!)に連動させる、とは(2016.1.28)

 人の頭脳は、右脳(感性、知恵)と左脳(理性、知識)の働きの役割が異なり、絵画、音楽などは、右脳と深い関係があると言われています。 認知症は、言語や情報処理をつかさどる左脳が弱るため、臨床美術により機能を保っている右脳を活性化させ、左脳に連動させるのだという。

 臨床美術は、心のまま五感で描き、空間や音楽的認知をつかさどる右脳を活性化させる効果があるという!  臨床美術士が、正確な描写を求めるのではなく、会話や回想を促すことを通じて、感覚を表現するよう導く 。

 このような、創作活動を通じて脳の活性化を促す、臨床美術は、1996年(平成8年)、金子健二(彫刻家、1951~2008)により、認知症の改善を目的として開発されました。(臨床美術、北陸中日新聞、2016.1.24より) 

4_3

金子健二(彫刻家、1951~2008)

  2015年10月28日、臨床美術の教室が、堀切の越之湖デイサービスセンター(黒部市)で開かれました。出前講座(富山市美術館主催)で、70~90代の女性6人が、実物を触ったり、味わったりして、リンゴを描きました。

 Photo_5

〇 リンゴの描写(動画、朝日新聞デジタル):http://www.asahi.com/articles/ASHBX44V5HBXPUZB00N.html

(解説) リンゴをただ描写するのではなく、じっくりリンゴに触ってから、香りをかぎ、食べて、リンゴの生い立ちを想像しながら描くようにする。作品の出来栄えは問題ではなく、普段あまり意識しない五感を使うことで、認知症だけでなく誰にでも、心をリセットして癒す効果があるという。

 
 臨床美術は、認知症の症状改善のほか、子供の美術への苦手意識を軽くしたり、参加者のコミュニケーxションを促す効果もあり、知的障害児がいる家族の兄弟、母親、DV家庭の母子、精神疾患のある母親など、問題を抱える家族の心のサポートも評価され、NPO法人、ボランティア、自治体、福祉施設での導入も増えつつあります。

(参考資料)
 〇 山下 清(放浪の画家)にまつわる歴史実話、阿波(德島)の土柱の絵、土柱の散文(兵隊の位にして、鳴門は「左官」で、土柱は「尉官」というところだろうな)、とは(2010.9.16): 
http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/123.html

(参考文献) 

臨床美術 活用広がる、心のまま 五感で描く、富山 認知症予防、癒やし効果も、現場から、北陸中日新聞、2016年(平成28年)1月24日 

(Link)

〇 左脳と右脳それぞれの働き(Microsoft):https://www.microsoft.com/japan/office/previous/xp/suminaka/powerpoint/point/point_con1_1.htm 

〇 Yahoo!ブログ(本浄):  http://blogs.yahoo.co.jp/honjo202

〇 Facebook(本浄): https://www.facebook.com/honjo1003
 

〇 脳科学ブログ、教育への架橋(金子健二先生を偲ぶ会、2008.11.18):http://blog.canpan.info/brains/archive/132

○ 脳の構造 (gooヘルスケア): http://health.goo.ne.jp/medical/mame/karada/jin010.html 

〇 日本臨床美術協会(特定非営利活動法人、東京都): http://www.arttherapy.gr.jp/ 

〇 富山福祉短期大学(ホームページ、射水市、富山):http://www.t-fukushi.urayama.ac.jp/information/gakutyo/  

 

 

2013年9月10日 (火)

記憶と物忘れ、記憶にはものごとを理解して覚えた記憶と棒暗記(丸暗記)がある、本当に忘れる方が頭がいい、とは(2013.9.10)

 大脳では、パルス(興奮)という電流のようなものが流れています。140億もある脳細胞や、脳細胞から無数に出た神経突起の中を流れているパルス興奮)、すなわち記憶は、こうした電子頭脳のようなメカニズムの中で行われています。

 この記憶には2種類あり、ものごとを理解して覚えた記憶では、パルスは一度側頭葉(そくとうよう)を通り、大脳の記憶倉庫である海馬(かいば)に行きます。 一方、棒暗記丸暗記とも)では、パルスはいきなり海馬に行くといわれています。

 その結果、一度理解して覚え、眠ると、記憶の”焼き付き”がより強くなり、忘れなくなります。幼少の頃のことでも、火事の記憶とか、叱られた時のことをよく覚えているのはこのためです。一方、試験の徹夜、棒暗記では、記憶の”焼き付き”が弱く、テストが終わるとすぐ忘れてしまいます。

 ところで、いくら頭が良くても、海馬の記憶容量には限度があります。それゆえ、忘れていかないと次の記憶がはいらないことになります。それに、もし人間が忘れない動物であれば、地球上の全ての人がノイローゼになってしまいます。

 記憶容量は、コンピューターでは、記憶装置(メモリー)に貯えうる情報の量のことで、ビット・バイトなどの単位で表されるものです。記憶は、必要な情報を保持しておくことです。人間の記憶は、物事を忘れずに覚えている、または覚えておくこと。また、その内容のことです。

 ということで、重要なことは、人間は新しく覚えたために、古いことを忘れるのか、忘れることが先で、それから覚えるのか、ということです。が、その記憶のメカニズム(機構)については、まだよく分からない、とのことです。

 今のところ、一度録音したテープに、次に新しいものを録音すると、うまい具合に順に消えていくように、人間の記憶にもそのようなメカニズムがあるのではないか、と言われています。

 健忘症とか、もの忘れが早いとかいって、とかく忘れる人は、あわて者と同じように軽べつされがちです。が、大脳生理学者にいわせると、本当に忘れる方が頭がいい、とのことです。

(参考文献) 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第二版)、p.611 頭がいいほど忘れる、三宝出版(1994).

(参考資料) 海馬(脳科学辞典、東京都医学総合研究所):http://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E6%B5%B7%E9%A6%AC海馬は、大脳における記憶の倉庫の働きをしています。

物忘れと認知症の違い(いい介護どっとこむ): http://iikai5.com/dementia/cause2.html物忘れは、加齢による記憶力の低下です。一方、認知症は脳の病気であり、適切な治療が必要です。

 

 

2013年9月 1日 (日)

ストレスと健康、ストレスは動脈硬化のもとになる、また、疲れにはからだの疲れと頭の疲れ(眠れば回復)及び気疲れがあり、気疲れ解消法はアルコール、リクレーション、心の喜びを感じること、過食、とは(2013.9.1)

○ ストレスは動脈硬化のもとになる

 昔から、腹をたてると血圧が上がるとか、怒るとからだに悪いとか、言われています。少し非科学的にも聞こえますが、実はその通りだという。

 人間は、腹をたてるとか、大きなストレスが加わると、からだの中の肝臓に貯えられたグリコーゲンなどが、一挙に動員されて、エネルギーの爆発に備えます。

 グリコーゲンは、肝臓や筋肉に含まれる多糖類の一種で、肝臓ではエネルギー貯蔵物質、筋肉では筋収縮のエネルギー供給源です。 一方、血液の方は、急に凝固力が高まります。

 こういったときには、”火事場の馬鹿力”のような力がでますし、ケガをしても出血がすぐに止まる状態になっています。

 ウォルター・キャノン(1871~1945、生理学者、米国)が、もし人間に大きなストレスが加わったとき、エネルギーを発散させず、そのままじっとしていると、血管の中でアテローム変性(大動脈硬化症)を起こし、これが動脈硬化の原因になる、と警告しています。

 また、ハンス・セリエ(1907~1982、生理学者、カナダ)が、人間の心理状態を表す言葉として、ストレスという概念を一般に広めました。

○ からだの疲れ、頭の疲れ、気疲れの解消法

 普通、疲れたと感じるのは、人間のからだにとって、一種の警戒警報です。疲れたと思ったときに適当な処置をとれば半健康から健康に回復するといってよい。

 ところで、この疲労には、実は三種類あります。一つは、大掃除で疲れたとか運動して疲れたといった、いわゆる、からだの疲れです。

 もう一つは、勉強して疲れたとか、本をよんで疲れたなどの頭の疲れです。この二つは、眠れば回復します。

 が、眠っても回復しない疲れがあります。それが気疲れです。気疲れというのは、複雑な人間関係など、一口で言えば、ストレスを受けた疲れとでも言えます。 

 この気疲れの解消法として、最も手っ取り早いのはアルコールです。気疲れの元凶ともいうべき大脳の新しい皮質(ひしつ)は、アルコールによってマヒします。そして本能の座ともいえる古い皮質(ひしつ)が露出されるようになって、気疲れは解消します。

 これと同じ原理で、リクレーションも、気疲れ解消を促します。が、ほんとうに気疲れを解消するためには、心の喜びを感じること、つまり、人間の創造の座である前頭葉(ぜんとうよう)を満足させることです。これは、目的を設定し、それをやりとげた心の喜びということになります。

 ということで、趣味、ボランティア、仕事など、何であってもよく、平常心で、自分がやりたいこと、また、やらざるをえないことに、自分なりにベストを尽くすことが大切なようです。 

(参考文献) 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第二版)、p.323 ストレスは動脈硬化のもと、p.525 気疲れ解消法、p. 655 過食と欲求不満、三宝出版(1994).

(参考資料) ○ ストレス(googleカスタム検索): http://www.naoru.com/sutoresu.htm

 脳の構造(gooヘルスケア): http://health.goo.ne.jp/medical/mame/karada/jin010.html

○ 大脳皮質(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%84%B3%E7%9A%AE%E8%B3%AA

(追加説明) ○ ハンス・セリエ(1907~1982、生理学者、カナダ)は、人間にストレス(嫌な心理的圧力)が加わると、脳下垂体、副腎などからホルモンが分泌されて、高血圧、糖尿病、消化管潰瘍(かいよう)、免疫力の低下など、からだ悪い結果をもたらすと警告しています。

 晩年、セリエ博士は、ストレスにもよい面があることに気づき、それをユーストレス(eu-stress、心の喜びを感じるよいストレス)と名付けました。(朝日新聞:101歳・私の証 あるがままゆく、日野原重明 どんなストレスもプラスにできる、2013年(平成25年)9月7日(土)朝刊より)

○ 過食と欲求不満 「急に太りはじめた人は心配ごとがある人である!」。これは米国の学者が言い始めたことです。ストレスが人間に強くふりかかると、だれでもストレス解消をしようとします。その手っ取り早い手近な方法の一つは、「食べる」ことであるという。

 そして、知らず知らずのうちに、「食べる」という本能に訴えてストレス解消をはかることになります。その結果、子どもでは肥満児となり、大人では食道楽により肥満体になるという。(生活歳時記より)

2013年5月18日 (土)

夢とは、この不思議な体験の正体は何なのだろうか、また、日常の生活とどういうかかわりがあるのだろうか?(2013.5.18)

 世界の誰もが毎晩のように見る(ゆめ)、この不思議な体験の正体は何なのだろうか、また、日常の生活とどういうかかわりがあるのだろうか? 20世紀のはじめ頃から、心理学と脳科学から諸説が唱えられています。

 20世紀前半には、ジークムント・フロイト(ドイツ、心理学者、Sigmund Freud、1856~1939)は、1900年、心理学精神分析より、は、無意識の世界に押し込められた欲望・欲求の表れだ、と唱えました。フロイトによると、無意識下の欲求は、性的な欲望など自分でも認めたくない内容を含む。そのため、では、道具や部屋などのモノや、空を飛ぶ、といった行為として象徴的にあらわされる。この対応関係を逆に読み解けば、無意識の欲求が分かるとされる。

 カール・ユング(スイス、Carl Gustav Jung、心理学者、1875~1961)は、は、無意識からのメッセージという理論を体系化しました。この流れをくむ分析は、今も精神分析心理療法の中で、広く用いられている。

 一方、20世紀後半になると、アラン・ホブソン(アメリカ、ハーバード大名誉教授、神経生理学者、J. Allan Hobson、1933~ )は、1960年代初め、神経動きを解き明かす、神経生理学の視点より、初めてを科学的に研究したという。その説によると、をよく見るレム睡眠逆説睡眠とも)のときには、脳の一番下にある脳幹から信号が出て、視覚などにかかわる脳の領域が活発に動き始める。

 睡眠中は外から情報が入らないため、脳は記憶の断片をつないでストーリーをつくる。それがである。脳内で注意や判断を担う領域は十分に働いていないので、つじつまの合わない物語になる。そのため、には読み解けるような意味はないという。

 1990年代後半、マーク・ソームズ(南アフリカ、ケープタウン大教授、神経心理学者、1948~ )は、事故で脳に傷を負った患者を調べるうちに、ホブソンが夢のスイッチと考えた脳幹の一部が損傷しても、を見続ける患者がいることに気づいた。逆に、脳の前部にある欲求にかかわる領域が損なわれると、を見なくなることも発見した。

 このことより、何かしたいという欲求が先にあり、それが、脳に蓄えられた情報を使って表現されたのがだと考えた。つまり、は欲求の現れで、フロイト説は誤りではない、となる。

 ジョリオ・トノーニ(アメリカ、ウイスコンシン大教授、神経科学者、1951~ )によると、ホブソン説は、夢を何かの刺激に反応する知覚に近い働きととらえている。一方、ソームズ説の欲求の現れとしてのは、目をつぶって何かを思い描くような働き、つまり想像に近いという。そして、これほど身近な意識状態であるについて、我々はまだあまりに無知、とのことです。

(参考文献) 朝日新聞: 夢に魅せられて、夢とは何か、心理学と脳科学、The Asahi Shinbun GLOBE 8/5 Sun.-8/18 Sat.(2012).

(追加説明)○ レム(REM)睡眠逆説睡眠とも)とは、目玉の激しい動きは、急速眼球運動(Rapid Eye Movements)と呼ばれ、誰もが毎晩経験している。この時の睡眠を、頭文字をとってレム(REM)睡眠と呼ぶ。

 夢(ゆめ)とは、広辞苑によると、① 睡眠中にもつ非現実的な錯覚または幻覚。多く視覚的な性質を帯びるが、聴覚、味覚、運動感覚に関係するものもある。② はかない、頼みがたいもののたとえ。夢幻。③ 空想的な願望。心のまよい。迷夢。④ 将来実現したい願い。理想。(新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991)より)

○ 明晰夢(めいせきむ)とは、夢を見ていると気づきながら、目覚めないで見続ける夢のことです。人間の意識を理解するうえで一つのカギになると見られています。

○ という言葉は、希望や目標といった肯定的な意味で使われることもあります。しかし、寝ているときに実際に見ている夢には、楽しいことより、言葉や暴力による悲しみや怒りなど、嫌な体験に近いものが多いという。

 ふだん見ている夢の大半は、父母、兄弟、親友、趣味など、身近なエピソードで作られていて、目が覚めているときの意識とつながりを持ったものだという。また、大人になってから見る夢は、同じテーマが繰り返されるのが特徴で、道が分からなくなったり、試験に遅れたりするという。

(追加説明)

 ユングは、リピドー(人間の性本能の基底となるエネルギー)を生命のエネルギーとし、その進化を妨害する環境中で、多くの障害物との葛藤を解決しつつ、人格が発達し、形成される、としました。

 それは、口唇期(こうしんき、生後1歳半ぐらいまでの小児性欲で、乳首を吸うなどの口唇による快感)、肛門期(小児性欲で、肛門の刺激に快感を持つ)、男根期(小児性欲で、性器で性感を覚えるが、まだ性の対象を覚えるに至らない)、潜在期(学童期、小児性欲が一時影を潜め、子供の関心は知的方向に向かう)、性器期(思春期以降、性欲が自分以外の対象に向かう)などの段階的展開を、性器的性格の成長と考えました。

 アドラーは、初めはフロイト派に属したが、その性を重視する学説に反対し、優越欲求(権力意思)を人間活動の中心とし、これと無力感、劣等感との抗争の場が、自我(エゴ、人格全体を統合し、現実外界に適応した思考と行動をつかさどるもの)である、と主張しました。彼の学説は、個人心理学、と称されています。

2013年5月 9日 (木)

睡眠、人間の眠りは2時間単位、浅い眠り(2~3分)、中ぐらいの眠り(30~50分)、深い眠り(30~50分)、逆説睡眠(20~30分)の繰り返し、夢多き人生、とは(2013.5.9)

 人間にとって、最も大切な生活のパターン睡眠で、生体エネルギーの蓄積疲労回復というバッテリーに充電する作用と考えられます。ふつうの人間は、なんとしても一日7時間ほど睡眠をとりたいものです。

 人間の眠りは、2時間単位として行われています。この2時間は、浅い眠り(2~3分)、中ぐらいの眠り(30~50分)、深い眠り(30~50分)、逆説睡眠(ぎゃくせつすいみん、レム睡眠とも、20~30分)という4つの部分からなっていて、8時間眠るとすると、この繰り返し4回行われます。が、2回目以降は、浅い眠りは省略され、また、人によって、この時間は多少ちがうという。

 浅い眠りというのは、就寝直前に本を読んでいて、活字を追っているのは分かるのですが、頭の中では別のことが浮かんでいる、という状態のことです。やがて2分ぐらいの間に、静かに眠りにはいります。

 中ぐらいの眠りは、ちょっとした物音でも目がさめます。ものの気配のようなものでも、目ざめることさえあります。

 ところが、深い眠りにはいると、少しぐらいのことでは目がさめません。鼻をつまれても分からないのは、この眠りの状態です。

 眠りは大別して、眠っている状態と、からだ眠っている状態に分けられます。浅い眠り、中ぐらいの眠り、深い眠りの3つは、眠っている状態、と考えられています。

 4つめの逆説睡眠は、脳は起きているが、脳の中のからだを支配している部分は眠っているものと考えられています。この状態にはいると、外から見ても分かり、まず、目玉がキョロキョロと動き、寝言をいい、歯ギシリをし、それにを見ます。さらに、筋肉の緊張がゆるんでダラリとなります。

 また、内臓も乱れ、心臓や呼吸が乱れ、血圧は20~30ミリも下がります。尿の出方も少なくなり、血管が拡張します。からだの中のリズムが変わってしまうわけで、からだが眠っている状態、とも考えられます。 逆説睡眠が終わって、次の睡眠状態(中ぐらいの眠り)にはいると、急に血圧が50ミリ近くも上がります。

 目がさめたとき、すぐ活動できるぐらいパッチリ目がさめる場合と、眠くて眠くて、やっと片目をあけて目ざめるという両方の経験をだれでも持っています。このパッチリと目ざめるのは、逆説睡眠状態のときで、それ以外の眠りの状態では、目ざめは眠いものです。

 ところで、夢逆説睡眠状態のときに見るものですが、8時間眠ると、逆説睡眠状態が4回やってきます。したがって、一晩4回見ているわけですがただ覚えているのは最後逆説睡眠状態のときに見た夢だけあとの3回の夢は覚えていないようです。

 ともあれ、人生80年とすると、人間23年間眠っている時間です。そして、約7年間夢を見る逆説睡眠時間です。まさに、夢多き人生、と言えそうです。

(参考文献) 樋口清之(監修): 生活歳時記(第2版)、p.77 睡眠ー睡眠・その1、p.265 四つの眠りー睡眠・その2、p.481 逆説睡眠ー睡眠・その3、p.741 夢ー睡眠・その4、三宝出版(1994).

(参考資料) 睡眠(すいみん、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9D%A1%E7%9C%A0#.E4.BA.BA.E9.96.93.E3.81.AE.E7.9D.A1.E7.9C.A0

2009年7月 6日 (月)

室生犀星(金沢出身の作家)にまつわる歴史実話、ふるさとは(小景異情)、山のあなたの(カール・ブッセ、上田敏訳、海潮音)、桃源郷(陶淵明、宏村、中国)、とは(2009.7.6)

  人の頭脳は、右脳(感性、知恵)と左脳(理性、知識)の働きの役割が異なり、特に、俳句、詩、小説、絵画、囲碁、将棋、音楽、スポーツなどは、主に幼児の頃からの右脳の発達に深い関係があると言われています。

 また、過度の知識の詰め込みは、左脳を発達させるものの、感受性の欠如した人間が育つ傾向があり、右脳を適切に発達させる環境が大切であると言われています。

 どのような分野であれ、苦悩の中から生まれた作品は、どこか美しく、時を越えて、人の心を打つものがあるようです。

Images1_3

室生犀星(野町尋常小学校卒、金沢): http://cms.kanazawa-city.ed.jp/izumi-e/view.php?pageId=1106 

 室生犀星(むろうさいせい、1889年(明治22年)~1962年(昭和37年)、詩人、作家、千日町、金沢)は、加賀藩士の父(小畠弥左衛門吉種)とハルと呼ばれていた女性の子として生まれ、生後ほどなく、近くの寺、雨宝院(真言宗)、室生真乗、内縁の赤井ハツに貰われて育ちました。

 小学校にも満足に通えず、裁判所の給仕から登記所に勤めた時、職場の先輩と俳句、詩などを親しむようになり、句作、詩作、小品文も書き、1919年(大正8年)、30才の時、中央公論に、私小説、幼年時代、性に眼覚める頃、或る少女の死までなど発表し、作家の道を歩み始めています。

 有名な、ふるさとは遠きにありて思ふもので始まる詩は、1918年(大正7年)、犀星29才の頃の詩集、抒情(じょじょう)小曲集の一編その二の中に小景異情として出ています。

 私は、1969年(昭和44年)4月、金沢大学に赴任した頃、犀星の詩については、ふるさとは遠きにありて思ふもの、一行だけしか知らず、ふるさと(故郷)を離れて生活し、何か苦しくて辛いとき、ふと、ふるさとはいいなあ、ありがたいなあ、と懐かしむ心(望郷の念、郷愁の思い)を詩に託しているものと思っていました。

 その後、そしてに続く文章を知るにつれ、犀星が、東京での作家生活に夢破れて、ふるさとの金沢に帰ってきたものの、どうにもならなくて、再びみやこ(東京)に帰って、作家として再起しようとする思いを、この詩に託しているようような感じがして、ホロッとしました。事実、その後、作家としての犀星の創作活動は目覚ましく、著書も150冊を超え、文豪と呼ばれるようになりました。 

 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや うらぶれて異土(いど)の乞食(かたい)となるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ そのこころもて 遠きみやこにかへらばや 遠きみやこにかへらばや

(解説) 犀星がふるさとの詩を書いたのは、1912年(明治45年)、23才の頃で、金沢から東京に出て打ちのめされて帰郷した、失意の底でこの詩が生まれたものと言われています。 また、幼少の頃、寂しい思いをした逆境の雨宝院での生活、そのそばを流れる犀川を、うつくしき川は流れたり そのほとりに我は住みぬ、と詩(うた)っています。

 犀星、1918年(大正7年)、29才の頃に刊行された、これらの詩を含む抒情小曲集の序文には、素直な心で読み味わってもらえばうれしい。人間にはきっと、この美しい抒情詩を愛する時代があるように、だれしも通る道であるように、と述べています。

Images1_5

犀川(望郷アルバム、大正期、室生犀星記念館資料より)  室生犀星記念館(ホームページ、千日町、金沢、石川): http://www.kanazawa-museum.jp/saisei/.

 また、犀星は、金沢の学校(中村町小、金石町小、野町小、菊川町小、金沢大附属小、小将町中、金沢大附属高、金沢大、金沢美術工芸大)の求めに応じて、ふるさとの思いを込め、多くの校歌の作詞をしています。 

 犀星は、1941年(昭和16年)、52才の頃 菊池寛賞を取り、同年3月に帰郷し、尾山娯楽部で、文学者と郷土、と題して講演しています。それ以後は、金沢の土を踏むことなく、1962年(昭和37年)3月、73才、東京で死去しました。翌年10月には、ふるさと、金沢の野田山墓地に、家族と共に、永遠の眠りについています。

P5260266   P5260270

室生犀星の墓地

 私は、1969年(昭和44年)4月、金沢大学(理学部、城内キャンパス)に勤務し始めてから10月まで、犀星が貰われ育った宝雨院の近く、犀川対岸の犀川神社から歩いて数分、中央通り町で下宿(米沢様方、木羽教授に依頼、事務の山田氏の紹介による)したことがあります。

 そこから歩いて、金沢の中心街(長町、片町、香林坊)を横切り、金沢大学城内キャンパス(金沢城址)に通ずる宮守坂をのぼり、さらに城内を横切り、理学部化学教室(鉄筋4階建ての3階、黒門のすぐ前)に通いました。金沢は戦災にあわなかったので、街中は迷路(袋小路、七曲がり、甲州兵法!)となっており、時々道に迷いました。 

(参考文献) 乃村工藝社、博文堂、スピーク編: 犀星-室生犀星記念館ー、金沢市室生犀星記念館(2002); 中坊公平: 山のあなたー「幸せはこんなもん」って、何や、朝日新聞、朝刊、2000年(平成12年)10月9日(月); 川村二郎、企画報道部: 室生犀星「抒情小曲集 小景異情」、ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたうもの、be on Saturday、2003年(平成15年)11月8日(土); NHK編: 世界遺産、中国、2009年(平成21年)5月11日(月).

(参考資料) ○ 室生犀星(google画像): http://images.google.co.jp/images?sourceid=navclient&hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP278JP279&q=%E5%AE%A4%E7%94%9F%E7%8A%80%E6%98%9F&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=wi. 

○ 室生犀星(金沢出身の詩人、作家)にまつわる歴史実話、犀川神社(御影大橋の近く)、雨宝院(犀川大橋の近く、幼少期を過ごした真言宗の古刹)、性に目覚める頃(自叙伝風の私小説)、とは(2010.9.23): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/128.html

(追加説明) ○ 室生犀星もよく口ずさみ、ふるさとの詩に影響を与えたと思われる、カール・プッセ作(Carl Busse、1872~1918)、上田敏訳(うえだびん、1874年(明治7年)~ 1916年(大正5年)、1905年(明治38年)、海潮音)の有名な詩、山のあなた、を思い出します。

220pxuedabin1

上田敏(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E7%94%B0%E6%95%8F

 山のあなたの空遠く 幸(さいわい)住むと人のいふ 噫(ああ)、われひとと尋(と)めゆきて 涙さしぐみ かへりきぬ 山のあなたになほ遠く 幸住むと人のいふ

(解説) 幸せは彼方に(かなた)にあると聞き、求めて行ったが、むなしく泣いて帰ってきた。それでもなお遠くに幸せはある、と人は言う。そういう嘆きですが、この詩が人の胸に呼び起こすものは、それだけなのか。

1_4

中坊公平氏(1929年(昭和4年)~2013年(平成25年)、弁護士)は、敗戦後の3年目、1948年(昭和23年)頃、農作業を終えて家路につくある家族連れの姿を見て、何気なく父が、公平、幸せっていうものは、こんなもんかもしれんな、とつぶやき、どうゆうことやと考え、ハッと思いついたのが、自分が幼い頃から母がつぶやいていた詩、山のあなたが胸に浮かび上がり、自分の目を開かせてくれたとのことです。

 幸せは、彼方にあるのではなく、人が気づこうが気づくまいが、実は日々の暮らしに、何げなく添うておるのやないか。幸せは身近なところに、それを感じられる人の胸の中に、と中坊公平氏は述懐しています。 中坊公平(2013.5.5. 逝去、日本経済新聞): http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0502X_V00C13A5CC1000/

 ○ 山のあなたの詩で思い出すのは、2009年(平成21年)5月、NHK放送、中国安徽省(あんきしょう)南部、2000年(平成12年)世界遺産の中で、桃源郷(とうげんきょう)の伝説の村、宏村(こうそん)、人々が自然と共存した生活を営んでいる、ふるさとの映像を思い出します。

 NHKの取材班が、宏村を離れる朝、旅の終わりに、王道根(おうどうこん)さん(76才)に聞いておきたいことがありました。おじいちゃんにとっての理想ふるさとはどんなとこですか、と尋ねたところ、お茶畑にいた、おじいちゃんの答えは、そんなこと考えたことないね、毎日畑に出て家族と暮らす。ただそれだけ。でも充分満足している、と天地人をからだに感じて生活している姿でした。

 中国桃源郷(理想郷)と呼ばれる宏村について、中国の詩人、陶淵明(とうえんめい、365年(興寧3年) ~427年(元嘉3年)、の有名な詩、心遠地自偏心遠ければ地おのずからなり)があります。

 その意味は、どこで暮らしていようと、心の持ち様で、そこは自分にとっての理想のすみかとなる。それに気づいた時、理想のふるさと、桃源郷への入り口は、もう見つかっているかもしれないとのことです。この詩は、山のあなたの詩に通ずるものがある、と思いました。

1_7

陶淵明(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B6%E6%B7%B5%E6%98%8E

○ 五木寛之氏(作家)が、姜尚中氏(政治学者)との対談、「鬱(うつ)の時代(日本は経済面でも心の面でも、すっぽりと(不安)という厚い雲に覆われている!)を生き抜く 文学の可能性の中で、室生犀星の「ふるさとは遠きにありて思ふもの」のことばの中味について次のように述べています。

1_8

五木寛之(コトバンク、Kotobank):http://kotobank.jp/word/%E4%BA%94%E6%9C%A8%E5%AF%9B%E4%B9%8B

 五木 人間に一生つきまとうのは、幼年期の記憶ではないかと思います。戦後、僕は何度も平壌(ピョンヤン)に来ないかと誘われましたが、ずっと断ってきたのです。いまの平壌の姿が、自分のなかのイメージとぜんぜん違うんじゃないかと。室生犀星の「ふるさとは遠きにありて思ふもの」ということばは、しがらみがあるというだけでなく、自分の記憶のなかの幻像を壊したくないという気持ちが強かったでしょう。 

 姜 そうですね。 僕はなまじっか熊本に帰れるもんだから、生まれた場所がすっかり変わってしまったのを見たわけですから。(週刊朝日、2011. 1.7ー14、p.162、より)

その他のカテゴリー

● Science Topology ( サイエンス、歴史散歩、金沢、石川) | ● いしかわ(名水、湧水、金城霊沢、上の清水、白山霊水、弘法池の水、杉森地蔵水、神子清水、柳原の湧水、金沢の水、末浄水場、弘法の水、満濃池) | ● いしかわ(白山、白山比咩神社、石川県樹木公園) | ● かなざわ(四季折々、犀川、桜田、金沢市、石川県) | ● かなざわ(四季折々、県民の杜、鞍月、金沢市、石川県) | ● かなざわ(石川県庁、金沢駅、加賀藩、北陸の交通路、赤門、天下の書府、北前船、河北潟、金沢港、大野お台場、野田山、大乗寺丘陵公園) | ● かなざわ(金沢城、兼六園、野田山、加賀藩主前田家墓所) | ● のと、かが(四季折々、能登半島、白山市、能美市、小松市、石川県) | ● ふるさと(四国遍路、空海(弘法大師)、四国88ヵ寺(徳島23、高知16、愛媛26、香川23)、高野山(金剛峰寺、真言宗、和歌山)、高野聖(泉鏡花)、最澄(伝教大師)、比叡山、暦寺、天台宗、京都) | ● ふるさと(阿讃山麓、和三盆糖、阿波藍、撫養塩田、阿波踊り、上板町、板野郡、徳島県) | ● 人の世(方丈記、辞世、徒然草、論語、坐禅) | ● 人物(卑弥呼、神武天皇、聖徳太子、土御門上皇、義仲、武蔵、島津斉彬、五百羅漢、法然、仁清、世阿弥、富樫、弁吉、秋声、犀星) | ● 伝統工芸(日本刀、金箔、漆器、焼物、染物、和紙)、伝統産業(揚浜塩田、和菓子) | ● 俳句、和歌、回文、洒落、漢詩 | ● 健康食品(食物、飲物、成分) | ● 名字(苗字) | ● 囲碁(起源、棋話、歴史対局、儀式、遊び、近代碁、世界棋戦) | ● 天災(地震、津波、台風、洪水、一発雷、豪雪、春一番、フェーン現象、火山、大火、黄砂、PM2.5) | ● 戦争と平和(白村江、蒙古、朝鮮征伐、明治維新、日清、日露、世界第1次、太平洋、朝鮮戦争、満州事変、アメリカ、日本、万国博覧会、人類の起源) | ● 文字(漢字、仮名文字、ローマ字の起源) | ● 料理(おにぎり、おでん、すし、うどん、餅(もち、雑煮)、坂網鴨(治部煮)、和食、中国、韓国、インド料理) | ● 暦、行事、風俗(伝統文化) | ● 民俗(衣食住、信仰、語源、遺跡、芸能) | ● 温泉、熱水(岩間噴泉塔、湯涌温泉、辰口温泉、玉造温泉、道後温泉) | ● 絵画(東洲斎写楽、長谷川等伯、山下清、囲碁の絵巻物、源氏物語絵巻、鳥獣人物戯画、芸術と数学、黄金比、富嶽36景、竜安寺石庭) | ● 資源(オイル、天然ガス、ウラン、レアメタル)、エネルギー(火力、原子力)、核分裂生成物、溶媒抽出(放射性トレーサー) | ● 農林水産(穀物、野菜、果物、酪農、養殖、食品、花粉症、農地改革) | ● 造園(庭園の起源、歴史、日本三名園、中国三名園) | ● 都道府県(地名の由来、沖縄から北海道まで) | ● 金属鉱山(尾小屋、神岡、足尾、別子、生野、石見、佐渡、菱刈、土呂久)、神社仏閣(池上本門寺、吉田神社)、浄化(ヘビノネゴザ、ホンモンジゴケ、リョウブ、鉄バクテリア、藻類) | ● 風土(天然記念物、特別名勝、世界遺産、自然と人間との共生) | ウェブログ・ココログ関連 | スポーツ | 学問・資格 | 心と体 | 音楽

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

フォト

アクセス解析

無料ブログはココログ