白山高山植物園は、西山山頂直下(標高約800m、白山市白峰)にあります。ここは、白山に自生する高山植物の保全を図るため、NPO法人白山高山植物研究会が市の委託を受け、運営しています。1450平方mの園内には、約100種10万株の白山の高山植物を移植しています。
一般公開が6月5日、始まったので、先日(6月12日)、晴れ、白山高山植物園を訪れ、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、タカネナデシコ、ヤマホタルブクロ、ハクサンタイゲキ、ヤマツツジ、他14種(タカネナデシコ、ヤマホタルブクロ、ササユリ、イワイチョウ、ハナチダケサシ、ヤマブキショウマ、シモツケソウ、クルマユリ、ミヤマダイモンジソウ、イブキジャコウソウ、シナノオトギリ、イワキンバイ、タンナサワフタギ、ノリウツギなど)、一般に見た目は小さな高山植物を鑑賞し、花々と涼しい空気、雲の合間から見える白山の姿を堪能しました。家族で訪れ、息子が運転し、帰途中お食事処手取川で山菜岩魚定食を食べましたが、金沢から157号線を通る総走行距離は、137.7kmでした。
なお、白山のクロユリは、石川県の郷土の花(県花)で、30年ほど前ですが、白山登山の時、白山山頂、室堂近くのお花畑で見たことがあります。高山植物らしく、小さな暗紫色の神秘的な花が下斜め向きに咲いていたのが強く印象に残っています。
〇 白山

名峰白山(最高峰2702m)を背景にして、白山高山植物園、石川県白山市白峰 2016.6.12
〇 クロユリ


クロユリ(ユリ科)、クロユリの大群落(白山山頂、室堂近く お花畑~中宮道 お花松原)、2000m以上の高地、高さ10~30cm、長さ約3cmの暗紫褐色の花、多年草。
〇 白山高山植物園

名峰白山を背景にして、白山高山植物園、石川県白山市白峰 2016.6.12
〇 ニッコウキスゲ


ニッコウキスゲ(ユリ科)、2000~2400mの草原、高さ60~80cm、黄色い花、多年草。
〇 ハクサンフウロ


ハクサンフウロ(フウロソウ科)、高さ30~80cm、紫色の花、多年草。
〇 タカネナデシコ


タカネナデシコ(ナデシコ科)、高さ15~40cm、紫色の花、多年草。
〇 ヤマホタルブクロ


ヤマホタルブクロ(キキョウ科)、高さ20~60cm、紅紫色から白色まで変異のある花、多年草。
〇 ササユリ


ササユリ(ユリ科)、高さ50~100cm、白色または淡桃色の花、多年草。
〇 イワイチョウ


イワイチョウ(ミツガシワ科)、高さ15~50cm、白色の花、多年草。
〇 ハナチダケサシ


ハナチダケサシ(ユキノシタ科)、高さ40~80cm、白色の花、多年草。
〇 ヤマブキショウマ


ヤマブキショウマ(バラ科)、高さ30~100cm、白色の花、多年草。
〇 シモツケソウ


シモツケソウ(バラ科)、高さ30~100cm、濃紅色の花、多年草。
〇 クルマユリ


クルマユリ(ユリ科)、高さ30~100cm、赤橙色の花、多年草。
〇 ハクサンタイゲキ


ハクサンタイゲキ(ドウダイグサ科)、高さ40~50cm、黄色い花、多年草。
〇 ミヤマダイモンジソウ


ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科)、高さ10~20cm、花の形が「大の字」に見える白色の花、多年草。
〇 イブキジャコウソウ


イブキジャコウソウ(シソ科)、高さ20~数十cm、紅色の花、多年草。
〇 シナノオトギリ


シナノオトギリ(オトギリソウ科)、高さ10~30cm、黄色の花、多年草。
〇 イワキンバイ


イワキンバイ(バラ科)、高さ10~20cm、黄色の花、多年草。
〇 タンナサワフタギ


タンナサワフタギ(ハイノキ科)、高さ3~5m、白色の花、落葉低木。
〇 ノリウツギ


ノリウツギ(アジサイ科)、高さ2~5m、白い花、
〇 ヤマツツジ


ヤマツツジ(ツツジ科)、高さ1~3m、赤い花、半落葉低木。


名峰白山(最高峰2702m)を背景にして、白山高山植物園、石川県白山市白峰 2016.6.12
〇 お食事処 手取川



お食事処 手取川、山菜岩魚定食 2016.6,12
(参考資料)
〇 白山高山植物園(白山高山植物研究会、ホームページ): http://hakusanmab.org/shokubutuen.html
〇 石川県(ホームページ、県花、クロユリ): http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kensei/koho/gaiyo/p1.html
〇 国有林(林野庁)、戦後の植林の主役、スギと花粉症、春と秋の花粉症、日本各地の自然特性(県花・県木・県鳥)、クマの出没(里山の放置ではなく餌不足)、とは(2011.2.7): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/201127-6ca6.html
(追加説明)
〇 クロユリ(ユリ科)
〇 白山麓の白峰では、牛首紬の緑色の草木染として、クロユリ染めがあります! クロユリ染(きもの人):http://www.kimono-bito.com/usikubi-index/kuroyuri.htm
白山工房(白山市白峰)では、クロユリの花を乾燥させ、色素を抽出して使いますが、加える触媒の種類により、ピンク、紫、茶、黄、ネズミ色、緑色に染めることができます。特に、緑色を1種類の植物で染め出す技法は珍しく、普通、緑色は、藍に黄色の染料を掛け合わせて発色させます。なお、緑色の色素はクロロフィルa,bです。銅媒染(pH6 酢酸銅)で緑色に染まります。
(白山の自然誌26 白山のクロユリ、p.17 クロユリ染め、 2006年3月、石川県白山自然保護センターより)
花の色素は大きく分けて4種類あり(4大植物色素!)、フラボノイド(フラボン、フラボノール、カルコン(コスモスの淡黄色)、オーロン(キンギョソウの黄色)、アントシアニン(ほとんどの橙赤色~紫~青色の花)など含む)、ベタレイン(サボテンやオシロイバナの赤、紫の色素)、カロテノイド、クロロフィル(Mgポルフィリン錯体!)と呼ばれています。特に、フラボノイドは様々な化学構造を持った色素があり、花の色に重要な役割を担っています。
ユリなどの鮮明な黄色や橙色を担うのはカロテノイドです。これらの色素の量が多いと、花は濃くなり、クロユリのように黒っぽく見える場合があります。この色素の他にも、クロユリのように、表皮細胞の形、また、液胞中に含まれる金属イオンやpHの違いも花の色に影響を与えます。
〇 白山高山植物園 一般開放始まる 2017.6.4~7.17(午前9時から午後3時まで、火、木曜日は休み)
石川県白山市白峰の西山(857m)山頂近くにある白山高山植物園の今季の一般公開が、6月4日に始まり、約250人が訪れ、白山の遠景を楽しみながら、花々に彩られた散策路を歩いた。
運営は、白山の高山植物の保全に取り組むNPO法人白山高山植物研究会で、約7600㎡に約100種10万株が植えられている。現在、約3万株あるニッコウキスゲが咲き始め、ピンクのかれんな花のハクサンフウロウや淡い黄色のハクサンタイゲキも咲いている。

青天の下で咲くニッコウキスゲ、石川県白山市白峰で
(北陸中日新聞(谷口大河): ニッコウキスゲ鮮やか、白山高山植物園 一般開放始まる 、2017年(平成29年)6月6日(火)より)