カテゴリー「● 料理(おにぎり、おでん、すし、うどん、餅(もち、雑煮)、坂網鴨(治部煮)、和食、中国、韓国、インド料理)」の8件の記事

2014年11月24日 (月)

おでん(御田)、室町時代、こんにゃく、焼き豆腐、やつがらし(里いも)などの材料を竹串にさして焼いて味噌をつける田楽(でんがく、焼田楽とも)、江戸時代、現在のような醤油味で長時間煮る煮込おでん(煮込田楽)、とは(2014.11.24)

 

 おでん(御田)とは、広辞苑によると、 室町時代、こんにゃく、焼き豆腐、やつがらし(里いも)などの材料を串(くし)にさして焼いて、味噌(みそ)をつける田楽(でんがく)でしたが、江戸末期、煮込んでから味噌をつける味噌おでんができ、さらに醤油味で長時間煮る煮込おでんとなりました。

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おでん(御田、江戸時代、煮物料理の一種、ウィキペディア、Google画像)

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(解説) おでんは、 室町時代(1338~1573)、食材を竹串にさして焼いて味噌をつける田楽(焼田楽ともができ、江戸時代(1603~1868)の終わりころ現在のような醤油味(しょうゆあじ)で長時間煮る煮込おでん(煮込田楽とも)となりました。おでんは、当時、おでん燗酒(かんざけ、加熱した酒)の看板をかかげた盛り場の屋台店で売られていました。 なお、おでんにつく、からし(辛子)には、強力な殺菌作用があります。

 おでん材料には、とうふ(豆腐)、ダイコン(大根)、こんにゃく(蒟蒻)、はんぺん(半片)、やつがしら(八頭、九面芋とも、サトイモの一品種)、つみれ(摘入、魚のすり身に卵、小麦粉、塩などを加えてすり合わせ、少しずつ摘み取り、丸めてゆでたもの)、ちくわ(竹輪)、ゆで卵、また、キャベツ巻エビ巻、などがあります。

 おでんは、もともと、江戸発達したものですが、大正時代(1912~1925)の中ごろ関西に入り、関東煮、または、関東だきの名で親しまれるようになりました。が、関東では次第に衰退し、1923年(大正12年)の関東大震災以降、関東だきの手法が関西から逆輸入されました。

 現代では、1979年(昭和54年)、はじめて、コンビニセブンーイレブンが、電熱式の鍋を用いて、おでん煮売りを発売し、2011年(平成23年)には、年間2億7700万個のおでんを販売しました。また、おでんは、屋台、居酒屋、レストラン、家庭料理などでも定番メニューとなっています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修:生活歳時記(第版)、p.667 おでん、三宝出版(1994).

(参考資料) ○ おでん(御田煮物料理の一種、ウィキペディア):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%A7%E3%82%93

〇 おでん御田、Google画像): https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%8A%E3%81%A7%E3%82%93(%E5%BE%A1%E7%94%B0%EF%BC%89&hl=ja&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=asJyVL_DFOKxmAWtxYLIBw&ved=0CAkQ_AUoAg&biw=1366&bih=588

2014年11月22日 (土)

おにぎり(御握り)、弥生時代に伝来した、ジャポニカ型(うるち米)のご飯を手で三角形、俵形、丸形、円盤形などに握って食べる、日本独自の食文化、日本各地の地方色豊かなおにぎり、とは(2014.11.22)

 おにぎり御握り)は、広辞苑には、婦人語のにぎりめし握り飯)、おむすび御結び)、とあります。これは、うるち米のご飯を手で握って冷めたまま食べる、日本独自の食文化、と言われています。

 それは、弥生時代(約2000年前)、伝来したイネ(稲)が、コメ(米)に水を加えて加熱すると、適度な粘りを持ち、成形しやすく、冷めてもおいしい、ジャポニカ型うるち米!)であったこと、また、平安時代、コメ(米)をふっくらと炊き上げる炊飯技法はじめチョロチョロ、中パッパッ、赤子泣いても蓋とるな!)が、日本で独自に誕生したことに起因すると考えられています。

○ おにぎりの歴史

 弥生時代、最古おにぎりとして、チマキ状炭化したコメ(米)が鹿西町(ろくせいまち、のち中能登町、石川県)の杉谷チャノバタケ遺跡出土しています。このチマキ状炭化米塊は、神様へのお供えもの魔除け(まよけ)もの、と考えられています。

 平安時代、貴族の宴(うたげ)では、待機しているお供、身分の低い人々に屯食(とんじき)、包飯(つつみいい)などがふるまわれました。これは、強飯(こわめし)を握りかためて細長い卵形にしたもので、味付けはなかったという。

 戦国時代、ご飯を握るだけの手早さと、食べる際に箸も器もいらない手軽さは、戦いに向かう兵士の携行食(弁当!)として活用されました。

 江戸時代、現在と同じような、銀シャリ(白米)と海苔(のり)で作ったおにぎりが普及し、江戸の町民の間で食べられるようになりました。喜田川守貞(1810~?)著、守貞謾稿(もりさだまんこう、近世風俗志)に、(てのひら)に塩水を付けて、これをる、また、京坂俵形に制し、黒胡麻(くろごま)を少し撒(ま)くものあり、とあります。

 現代では、1978年(昭和53年)、はじめてコンビニ、セブンーイレブンおにぎり発売し、2013年(平成26年)には、年間で約150種、約19億個のおにぎりを販売しました。その中には、キャラ弁(キャラクターを盛り込んだおにぎり)、また、表情豊かなパンダおにぎりなどが登場しました。

〇 おにぎりと塩

  ご飯は、手にをまぶして握るだけで、非常においしくなります。これは、ご飯のようなカリウムの多い食品に、ナトリウム、つまり塩を加えると、体のバランスがよくなる、とも考えられます。は今よりもっとカリウムの多い植物性の食品を多く食べ、汗を流してナトリウムを失っていたので、体がナトリウム不足に敏感であったためかも知れません。 

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○ おにぎりの形と具

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おにぎりの形三角、俵(たわら)、丸(ボール)、お天気レシピカレンダー、いであ株式会社、Google画像): http://prev.www.bioweather.net/recipe/0704n/0704n_index_r1.htm

(解説) おにぎりカタチ(形)は、三角主流で、これは運搬に適していたり、明治期の国定教科書のサルカニ合戦の挿絵で、カニ(蟹)が持つおにぎりが三角形だったため、全国的に三角おにぎりが広がったとされています。また、関西では九州ではボール)東北では円盤形が見られます。

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おにぎり具入り海苔(のり)巻き、ウィキペディア、Google画像)

(解説) 具材(ぐざい)は、(さけ)、梅干し明太子(めんたいこ)、ツナ(マグロ缶)、昆布(こんぶ)、鰹節おかか、とも)、たらこ、などが定番となっています。

 梅干しを含む日の丸弁当というのは、主食は99%がコメ米)で、副食は梅干し一つだけで、栄養学的には、低カロリーです。が、この一粒の梅干アルカリ性食品)は、胃の中に入るとすぐ、99%のコメ(米、酸性食品)の酸性を中和し、食べたコメ(米)のほとんどが吸収されるので、労働のための理想食となります。

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日本各地のおにぎりふるさとおにぎり紀行、北陸中日新聞、Google画像)

(解説) 現在、日本各地おにぎりには、バター焼きおにぎり(北海道)、だまこ鍋(団子状のごはん含む、秋田県)、みそ焼きおにぎり(宮城県)、弁慶めし(山形県)、五目おにぎりの笹巻き(福島県)、けんさ焼きおにぎり(新潟県)、朴葉(ほおば)めし(富山県)、とろろ昆布おにぎり(富山県)のほか、

花豆入りおこわおにぎり(群馬県)、百万遍おにぎり(山梨県)、天むす(愛知県)、めはりずし(漬物でくるんだおにぎり、三重県)、黒豆ごはんおにぎり(兵庫県)、わかめおのぎり(山口県)、ごっくうさん(円すい形のおにぎり、佐賀県)、とうきび飯のおにぎり(宮崎県)、ジューシーおにぎり(たきこみご飯のおにぎり、沖縄県)など、地方色豊かなおにぎりが登場し、販売されています。

(参考文献) 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 北陸中日新聞: ふるさとおにぎり紀行、こころも満たすおにぎり、世界と日本、大図解シリーズ、No.1169、2014年10月19日(日)朝刊.

(参考資料) ○ 杉谷チャバタケ遺跡日本最古のおにぎりチマキ状炭化米塊中能登の遺跡、石川県): http://mj-ktmr2.digi2.jp/p17nt/pnt17407chabatake.htm

○ おにぎり(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%AB%E3%81%8E%E3%82%8A

○ おにぎり(Google画像):  https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%8A%E3%81%AB%E3%81%8E%E3%82%8A%EF%BC%88%E5%BE%A1%E6%8F%A1%E3%82%8A&hl=ja&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=9ilvVKilGaS8mQXFs4HwDA&ved=0CAgQ_AUoAQ&biw=1366&bih=588

○ イネ(稲)にまつわる歴史伝承、イネの起源、分類と品種、米の栄養成分、イネの生育と栽培、病虫害、収穫、米の生産と流通、とは(2011.6.17): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/184.html

○ イネ(稲)のデンプン(多糖類、堅さ、粘り、甘さ、ヨウ素との反応)、モチ米とウルチ米の加工食品(米のアミロースは堅さ、アミロペクチンは粘り、うまさ)、農業カレンダー、天皇陛下がもみまき、とは(2012.4.1): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/239.html

○ 塩(食塩とも)、おにぎりと塩、スイカと塩、家畜の草食動物(牛、馬)と塩、塩の主成分(塩化ナトリウム)の働き、塩の清めの役目、忠臣蔵の発端は塩をめぐる商業利権、とは(2012.5.29): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/250.htmll

○ 梅干(うめぼし)、烏梅(うばい)と梅エキスの薬用効果、日の丸弁当という合理的な食品、とは(2013.1.24): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-8aa6.html

2014年11月19日 (水)

坂網猟(さかあみりょう)、片野鴨池(加賀市、石川県)周辺、江戸時代から伝わる、投網(とあみ)によるカモ(鴨)猟、代表的な郷土料理、カモ(鴨)肉を使った治部煮(じぶに)、とは(2014.11.19)

 坂網猟(さかあみりょう)は、投網(とあみ)によるカモ(鴨です。江戸時代から300年余り、冬場の今も、片野鴨池(かたのかもいけ、ラムサール条約登録、加賀市、石川県)周辺で行われています。 江戸の元禄年間、大聖寺藩主が、武士の心身の鍛錬として、坂網猟を奨励したことから、多くの藩士がこれを行っていました。

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坂網猟(さかあみりょう、投網(とあみ)によるカモ(鴨)猟、加賀市鴨池坂網猟保存会、加賀市、石川県、Google画像)

(解説) 坂網猟(さかあみりょう)は、石川県民俗文化財に指定された伝統猟法です。夕暮れの時、鴨池の周辺の高台に潜み、カモ(鴨)が近くの水田へ落穂などの餌を求めて池を飛び立ち、周囲の丘を飛び越える15~20分ほどの時間に、長さ3.5mほどのY字形の網を、10m近く投げ上げ捕えます。 

 坂網猟は、冬の間、3ヶ月間(11月15日解禁)、300羽ほど、空腹のカモ(鴨)を捕えるため臭みがなく、高級食材 坂網鴨(さかあみがも)として、市内の料理店で提供されています。 カモ(鴨)を使った代表的な郷土料理には江戸時代、加賀藩の頃から伝わる、治部煮(じぶに)があります。

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治部煮(じぶに、 代表的な郷土料理、金沢市、石川県、Google画像)

(解説) 石川県の郷土料理、治部煮(じぶに)には、カモ鴨)肉鶏肉の切り身、片栗粉(ふ)やせりなどの野菜、薬味としてわさびなどが使われています。

(参考文献) 北陸中日新聞: カモン! 瞬間勝負 加賀で「坂網猟」、2014年(平成26年)11月16日(日)、北陸中日新聞朝刊: http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2014111602100006.html

(参考資料) ○ 片野鴨池(加賀市、石川県): http://www.jawgp.org/anet/jp012ja.htm

○ 江戸時代から続く伝統的鴨猟(坂網猟、YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=WLk9kxJxeJc

○ 坂網猟(Google画像): https://www.google.co.jp/search?q=%E5%9D%82%E7%B6%B2%E7%8C%9F&hl=ja&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=ADhsVIjLCKWMmwWO14CgCg&ved=0CC8QsAQ&biw=1366&bih=588

○ 治部煮(じぶに、ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%BB%E9%83%A8%E7%85%AE

○ 郷土料理百選(中部の郷土料理レシピ一覧、石川県含む): http://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/recipe/area/3.

○ 無形文化遺産、和食(わしょく)、一汁三菜(もと鎌倉時代、禅寺の献立)、味の分類(西洋四味、中国五味、日本六味)、日本特有のうま味、アスペルギルス・オリゼ(日本こうじカビ)と調味料(しょうゆ、みそ、みりん)、日本の郷土料理、とは(2013.12.18):http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-3785.html

(追加説明) ○ カモ猟富山県、石川県、宮崎県、宮内庁、全国各地の伝統鴨猟NAVERまとめ): http://matome.naver.jp/odai/2133027058896231701

○ 霞網(かすみあみ)は、谷切網、雉網、兎網などと並ぶ張り網の一種です。目に見えないほどの細い糸で作り、垂直に高く張って小鳥を捕える網で、高さ2~3間、横が4~5間が多い。小鳥が渡来する秋に多く用いたが、現在では禁止されています。

かすみ網(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%99%E3%81%BF%E7%B6%B2

(追加説明)

 ふゆみずたんぼは、冬場は乾燥させることが多い田んぼに水をたたえ、マガモやトモエガモなど、貴重な鳥が収穫時に落ちた穂をついばめる、餌場を守ります。片野町の鴨池観察館と下福田町の住民有志が協力し、2004年(平成16年)から、餌場をつくる試みが始められています。

2014年1月 4日 (土)

餅(もち)の歴史、餅の言葉の語源、地方色豊かな雑煮(ぞうに)、信仰的な力餅(ちからもち)、餅の焼網の上での動きから生まれた兎のダンスの歌、鏡開、とは(2014.1.4)

 (もち)の歴史は古く、すでに奈良時代にはあり、その頃は、糯米(もちごめ)、麦粉などを合わせ、蒸して臼(うす)でついたものでした。また、米のほかにも(あわ)、(きび)、ナラの実トチの実を材料としたものもありました。

 正月に盛んにを食べるようになったのは、江戸時代になってからです。食べ方による呼び名として、つきたてをおろして醤油で食べる辛み餅、切餅(角餅とも)を焼いて醤油をつけ海苔で巻いた磯部餅、丸めて饀(あん)で包んだ牡丹(ぼた)、饀(あん)を包んだ大福餅、きな粉をまぶした安倍川餅などがよく知られています。

○ 餅の言葉の語源

 (もち)の語源については、「長もちする」、「もち歩くことができる」、「満月の望月(もちづき)」など、諸説があります。

 はそのまま放っておいても半月から1ヵ月はもち、水に浸して水餅にするか、切餅(きりもち)を干してかき餅にすると長く保存できます。

 また、鏡餅(かがみもち)は丸いもので、西日本では雑煮(ぞうに)の中に入れる餅も丸餅です。この丸い餅について、柳田國男(やなぎたくにお、1875~1962、民俗学者)は、「人間の心臓の形からきている」と述べています。

○ 地方色豊かな雑煮(ぞうに)

 雑煮の作り方は、地方によって様々です。関東(江戸風型)では、清(すまし)汁仕立てに切餅(角餅とも)を用い、関西では白味噌(京都型)、あるいは赤味噌(京風型)仕立てに丸餅を用いるのが、一般的です。また、前者では焼いた餅を使いますが、後者では焼かずにゆでたものを使います。その他、あずき汁文化圏、餅すまし文化圏(京風・江戸風折衷型)もあるという。

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日本全国お雑煮文化圏地図(トリップグラフィック、しがないイクサーの歴史徒然帳、Google画像): http://blogs.yahoo.co.jp/lan88647749/38752200.html. 

雑煮(ぞうに、google画像):https://www.google.co.jp/search?q=%E9%9B%91%E7%85%AE&hl=ja&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=PMvHUu-nAseAlQWt74D4Bg&ved=0CAkQ_AUoAQ&biw=1366&bih=588

 餅のほかには、鶏肉またはブリなどの魚肉、小松菜、セリ、ミツバ、ダイコン、ニンジンなどの野菜類を入れますが、これも地方あるいは家庭によっていろいろ異なってきます。

 餅を食べすぎた時は、消化を助ける酵素(ジアスターゼ)を含む、おせち料理のうちのダイコンとニンジンのなます、あるいはダイコンおろしを食べるのがよいと言われています。

○ 信仰的な力餅(ちからもち)

 は、節句神事祝い事などにも広く用いられています。これは、ハレの日に用いられる餅には、何か神霊が宿っている信仰的な力が認められるという。

 たとえば、出産のときの餅や誕生祝の餅を力餅といって、それが人の生命に力を与えるものと考えられています。

○ 餅の焼網の上での動きから生まれた兎のダンスの歌 

 野口雨情(1882~1945、詩人)作詞、童謡「(うさぎ)のダンス」については、「(もち)が好物だった雨情は、餅(もち)が焼き網の上で膨(ふく)らんだり、へこんだりする様子に、ウサギがかわいらしく踊る姿を重ねたそうよ」と、野口雨情生家・資料館(茨城県北茨城市)代表で、雨情の孫の野口不二子さん(67)は明かしています。不二子さんの父が生前、書き残したエピソードという。

(参考文献) 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、p.7、餅、p.9、雑煮、三宝出版(1994); 大島、佐藤、松崎、宮内、宮田編: 図説 民俗探訪事典(1版19刷)、p.136~138、餅と雑煮、山川出版社(2005); 北陸中日新聞: ちょっとためになるお雑煮のはなし、ところ変われば、お雑煮変わる、2014年(平成26年)1月1日(水)朝刊.. 

(参考資料) ○ 力石と力餅にまつわる歴史伝承、神社や寺院での力比べ(信仰に通じた体力の養成)、尾山神社のさし石(金沢、石川)、兼仲公の力石(上板、德島)、とは(2010.9.13): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/122.html

 兎(うさぎ)の歌のエピソード、童謡の「兎のダンス」の歌、「ソソラ ソラ ソラ 兎のダンス」、唱歌の「故郷(ふるさと)」の歌、「兎追ひ(い)し かの山」、とは(2012.8.16): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/270.html

(追加説明) 鏡開(かがみびらき) 正月11日、鏡餅(かがみもち)をおろして食べる祝儀です。その起源は室町時代で、武家では男子は具足に、女子は鏡台に鏡餅を供え、のち刀で切ることを忌み、手や槌を用いて割ったので、開く、割るなどと言われています。一般の家庭では、鏡餅を割りくだいて、汁粉に入れて食べます。

 これは、年の暮れについた餅も、この頃になると堅さを増し、ひび割れが激しくなります。そこで、11日に鏡開きを行ない、お餅を処理してしまうのは、生活の知恵でもあるという。

 

2013年12月20日 (金)

すし(鮨、鮓、寿司とも)の歴史、なれずし(馴鮨)、いずし(飯鮨)、はやずし(早鮨)、おしずし(押し寿司)、にぎりずし(握り鮨)、まきずし(巻鮨)、ちらしずし(ちらし鮨)、つつみずし(包み鮨)、とは(2013.12.20)

  すし(鮨、鮓、寿司とも)はもと、魚介類を塩漬けし、自然発酵させた保存食でした。漢字は、関東では、関西ではと書き、寿司あて字です。のち、酢と調味料をまぜ合せた飯に魚肉または菜(具)などを加えた、本来のすし(寿し)という食べものになりました。

 古くから、なれずし、いずし、はやずし、おしずし、にぎりずし、まきずし、ちらしずし、つつみずしなど、多くのなじみのすしがあります。そこで、その名の由来と歴史について、改めて調べて見ました。

〇 なれずしいずし

 古くは、すしは魚介類を自然発酵(数か月~1年)させ、酸味を出させた食品でした。魚は、ふな(鮒)、あゆ(鮎)、たい(鯛)、貝は、あわび(鰒)、いがい(貽貝)など多様です。

 16世紀末ごろ(安土桃山時代)は、魚に温かい飯を加えて、こうじカビによる発酵を促し(1週間ほど)、酸味の出たところで、飯を払い落としていました。

 このような飯に魚を漬けて発酵させるなれずし(馴鮨)は、東南アジアから東アジアに広く分布しています。滋賀県のふなずし(鮒鮨)はその姿をよく残すもので、飯を食べずに魚を食べます。

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ふなずし(鮒ずし、琵琶湖、滋賀県、日本自然保護協会、Ggoogle画像):http://www.nacsj.or.jp/project/kurashi/report08.html. 温かいご飯に鮒ずしをのせて食べます。お茶漬け、またワイン、酒の肴(さかな)にもよく合います。

ふなずし(鮒寿司、鮒鮨とも、滋賀県、Google画像検索):https://www.google.co.jp/search?q=%E9%AE%92%E5%AF%BF%E5%8F%B8(%E9%AE%92%E5%AF%BF%E5%8F%B8)&hl=ja&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=pcmzUtDCLsaKlAWv_IHwBg&ved=0CEsQsAQ&biw=1366&bih=588.

 延喜式(927)には、伊勢、美濃、丹波、播磨、紀伊の鮨年魚(すしあゆ)、大宰府の鮒鮨(ふなずし)、越中の鮭鮨(さけずし)、三河のいがい鮨(貽貝鮨)などを酒宴に使ったとあります。

 北陸地方では、富山のます寿し、石川のかぶら寿し、福井県のさばのへしこなどの郷土料理が、なれずしの流れの食文化を伝える食べ物と思われます。これらは酒の肴(さかな)になりますが、生化学的には、乳酸発酵と共に、酒精発酵が少し見られ、適当に生成したうま味のアミノ酸とよく調和して美味しくなっています。

日本の食文化郷土料理百選、北陸の郷土料理): http://www.maff.go.jp/hokuriku/safe/shokuiku/pdf/111028_3.pdfhttp://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/recipe/area/3.

 室町時代になると、あゆ(鮎)やさば(鯖)などの魚と飯をいっしょに食べる、いずし(飯鮨、生ま馴鮨とも)など、今日も残る形が生まれました。そして、すしの漢字として、の字が使われ始め、味も酸味のから甘味の方に変わっていきました。 

〇 はやずしおしずし 

 しかし、なれずしを作るのに5、6日もかかるので、17世紀(江戸時代)ごろから(す)を混ぜて、一晩でできるはやずし(早鮨)が起こりました。

 江戸にはやずしが伝わったのは、延宝年間(1673~1681)でした。一方、京阪地方では、こけらずし(柿鮨)のようなおしずし(押し鮨、箱鮨とも)がもてはやされ、現在も大阪ずしとして知られています。 

 にぎりずし  

 19世紀初期(江戸時代)、江戸では新鮮な魚介をすし種(だね、ねたとも)にした、にぎりずし(握り鮨)が始まりました。寛政(1789~1800)ころ、二代目華屋与兵衛(1799~1858)が今日の形のにぎりずしを発明しました。これは深川安宅(あたけ)の松のすしと共に、江戸前ずしの代表となりました。

〇 まきずし

 まきずし(巻鮨)では、のり巻鉄火巻伊達(だて)巻鮨などがあります。江戸時代、江戸前の浅草、芝、品川などで、のり(海苔)の養殖がおこなわれ、これが浅草で盛んであった紙漉き(かみすき)の技術と出合い、いたのり(板海苔、浅草のり!)が作られました。そして、のり巻は、江戸時代中期、18世紀には誕生したと言われています。

 単に、のり巻というと、カンピョウ巻のことです。他には、マグロの鉄火巻、キュウリのカッパ巻ナットウ巻などがあります。

〇 ちらしずし

 ちらしずし(ちらし鮨)は、すし飯に具を混ぜ合わせたもので、祭礼などの行事のおりに、ごちそうとして、はじめは一般家庭で作られたものです。

〇 つつみずし

 つつみずし(包み鮨)として、いなりずし(稲荷鮨)、ちゃきんずし(茶巾鮨、薄焼きの卵で包む)、笹の葉に巻いたささまきずし笹巻鮨、毛抜鮨とも)などがあります。

〇 その他 

 具と飯を合わせた、まぜずし(混ぜ鮨)、ごもくずし(五目鮨)、ばらずし(ばら鮨)、温めるむしずし(蒸し鮨、ぬく鮨とも)、具を上に飾りのせる、ちらしずし(ちらし鮨)などがあります。

 また、材料によって、はたはた鮨、ます鮨、かに鮨、いか鮨、あゆ鮨など地方名物も多く、材料の形をくずさずに作る姿鮨も多い。

 現在、世界の無形文化遺産の和食と共に、すし文化も大きな展開を見せ、日本の独創的な食べものとして、外国人にも多くの愛好者が増えています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、p.735、鮨(すし)、平凡社(1973); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、p.810~811、寿司(すし)、三宝出版(1994); 石川化学教育研究会編: 科学風土記ー加賀・能登のサイエンス(第1版)、p.78~80、小原康二、かぶら寿司、大根寿司、裳華房(1997); 永原慶二監修: 日本史事典(第1刷)、p.124~125、鮨・鮓(すし)、岩波書店(1999).

(参考資料) すしの歴史(全国すし商生活衛生同業組合連合会、東京、ホームページ):http://www.sushi-all-japan.or.jp/index_b2_1.html

(追加説明) 回転寿司は、1958年(昭和33年)、立ち食い寿司店主が近鉄布施駅前(大阪府東大阪市)に開いた「元禄寿司がはじまりです。ビール工場のベルトコンベヤーをヒントに考案されました。 

 この「コンベヤ旋廻食事台」を製造したのは、石野製作所(金沢市増泉)で、「自動寿司にぎり機」ができると、本格的な回転寿司産業が到来しました。 石川県の回転寿司システムの製造は、現在100%のシェアを誇っています。(北陸中日新聞: 小林忠雄(北陸大学教授)、金沢らしさ、機械メーカー王国、きらりと光る製品開発、2012年(平成24年)12月8日(土)、朝刊)

2013年12月18日 (水)

無形文化遺産、和食(わしょく)、一汁三菜(もと鎌倉時代、禅寺の献立)、味の分類(西洋四味、中国五味、日本六味)、日本特有のうま味、アスペルギルス・オリゼ(日本こうじカビ)と調味料(しょうゆ、みそ、みりん)、日本の郷土料理、とは(2013.12.18)

 日本和食(わしょく)が、2013年(平成25年)12月4日ユネスコ国連教育科学文化機関)により、「和食;日本人の伝統的な食文化」として、無形文化遺産登録されました。 

 この時の要件は、(1) 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重、(2) 栄養バランスに優れた健康的な食生活、(3) 自然の美しさや季節の移ろいの表現、(4) 年中行事との密接な関わりの4点とされています。

 これは、日本の和食が世界に誇れるものであることを示しています。そこで、日本の伝統的な和食について、改めて調べて見ました。

〇 一汁三菜(もと鎌倉時代、禅寺の献立

 一汁三菜(いちじゅうさんさい)という言葉は、鎌倉時代、禅寺における質素倹約を重視した食事の献立の構成の一つで、主食(白飯)、汁物(味噌汁)1品とおかず(惣菜、主菜1品、副菜2品)3品、漬物(香の物)の4種類をセットにしたものです。三菜(おかずとも、菜3品)は、(なます)、煮物焼き物のことです。

 懐石料理(かいせきりょうり)は、日本古来の一汁三菜の食法を基本とし、通常は茶の湯の席でお茶をいただく前に出される料理のことです。

一汁三菜(いちじゅうさんさい、健康な食生活の基本、日本うま味調味料協会、東京):http://www.umamikyo.gr.jp/recipe/category_01_2.html

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一汁三菜(いちじゅうさんさい、TOKYO GAS、Google画像): http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/jiten/562.html

一汁三菜(いちじゅうさんさい、Google画像検索):https://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%80%E6%B1%81%E4%B8%89%E8%8F%9C&hl=ja&rlz=1T4GGNI_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=YAmwUryQBcqhkwWBhIDICQ&ved=0CAkQ_AUoAQ&biw=1366&bih=588

〇 味の分類西洋四味、中国五味、日本六味

 古来、味の分類には、西洋四味、中国五味、日本六味という言葉があります。これは、西洋人は味を、甘い(甘味)、すっぱい(酸味)、塩辛い(塩味)、ぴりっと辛い(辛味)、の四味に分ける。中国人はこれに、苦い(苦味)を加えて、五味に分ける。中国では、五味の調和、というのが調理の基本となっています。 日本人はさらに、うまい(うま味)を加えて、六味としました。

  このうま味の主な成分は、昆布(こんぶ)ではグルタミン酸(グルタミン酸ナトリウムとも、アミノ酸、味の素!)、鰹節(かつをぶし)ではイノシン酸(イノシン酸ナトリウムとも、核酸)、シイタケではグアニル酸(グアニル酸ナトリウムとも、核酸)、シジミ、アサリなど貝類ではコハク酸(コハク酸ナトリウムとも、カルボン酸)と呼ばれる有機化合物です。

 これらのうま味成分は、食品中に適度に混在するとうま味がぐっと増す、ことが知られています。これをうま味相乗効果と呼んでいます。

〇 アスペルギルス・オリゼ日本こうじカビ)と調味料(しょうゆ、みそ、みりん)

 和食を支える調味料として、しょうゆ(醤油)やみそ(味噌)、みりん(味醂)などを作るには、日本にしか存在しない、アスペルギルス・オリゼ日本こうじカビ)が不可欠です。自然界にある何億種ものカビの中から抽出方法が発見されたのは約1000年前です。

 このオリゼ日本こうじカビ)菌は、もとフラブス菌の培養で毒性を抑えたカビを選び出し、日本独自に家畜化したものという。両者のDNAは全く同じであるが、フラブスの単細胞中には核が1個あるのに対し、オリゼには4個ほどあり、生命力が強いという。

 平安時代蒸したコメ(米)にツバキ(椿)のオリゼこうじカビ)をふりかけ、オリゼの作った糖分を微生物の酵母(イースト)に食べさせ(発酵と熟成!)、みりん(混成酒)を作っていました。このとき、ツバキの灰をご飯にふりかけると、表面がアルカリ性となり、雑菌は生えず、こうじカビのみ生えるという。(延喜式、927年(延長5年)より)

 これは樹木の中でもツバキの灰は、アルカリ性が強く、殺菌力がある、という。また、一般にツバキ科の植物は、葉に多くのアルミニウムを蓄積する性質があるので、ツバキの灰の中のアルミニウム成分も何らかの働きをしていると思われます。

 室町時代大豆オリゼを働かせ、 しょうゆ(醤油)やみそ(味噌)が作られ、お盆には、四季折々の食材、コンブとシイタケのダシなどを使った精進料理が作られました。

  このように、調味料しょうゆ(醤油)やみそ(味噌)、みりん(味醂)などは、カビ(こうじカビ)と酵母(イースト)と細菌類などの3つの作用を受け製造されます。

NHKスペシャル 和食 千年の味のミステリー: http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/1215/

〇 日本の食文化(郷土料理百選、北陸の郷土料理)

 日本では、米を中心とした約1,500種類に及ぶ食材の料理や、出汁(だし)などのうま味を活用した料理、また、保存性、栄養価の高い発酵食品が作られてきました。

 
 また、地方特有の郷土料理行事食、自然の恵みに感謝する心、おもてなし、食事の作法など、日本独特の食文化を形成してきました。

 農林水産省では、2007年(平成19年)12月、全国各地の農山漁村で脈々と受け継がれ、かつ「食べてみたい!食べさせたい!ふるさとの味」として、国民的に支持されうる郷土料理を「郷土料理百選」として選定しました。 

 北陸地方では、富山県では、「ます寿し、ぶり大根」、石川県では、「じぶ煮、かぶら寿し」、福井県では、「越前おろしそば、さばのへしこ」、などの郷土料理が選ばれました。

 なお、じぶ煮の食材のカモ(鴨)は、今も、加賀市片野町のラムサール条約登録湿地、片野鴨池周辺では、江戸時代から伝わるカモ猟坂網猟(さかあみりょう)により捕獲しています。

 この方法は、夕暮れの時、池の周辺の高台に潜み、カモの群れが上空を通る瞬間に、長さ3.5mほどのY字形の網を投げ上げ捕まえます。(2014年11月16日(日)、北陸中日新聞朝刊より)

日本の食文化郷土料理百選、北陸の郷土料理): http://www.maff.go.jp/hokuriku/safe/shokuiku/pdf/111028_3.pdfhttp://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/recipe/area/3.

 和食健康食であり、見た目にも美しいことから、今や海外の多くの国で一般的に知られ人気のある料理となっています。これを機会に、和食標準化が行われ、政府や和食を提供する関係者が、広報普及活動に一段と力を入れることが予想されます。

(参考文献) 樋口清之: 梅干しと日本刀(第7刷)、p.63~65、味の分類は、西洋四味、中国五味、日本六味、祥伝社(2005); 太田次郎、山崎和夫編: 高等学校 理科総合A(改訂版)、物質とエネルギー、p.88~89、啓林館(2005); NHK 夜9.15: NHKスペシャル、和食、千年の味のミステリー、2013年12月15日(日)放送; 奥村彪生(伝承料理研究家): 特別企画、和の食文化入門、p.48~54、PHP(No.788)、2014年、1月号(2013). 

(参考資料) 微生物の利用、微生物と呼ばれるもの、細菌・酵母・カビなどによる発酵食品、医薬品などの生産、微生物電池、水素づくりへの応用、とは(2013.7.12)http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/kagakufudoki374.html 

 

2013年1月26日 (土)

うどん(饂飩)、うどんの名の由来、讃岐うどん、うどんの腰と伸びはグルテンのS-S結合の生成と切断の性質による、とは(2013.1.26)

 うどん(饂飩)は、(めん)の一種で、小麦粉をうすい塩水でとき、よくこねて紐状(ひもじょう)に切り、多くは熱くして煮て食べるものです。

 その起源は、奈良時代、中国から渡来した小麦粉の皮にあん(肉、糖蜜など)を包み煮た唐菓子、混沌(こんとん)に由来し、その呼び名は、丸めた団子がくるくるしていて、とらえどころがないところから名付けられたという。

 混沌(こんとん)は、平安時代和名抄には、肉を包んで煮た食べ物(餃子ギョウザ!)とあり、文字が食扁の餛飩(こんとん)になったという。また熱いものなので温飩(うんとん)、さらに食扁の饂飩うんとん)となり、つづまって、饂飩うどん)と呼び、江戸時代になっても、うんとんうどん、共に使われたという。

 ということで、平安以降中国の混沌(こんとん)の影響を受け、何も包まない、小麦粉を塩水とこねて薄く打ち伸ばして細く切る、日本独自紐状(ひもじょう)の麺食が生まれ、饂飩(うどん)と呼ばれるようになったと推測されますが、詳細は不明です。

 幅広く切ったものは、きしめんひもかわとも)、ほうとうなど、また細めに切ったものは、冷麦そうめん(索麺)などと呼ばれているものです。

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 讃岐うどんかけうどん、いなり寿司、観音寺市、香川県、google画像) 讃岐うどん(ウィキペディア): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AE%83%E5%B2%90%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93。 

(解説) 中国では、3000年以上も前、小麦の栽培が始まり、2500年以前の書物にも麺食の字があります。例えば、棊子麺チーズーミエン、日本名はきしめん)の呼び名が隋唐の時代に見られます.。また、さらに古く、餺饂(ホウトウ、日本名はほうとう)があったという。

 日本の麺食については、平安時代空海(弘法大師、774~835)がから饂飩うどん)を四国に伝えて讃岐うどんが誕生したという伝説もあります。

 手打ちうどんには、があり、喉(のど)ごしがよく、透明感のあるものに仕上がります。これは、小麦粉の中に含まれる、イオウ(システイン、メチオニンなどのアミノ酸)を含むタンパク質、グルテンの性質によるものです。

 この麺の腰の強さは、タンパク質の一つ、グルテンのS-S結合(ジスルフィド結合)生成とも関係しています。また、伸びはこのS-S結合の切断とも関係しています。 

 日本では、大阪夜泣きうどん香川讃岐うどん名古屋きしめんなど、西日本にうどんの美味しいところが多いようです。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典(初版)、平凡社(1973); 新村出編: 広辞苑(第四版)、岩波書店(1991); 樋口清之監修: 生活歳時記(第2版)、p.848~849、うどんの歴史、三宝出版社(1994); 永原慶二監修: 日本史辞典(第1刷)、。p.112.饂飩(うどん)、岩波書店(1999).

(参考資料) コムギ(小麦)、各国の小麦粉の加工食品(パン、麺、スパゲティ、菓子類)、小麦のグルテン(タンパク質の混合物、麩質)、麺類のうまさ、まずさ、腰の強さ、とは: http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/kagakufudoki241.html

2011年4月11日 (月)

香辛料(調味料)、インド料理(カレーライス)、韓国料理(キムチチゲ、ビビンバ、クッパ)、中国料理(麻婆豆腐)、とは(2011.4.11)

  香辛料(こうしんりょう、スパイスとも)は、料理、飲物、加工食品等に、芳香、辛味などの風味を与える調味料のことです。このものには、防臭効果、防腐効果、殺菌効果、薬効効果、ダイエット効果などあり、健康にも役立ち、食欲がないときでも、ご飯がおいしく食べられ、なおかつ消化しやすくしてくれるという。 そこで、香辛料を使った、よく口にするインド料理カレーライス)、韓国料理キムチチゲ、ビビンバ、クッパ)、中国料理麻婆豆腐、マーボートウフ)について調べて見ました。

○ 香辛料

 香辛料(こうしんりょう、espice、especeとも、英語でspices)という語は、12世紀(1150年頃)の「シャルルマーニュ大帝の旅」(武勲詩?)の中で初めて用いられました。 さらに、いくたの心地よき香辛料(espice) 食事のあとに、 口にして美味しいもの (バラ物語より)  ショウガ、コショウ、ニッケイ、そして他の香辛料(espices) (アルブランより)

 その原産地は、オリエント東洋、アジア)で、古代ギリシャ・ローマの昔から、絹の国(秦、中国)の商人たちによってシルクロードの経路でもって欧州(ギリシャ)に交易によりもたらされました。

 欧州では、獣肉料理を主とするため防腐、防臭の上から欠くことができず、しかも多くは東洋からもたらされたもので高価であり、膨大な利潤を生む交易品で、貨幣の代用にもなったという。ことに、ニッケイシナモン)、コショウペッパー)が珍重され、アラビアを通じて南インド、モルッカ諸島から運ばれていました。 香辛料の歴史(馬込と大田区の歴史を保存する会、東京):http://www2u.biglobe.ne.jp/~KA-ZU/17-2.html.         

香辛料の植物には、コショウ、チョウジ、ショウガ、ニッケイ(シナモン)、ニクズク(ナツメッグ)、ターメリック(ウコン)のほか、トウガラシ、カルダモン(ショウズク)、サフラン、ポワヴロン、ピメント、ヴァニラ、ケイパーなどがあります。香辛料の世界史、口絵、富田瑞穂、より) リュシアン・ギュイヨ著(池崎一郎、平山弓月、八木尚子訳): 香辛料の世界史、白水社(2006).

(解説) 香辛料は、ケシ、コショウ、ショウガ、サンショウの類、特殊な植物の種子、茎、樹皮、葉、根など多くは乾燥した製品をいい、そのまま、あるいは粉末にして使用します。これには防腐、防カビなどの効果もあり、民間薬として通用するものも多く、芳香の強いものは香料となります。芳香を主とするものは、クローブ(チョウジとも)、ペパーミント(コショウハッカ)、シナモン、ローリエ(乾ゲッケイ葉)など、辛味にはペッパー(コショウとも)、ジンジャー(ショウガとも)、マスタード(カラシとも)など、色素としてはカーキュマ、ターメリック(ウコンとも)などがあります。 香辛料とは(全日本スパイス協会): http://www.ansa-spice.com/M04_Spice/Spice.html

 日本料理では、古来トウガラシ、サンショウなどが薬味として使用されました。薬味は、香辛料で、ふつうでき上がった料理にそえるか、あえるのに用い、香味をそえ味覚を刺激します。材料はすべて植物性で、生鮮品と乾燥品があり、併用する場合もあります。ふつう用いられるのは、ワサビ、ショウガ、サンショウ、カラシ、ネギ、シソ、セリ、ウド、ミツバ、シュンギク、タデ、ダイコンオロシ、ノリなどです。

 トウガラシの辛味成分は、カプサイシン(バ二リン誘導体、脂溶性)です。この物質は、揮発性が高くないので、舌や口腔(こうこう)内にとどまります。一方、ワサビの辛味成分は、アリルイソチオシアネートです。この物質は、ワサビをすりおろしたとき、水とミロシナーゼという酵素の働きで、ワサビに含まれているシニグリンが加水分解してできます。この物質は揮発性なので、食べると口腔内で揮発して鼻腔にまで広がり、鼻にツーンときます。

 また、トウガラシを食べると、体が温かくなり、汗が出てきますが、これはカプサイシン交感神経を刺激する作用があるためです。交感神経がカプサインにより刺激されると、神経の末端からノルアドレナリンの分泌が増加したり、副腎から血液中へアドレナリンの分泌が促進されます。これらの物質は、発汗をうながしたり、エネルギー代謝活発にすることによって体脂肪を燃焼させたり、血行を促進したりします。その働きは、ダイエット効果としても注目されています。一方、ワサビアリルイソチオシアネートには、このような作用がありません。

 七味唐辛子(しちみとうがらし、七色唐辛子とも)は、赤トウガラシ粉にサンショウ、アサの実、ケシの実、ゴマ、陳皮(ミカンの皮)、ナタネなどを混ぜ合わせたものです。ドジョウ汁、鯉こくの吸い口、めん類の薬味などに使用されます。

○ インド料理(カレーライス)

インドのカレー(手前 インドのカレー、 背後 インドのナン(パンに相当)、インド、google画像) インドのカレー(Wikipedia): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC#.E3.82.A4.E3.83.B3.E3.83.89.E3.81.AE.E3.82.AB.E3.83.AC.E3.83.BC

(解説) カレーは南方インドのタミル語でソースを意味し、幾つかの香辛料を混ぜ合わせた、刺激性淡黄色の粉末の洋風料理の調味料です。香辛料として、アニス(セリ科)、ウコン、コショウ、コエンドロ(セリ科)、メース(ニクズク科)、チョウジ、トウガラシ、ナツメグ、ニッケイ、カーダモン、オールスパイス(フトモモ科、ピメントとも)などが含まれ、 カレーライスのほか、煮物、ソースなど料理に広く使用されます。カレーライス(ライスカレーとも)は、インド風料理で、肉や野菜などを混ぜて煮た汁にカレー粉、小麦粉など加え、米飯に加えたものです。  

○ 韓国料理(キムチチゲ、ビビンバ、クッパ)

キムチチゲキムチ鍋とも、韓国、google画像) キムチチゲ((Wikipedia): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%81%E3%82%B2. 

(解説) キムチチゲ(キムチ鍋とも は、辛口の鍋料理、スープ料理で、白菜キムチが味の主体で、具には肉類または魚介類、野菜、豆腐などが使われます。

 キムチ(沈菜、韓国語kimchi、キミチとも)は、韓国の漬け物で、野菜(白菜等)を主体に、魚肉、塩辛、獣肉、香辛料、果実等数多く取り合わせて数日漬け込み、密閉するだけで重しはしない。トウガラシの強い辛味が特徴で、塩漬けにした白菜の葉の間に、魚貝類、大根、ニンニク、ショウガ、トウガラシ、ネギなどの繊切(せんぎり)または微塵切(みじんぎり)と塩辛などを挟み入れ漬け込みます。

ビビンバクッパ(左 石焼きビビンバ、右 野菜クッパ、和龍園、東京、google画像)  

(解説) ビビンバは、韓国の主食料理の一種で白飯の上に野菜の和え物を主にしたいろいろな具をのせ、混ぜ合わせて食べます。 クッパは、スープとご飯を組み合わせた雑炊のような料理で、焼肉店での定番という。

○ 中国料理(麻婆豆腐、マーボードウフ)

麻婆豆腐(マーボードウフ、上にかけてある黒い粉が花椒(カショウ)、四川省、中国、google画像)  麻婆豆腐マーボードウフ、Wikipedia): http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%BB%E5%A9%86%E8%B1%86%E8%85%90

(解説) 麻婆豆腐中国語、マーポードウフ)は、四川料理の一つで、挽肉(ひきにく)と赤唐辛子(赤トウガラシ)・花椒(カショウ、サンショウの同属異種)、豆板醤(トウバンジャン、豆瓣醤とも、空豆が主原料)などを炒め、鶏がらスープを入れて豆腐を煮た料理で、唐辛子(トウガラシ)の辛さである辣味(ラーウェイ)と花椒(カショウ)の痺(しび)れるような辛さである麻味(マーウェイ)を特徴とします。

 私は、家内が韓国料理(キムチチゲ)を作ってくれたとき、いつも食欲がわき、必ずご飯のおかわりをしています。

(参考文献) 下中邦彦編: 小百科事典、平凡社(1973); 新村出: 広辞苑、岩波書店(1991): リュシアン・ギュイヨ著(池崎一郎、平山弓月、八木尚子訳): 香辛料の世界史、白水社(2006); 日本味と匂学会(代表、山本隆)編: 味のなんでも小事典、講談社(2010).

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